チェリ-

著者 :
  • ポプラ社
3.81
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本棚登録 : 168
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591098929

作品紹介・あらすじ

伯父さんのアメリカの家に、「魔女みたいなひと」が住みついてしまった!ぼくはずうずうしい「魔女」を追い出そうと、頼りない伯父さんといっしょにアメリカへむかった。ところが、いざその家についてみると、そのひとは人見知りで、やせっぽちで、正直で…、あの時、ぼくの知らない心がどきどき動きはじめた-。涙がとまらないすてきな恋の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 人に惹かれて愛するってこういうことなんだろうなって思った。チェリーのように甘酸っぱくて幸せで切なくて純粋なお話。でもどこか入りきれないのは、私の心が濁って澱んでいるからだろう。いつか心の掃除が出来たら読み返したい。

  • 緑の館に住む素敵な魔女モリーとショウタ。まるでハリウッドの映画になりそうな話、メルヘン。
    妖精のような、少女のようでもある純粋なモリーに、心を洗われてしまいました。

  • モリーの純粋さに心洗われる気持ちになりました。

    多数に合わせられない少数は『変わった人』のくくりにされてしまいがち。
    純粋すぎるモリーもそんな少数のうちの一人。

    モリーがチェリーパイを作ってる姿、とても楽しそうで映像化して見てみたいなぁって思いました♪
    一度日本に戻って流れる時間の中、心が離れてしまいそうになるシーンは遠距離恋愛ってきっとこんな風に離れてしまうんだろうなぁと思わせられるシーンでした。

    大人になって対面したモリーのチェリーの木。
    涙が止まりませんでした。
    ピュアで素敵な物語です♪

  • 中学生の僕がアメリカで、老婆モリーと過ごした日々。甘酸っぱいチェリーパイが食べたくなる。みんなを喜ばせるのではなく、いちばん喜ばせたい誰かを喜ばせたい、と語るモリーの言葉が胸に響きました。

  • 少年時代の思い出と言って片付けるには,あまりにも心に刻まれた記憶.叔父と共に再訪したアメリカで,ショータは緑の家に住むモリーと出会う.魔女退治に来たはずが彼女の純粋さ,優しさ,思いやりに触れ,祭りや海賊船や花火の体験を共有することで絆を深めていく.読んでいて,妖精やハーヴェイ・ジュニア,チェリーパイ,魅力的なものに包まれた幸福な時間を過ごせて楽しかった.

  • まさかと思ったけど、こうゆう形の愛もあるんだなぁ。素敵。
    とても胸が苦しくなるけど、それと同時に駆け抜ける爽やかさがなんとも心地いい。
    モリーの優しさ、可愛さ、そして奥深さ。ずっと読んでいたい。この世界から抜け出したくないと思いました。

    いちばんかっこいいのは、自分のてのひらの中身を意識しないこと。

    モリーの素敵さの真髄は、ここにあると、だから素敵なんだなぁと、しみじみと感じる本でした。

  • よかった!本当によかった!
    胸が苦しくなるよさ。アメリカンカントリー風西の魔女が死んだかつ夏の庭。内容的には全然ちがうんだけど、あんな読後感。よかった。

  • 少年と老女。舞台はアメリカ。さくらんぼの州。
    魔女たいじに付き合って渡米したショウタは、ハーヴェイ・ジュニアを相棒にもつモリーに出会う。
    70歳とは思えない無邪気さと自由なこころを持つモリーに、13歳のショウタは惹かれていく。

    老女と青年の恋を読みたくてすすめていただいた。最初はちょっと違うと思いつつも、主人公のまわりの環境やモリーのキャラクタがおもしろくて読み進めた。すごく好きな物語だった。
    冒頭に出てくるこいびとはプーカじゃなかろうな…と若干ハラハラしたが余計なお世話だった(笑)。

    砂漠のトレイラーハウスは、どこまでも自由なイメージを与える。モリーのこころは自由な空にいる。チェリーパイ、食べたい。

  • いい本に出会えてよかった。

  • 初恋物語、なのかな。

    通常の初恋とはうんと年の差のある、でも色あせない「少年時代の恋」の話。
    少年のころ、ひと夏を過ごした「さくらんぼの州」を再び訪れた大人になった「僕」が、「何もうしなっちゃいない。消えることなどない」と夏を思い出すラストがしみじみと良かった。

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著者プロフィール

作家、イラストレーター。ニューヨーク在住。98年「パンの鳴る海、緋の舞う空」で小説すばる新人賞受賞。主な著書に『フラグラーの海上鉄道』『宇宙でいちばんあかるい屋根』『カチューシャ』『世界のはてのレゲエ・バー』『おどりば金魚』『チェリー』『犬のうなじ』『ぴしゃんちゃん』『鴨とぶ空の、プレスリー』『海鳴屋楽団、空をいく』『つまのつもり』など。

「2016年 『虹の巣 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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