月のうた

著者 : 穂高明
  • ポプラ社 (2007年10月発売)
4.04
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  • 本棚登録 :156
  • レビュー :45
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591099551

月のうたの感想・レビュー・書評

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  • 小学4年生の時に母をガンで亡くした民子の成長と、その家族の物語。

    各章が、民子、継母の宏子、母の親友の祥子、父亮太それぞれの視点から描かれる手法。
    最初の民子の章は辛かったです。
    まだ中学生の民子は、母と祖母の死を受け入れてはいても、我慢をし続けていることが多数ある様子で、痛々しくて、悲しくなりました。
    この章では宏子も亮太も、私の中では悪人の立ち位置で、最後に今のように温かな気持ちで読み終えることが出来るとは思っていませんでした。

    とても素敵なお話でした。
    民子が幸せになれますように。
    国原家の残り3人も、楽しく暮らしていけますように。

  • 数年前に穂高さんの本に出会って
    ずっと読みたくて
    タイミングをはずしてここまできた一冊。

    今の私にはこの本が必要で
    読み切ることができて良かったと本当に思ってます。
    欲してるものとか
    正直自分ではよくわからないけど
    自然と手にとっていて何とも言えない気持ちです。

    母親・美智子はガンで亡くなり、
    父親と
    再婚相手の宏子と
    老人ホームで亡くなった婆ばと
    美智子の親友である祥子と息子の陽一と、

    そして美智子の子どもである、民子。

    不器用で愛のある家族の話です。

    繋がりのある短編で
    民子の目線からの「星月夜」
    継母の宏子の「アフアの花祭り」
    親友である祥子の「月の裏側で」
    父親からの「真昼の月」

    自分が年を重ねてきているからか、
    もちろん民子の話はぐっときましたが
    自分の感情が残っているのは継母である宏子。

    彼女は再婚相手であり、父親とも年が離れているし、
    料理もだめで、御惣菜ばかり買って、
    口調も適当で
    本当にダメ女として描かれていくのかと思っていました。

    親族たちに陰口をたたかれても
    負けない彼女は
    本当に幸せになるべきだし
    きっと幸せになれる。

    とにかく物語の真ん中には
    「終わり」と「始まり」が
    静かに横たわっていて
    それをしっかりと受け止めて行く民子の姿は
    周りのおとなたちよりも
    ずっと格好良い。

    と言うか、大人なんてそうなのかもしれない。
    年齢を重ねた分、
    いろんな感情や状況や
    思考が頭をぐるぐるしていて
    足踏みや躊躇をする。

    どんなに気をまわしても
    思っていても
    相手に伝わらないこともあって。

    でも、
    それでも
    相手を大事にする気持ち
    寄り添っていたい気持ち
    月と一緒に
    その気持ちと物語が進んでいきます。

    不覚にも泣いてしまいました。苦笑
    民子の発する言葉が
    的確で優しくて、思いやりがあって。
    そーゆーあったかさに触れる瞬間て本当に愛おしい。

    昔の私だったら読めなかったかもしれない。
    家族にも子どもにも感情移入できなくて。
    もちろん今でも完全ではないけど。

    月の裏側にいる大切な人たち
    優しく見守って
    そして微笑んでくれているんでしょうか。
    こんな季節なのに
    夜道でホットレモンを飲みたくなる一冊です。苦笑

  • 月がつなぐ親子の話

    しすかに横たわるあたたかさがよかった

  • 読了後に余韻が強く残る家族の物語。
    章ごとに分かれた人物たちの心模様が読みやすい。
    そして章ごとに読むと人物たちの本心が垣間見える。
    そんな不器用で衝突ばかりの家族がイジらしく愛おしい。
    読み手が優しく見守る形になる構成や、内容の深さや現実など熟読して読むことが出来た本。

  • そっかこれも月の本だったんだ。
    すっかり忘れてた。
    眼鏡かけて星見るとこだけは憶えてたなあ。
    そうそう月は同じとこしか見えないんだよね。
    すっかり忘れてた。

  • 小学四年で母を病気で亡くし、2年後、大好きな祖母も亡くした民子。その民子と彼女を取り巻く人達との話。民子目線の章から始まり、継母、亡くなった母の親友であり、民子の幼馴染の母でもある女性、そして父親目線の章へと続く。各章の主人公だけでなく、祖母、幼馴染、伯母、従兄など、たくさんの人が民子をいつも側で温かく見守る。月のように…216ページとボリュームとしては少なめのページ数から伝わってくるものは、とても大きい。中学生の姪に勧めてみようか…

  • いい話を読んだなぁ、って素直に思える小説だった。読み心地最高!毎日、月を見て歩きたくなるぞ。

    ある家族の物語である。その家庭では妻であり母であった人が肺がんで亡くなっている。そこに若い女性が嫁いでくる。当然その家族には不協和音が生じる。で、その不協和音がどう静まっていくのか?美しい和音になっていく過程を家族を構成する個人個人の目線(一部外野目線含)で追いかけていくテーマで描いた4編からなる短編集である。

    日本人にとって理想の家族とは「サザエさん」一家であったり、「ちびまる子」一家であったり、「東京バンドワゴン」一家であったりするんだろうけど、この作品の一家も、これら理想に匹敵するくらい素晴らしい家族なんじゃないかなと、むしろ現代日本にはこういう家族形態こそが目指すべき姿となるんじゃないかな、と思えてくる。

    娘の民子の健気さが実にいい、賢くて気配りができてしっかりしてて、でも実は張りつめて生きているので相当しんどくなっていて…
    天然系の後妻宏子も、母親の親友とその息子(民子のBF)もいい味出しているし、どしんと構えた民子の祖母や宏子の母親も素晴らしいが、この作品集のキモはやっぱり民子である。娘育てた経験のある男は、マジで健気さに震えるぞ!

    そして、情けない父親像がまた…、物語後半で赤ん坊に名前を付けることになるんだがそのセンスときたら…、民子が嘆くのもムベなるかな。けど多かれ少なかれ、世の父親はこういう風なもんなんだろうなぁ、俺含め。

  •  一つの家族の話です。娘、継母、母の友人、父親、いろいろな目線で綴られていきます。それぞれの人の想いを読み進めるうちに、この家族の絆が浮かび上がってきます。おばあちゃんの思いが泣けました。
     女って強いなって。いやいや、強い女がたくさん出てきます。

  • 配置場所:広3図書
    資料ID:93073422
    請求記号:913.6||H

  • 「月のうた」穂高明◆新しい母親、親戚のお兄ちゃん、幼馴染の男子…。主人公・民子の周囲で変わりゆく関係と変わらない関係。著者のデビュー作だそうです。部分部分ではきれいなところもあるのですが、全体的に予定調和というか、どこかで読んだ話を繋いだような印象が拭えぬまま終わってしまった。

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