- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591102978
感想・レビュー・書評
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るいさんらしいタイトル。
ストーリーもるいさんの作品だと知らなくても
読めばわかる、とても”らしい”作品。
イラストを描く木葉と童話を書くアラシ。
偶然の出会いが二度あればそれは運命、
なんてことを聞いたことがあるけれどふたりはまさに運命。
木葉の大きくあたたかな心、強さ。
アラシの弱さを太陽にあててふっくらした毛布で包むかのよう。
あいだにはさまれる童話、
アラシ作「泥棒猫と遊牧民」がとてもよかった。
続きは?続きは?と気になってしまう。
そして泥棒猫が遊牧民から盗んだものは何なのか。
遊牧民のようなおおらかで外へ向けて解放しているような
自然体な姿勢に憧れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔の恋人のアラシの連載の挿絵を描く事になった三十二歳のイラストレーターの木の葉が、登校拒否をして施設で出会った中学生以降の彼との過去を回想する。チャラくて、自分達をモデルに木の葉目線で書かれた童話もその有り様が女々しくて、アラシの魅力がわからなかった。亡き姉の五年生になる娘を育てる日常が微笑ましい。
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人を信じられず、愛することを恐れているアラシ。そんなアラシから木の葉は離れていった。すれ違ってしまった二人。アラシの描く童話によって、二人はまた出会う。その物語には、アラシの想いがつまっていた。
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映画っぽい話でした。
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普段あまり恋愛小説は読まない方ですが、この作品は好きでしたね。
うつくしい恋愛小説、とでもいうべきか。かと言ってありきたりで単純な作品ではなくて。
どこか幼さの影を残しながらも、反面決して幼くして抱え込めない、傷みを知っている大人の強さと心のゆとりが必要な、そんな二人のおはなし。
読み終えた後のスーっと水のように染み込んでいく余韻が心地よかった。
装丁もとても好きです。 -
自分は今まで猫だと思っていた。でも遊牧民なんじゃないかって。じゃあ、猫はだれ?よー太は待っていてくれたのだろうか、待っていてくれるのだろうか…?
いずれにしても、傷付けたよー太の気持ちを少し感じたきがした。 -
物語と進行して書かれているアラシの書いた猫のお話がとても印象的でした。小手鞠さんは綺麗な文章を書くなぁ。
木の葉とアラシの関係に目が離せない感はあったけど、なんか物語的に何かが足りない感じがしました。
透明感があってさらっと読めちゃう感じ。
私の一番大切なものって何だろう… -
小説の中で語られているお話が小説そのものとリンクしている。さらりと綺麗なお話。
2011/6/13 -
本屋でタイトル買いした一冊。
過去に深い傷をもつアラシと木葉(このは)
幼い頃、施設で出会い、離れ、二十歳で再会し
すぐに同棲。
深い愛情で結ばれてはいても、自由と孤独を愛する
アラシについていけない木葉。
愛すれば愛するほど、束縛してしまう気持ちをどうして
いいかわからなくなり、結局は自分のもとを去っていってしまった
アラシ。
そんな二人が 大人になって また出逢うことに・・・・
自分が書いた物語に イラストレーターである木葉に挿絵を依頼する
アラシ。
その物語が二人を繫ぐ糸になる。
物語自体は優しくていい感じだけど、亡くなった姉の子供の話は
なくてもよかったような気がする。
結末は多分二人が出逢うってことだから、そうなると
今度は姉の子供がネックになるわけで・・・・
なんとなくすっきりしない読後感だったので星は3つ。
時間がたっぷりあるときにゆっくりと読み返してみたい。
(アラシの物語だけ) -
2009/06/04読了 自分のことを好きで好きで仕方のない人間って確かにいる。