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  • Amazon.co.jp ・本 (1333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104972

感想・レビュー・書評

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  • いやぁよく読んだと思うよ~杯(森鴎外)夢十夜(夏目漱石)一口剣(幸田露伴)拈華微笑(尾崎紅葉)吾が家野の富(徳冨蘆花)武蔵野(国木田独歩)風呂桶(徳田秋声)伸び支度(島崎藤村)わかれ道(樋口一葉)修禅寺物語(岡本綺堂)猫八(岩野泡鳴)外科室(泉鏡花)青草(近松秋江)小さき者へ(有島武郎)死者生者(正宗白鳥)勲章(永井荷風)真鶴(志賀直哉)恭三の父(加能作次郎)久米仙人(武者小路実篤)妹の死(中勘助)刺青(谷崎潤一郎)椿(里見弴)鮨(岡本かの子)サラサーテの盤(内田百閒)生涯の角ね(室生犀星)虎(久米正雄)お富の貞操(芥川龍之介)窓展く(佐藤春夫)雲雀(藤森嘉樹)押し絵と旅する男(江戸川乱歩)アリア人の孤独(松永延造)ゼーロン(牧野信二)へんろう宿(井伏鱒二)機械(横光利一)渦巻ける烏の群(黒島伝治)焼跡のイエス(石川淳)バッタと鈴虫(川端康成)暢気眼鏡(尾崎一雄)秋風(中山義秀)告別(由起しげ子)闇の絵巻(梶井基次郎)散歩者(上林暁)幸福の行方(林芙美子)うけとり(木山捷平)聖家族(堀辰雄)心願の国(原民喜)波子(坂口安吾)山月記(中島敦)富嶽百景(太宰治)~多分,この一冊を読むのは後にも先にも私だけでしょう。ま,蔵書の場合は殆どがそうだろうけど,これは図書館の本ですが,重くて・厚くて。よく見たら出版社(ポプラ社)の寄贈本。著作権が切れているのかなぁ。この時代の方々は自分のことを小説として書いていて,そりゃ気疲れするだろうなぁ・・と考えさせられました。自殺者の多いこと…

  • 森鴎外から太宰治まで、51人の名短編を収めた一冊。1300頁の大ボリュームはなかなか圧巻。
    「名文」をテーマにしたアンソロジーということになるんだろうか。新たな読書体験の糸口として、こういうのはとても素敵だと思う。総ルビのうえ、作品ごとに作家紹介もしてくれる親切設計でますますいい。
    以下、初読を主に、特に気になったもの。

    「一口剣」/幸田露伴
    滔々と流れる名文がどこまでも雄弁で美しい。冒頭の田舎風景、我が罪に苦しむ正蔵の姿、一転仁王になったかのような奮起、最後の刀の描写がとても好き。
    小烏小狐鬼切り髭切り、抑も何者が作りしぞや……に痺れた。
    結びの一文には戦きため息。これはやばい。
    好いたもの同士一緒にいるのにうまくいかない難しさ、これが生々しく語られるのも面白かった。お蘭の腹のうちなんかもう強烈。

    「拈華微笑」/尾崎紅葉
    直前の「一口剣」と同様のスタンスで読もうとしたけどたぶん間違えた。あちらが武家物ならこちらは王朝物の風情。
    目見と微笑で交わす恋の奥ゆかしさ、目で見ただけの誤解から破局の呆気なさが面白い。何しろ結局一言も口をきけてない……。
    古典風でありつつ語り口がところどころ可笑しかった。ユウトピア!

    「吾家の富」/徳富蘆花
    ごく短い作品ながら、小さな家の小さな庭の興趣を余すところなく描いて端正に美しい。
    雨の八剛纂と、銀杏と紅葉の落葉の描写が好き。

    「武蔵野」/国木田独歩
    はじめ少し読みにくさを覚えたものの、途中からぐっと面白くなった。落葉林の美の発見から、林に道に、武蔵野の魅力を次々に語っていく様がいかにも楽しげ。愛のなせるわざか。
    そういえば武蔵野市に「独歩橋」がある。

    「修禅寺物語」/岡本綺堂
    桂と夜叉王と、違う心でありつつそれぞれに極まっていて凄まじい。冒頭の言い分は世間知らずの高慢かと思いきや、武士に劣らぬ覚悟の働きだし、迎えた父は父で失われゆく娘を手本にして、そこに誰もなんの疑問もない。魂の在り処が修羅の巷。

    「小さき者へ」/有島武郎
    母を失った小さく不幸な子どもたちに宛てた「小さな書き物」。冷静な述懐の中に限りないのは親の愛。出生に始まって母の死を経て、その先を生きて行く子どもたちに伝えられる父母の愛、亡き母の姿に涙が出た。
    読後に著者の略歴を読むと涙が乾く(かも)

    「刺青」/谷崎潤一郎
    絢爛たる美とそれを生む嗜虐の快楽の妖しさ。美の作り手であるところの清吉も強者支配者というべきもので、そしてその地位と嗜虐は、最高傑作を生んだのを境に顛倒していくのだと思う。幕切れはすでに翳りを帯びた、寸前の極致なのかもしれない。
    谷崎潤一郎、代表作と言われるところをそろそろ読んでみたい。中公文庫の『人魚の嘆き・魔術師』みたいな素敵な本がないかしら。

    「鮨」/岡本かの子
    ともよと湊の間の交わすともない気持ち、湊が語る母の手づくり鮨の描写が好き。
    そんなものとは思いつつ、ともよが湊を思い出にして哀しまなくなるのが寂しい。いつか年を取ったら、母を語る湊のように懐かしく思うのかな。

    「押絵と旅する男」/江戸川乱歩
    読むたび『魍魎の匣』の影響で脳内がキャラデザCLAMPのアニメ劇場。はまりすぎである。
    冒頭からすでに蜃気楼の夢心地を描きながら、老人の語りでさらに別次元の夢をあらわしてしまうのがたまらなく好き。
    浅草十二階からお堂の裏、当たり前の此岸から押絵の中の彼岸へと、高低・遠近の落差にも眩暈がする心地。きっと狙ってるんだよねこれ。

    「心願の国」/原民喜
    すでに半ば地上を離れた透徹。様々なイメージをまじえた独白が詩情をまとって美しい。これが絶筆……。
    原爆文学だという「夏の花」も読んでみたい。

    「山月記」/中島敦
    久しぶりに読んだらうっかり森見登美彦版を思い出してしまった。京大生ものの改変はハマりすぎてた。
    臆病な自尊心、尊大な羞恥心の言が刺さって痛い。好きですつらい。そして美文。
    高校の教科書に載っていたのは全文だっただろうか。覚えてないけどそうであってほしい。

  • 100殺!ビブリオバトル No.29 午後の部 第4ゲーム(1班) [チャンプ本!]

  •  
    ── 《百年小説 20081209 ポプラ社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4591104974
     
     森 鴎外 夏目 漱石 幸田 露伴 尾崎 紅葉 徳冨 蘆花 国木田 独歩
    徳田 秋声 島崎 藤村 樋口 一葉 岡本 綺堂 岩野 泡鳴 泉 鏡花 近松 秋江
    有島 武郎 正宗 白鳥 永井 荷風 志賀 直哉 加能 作次郎 武者小路 実篤
     
    …… 森 鷗外から太宰 治まで。日本作家51人の傑作短編を1冊に集め
    た豪華アンソロジー。
     漱石の『夢十夜』、国木田独歩の『武蔵野』、樋口一葉の『わかれ道』、
    谷崎潤一郎の『刺青』――。ひとり静かに味わってみたくなる日本文学
    史に残る珠玉の名篇があります。四季折々の懐かしい風物、温かな人影、
    時の移ろい。著名な作品ばかりでなく、明治から昭和初期までの知られ
    ざる傑作も含め、51篇を収録。ゆったりと日本語を味わい、また声に出
    して音読できるよう、「大きな文字」、「総ルビ」を採用しています。
     各作品ごとに作家プロフィール、出世作や代表作、文壇のエピソード
    などを織り込んだ著者紹介が付いています。日本近代文学の揺籃期に思
    いを馳せながら、その時代の作品を堪能できます。(Amazon)
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003225449
    ── モーム/西川 正身・訳《世界の十大小説 (上) 19581117 (下) 19971016 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003225457
     
    ── Maugham《Ten Novels and Their Authors 1954 England》
     わたしの世界十大小説(年代順)
    https://oshiete.goo.ne.jp/qa/4742123.html(No.2 20090224 22:47)
     
    …… 「貴男は、もう日本文学など森鴎外をすこし読むだけでいいんで
    すよ。外国の文学をたくさん読んで、ご勉強なさい」
    「まずは、フロベール、ね」 かたわらの百合子嬢も言う。(虚々日々)
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19540321
     客太郎 ~ サロン・ド・ボヴァリー ~
     
    http://q.hatena.ne.jp/1519473443#a1266570(No.5 20180225 04:25:16)
    …… 本の本 ~ いつどこで、誰々が、いかに書いたか? ~
    http://twilog.org/awalibrary/search?word=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%9B%B8%E7%89%A9&ao=a
     
    (20180304)
     

  • 林芙美子の幸福の彼方(1940)を検索したら、この本が出てきた。厚さにびっくり。
    コンセプトはとても良いのだけれど、誤字が気になった。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA88287957

  • 出たときに購入し、厚さにびびり、膝に跡がつき、結局いまでは、気になった作家ができると探して読むという辞書のような存在に……でもあのとき買って良かったです

  •  1. 杯 / 森鷗外著(2012.6.27)
    2. 夢十夜 / 夏目漱石著 (2012.7.4)
    3. 一口剣 / 幸田露伴著
    4. 拈華微笑 / 尾崎紅葉著
    5. 吾家の富 / 徳富蘆花著
    6. 武蔵野 / 国木田独歩著(2012.7.13)
    7. 風呂桶 / 徳田秋声著 (2012.7.18)
    8. 伸び支度 / 島崎藤村著 (2012.7.20)
    9. わかれ道 / 樋口一葉著 (2012.7.23)
    10. 修禅寺物語 / 岡本綺堂著 (2012.7.24)
    11. 猫八 / 岩野泡鳴著
    12. 外科室 / 泉鏡花著 (2012.7.25)
    13. 青草 / 近松秋江著
    14. 小さき者へ / 有島武郎著 (2012.7.31)
    15. 死者生者 / 正宗白鳥著
    16. 勲章 / 永井荷風著
    17. 真鶴 / 志賀直哉著
    18. 恭三の父 / 加能作次郎著
    19. 久米仙人 / 武者小路実篤著
    20. 妹の死 / 中勘助著
    21. 刺青 / 谷崎潤一郎著
    22. 椿 / 里見弴著
    23. 鮨 / 岡本かの子著 (2012.8.2)
    24. サラサーテの盤 / 内田百間著
    25. 生涯の垣根 / 室生犀星著
    26. 虎 / 久米正雄著
    27. お富の貞操 / 芥川龍之介著 (2012.8.6)
    28. 窓展く / 佐藤春夫著
    29. 雲雀 / 藤森成吉著
    30. 山の幸 / 葉山嘉樹著
    31. 押絵と旅する男 / 江戸川乱歩著
    32. アリア人の孤独 / 松永延造著(2012.8.7)
    33. ゼーロン / 牧野信一著(2012.8.8)
    34. へんろう宿 / 井伏鱒二著
    35. 機械 / 横光利一著 (2012.10.24)
    36. 渦巻ける烏の群 / 黒島伝治著(2012.10.29)
    37. 焼跡のイエス / 石川淳著
    38. バッタと鈴虫 / 川端康成著
    39. 暢気眼鏡 / 尾崎一雄著
    40. 秋風 / 中山義秀著
    41. 告別 / 由起しげ子著
    42. 闇の絵巻 / 梶井基次郎著
    43. 散歩者 / 上林暁著
    44. 幸福の彼方 / 林芙美子著
    45. うけとり / 木山捷平著
    46. 小美術館で / 永井龍男著
    47. 聖家族 / 堀辰雄著 (12.11.1)
    48. 心願の国 / 原民喜著 (12.11.2)
    49. 波子 / 坂口安吾著 (12.11.7)
    50. 山月記 / 中島敦著 (2012.9.18)
    51. 富嶽百景 / 太宰治著(2012.11.9)

  • 仕事の休み時間に1、2編ずつこつこつ読んでいます。今日は有島武郎の『小さき者へ』。泣けました。

  • ここ百年の近代文学の文豪の一編の小説を集めたもの。
    中勘助の「妹の死」
    有島武郎の「小さき者へ」は泣ける。

    小説のチョイスも絶妙。

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森鴎外の作品

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