([え]2-1)怪人二十面相 江戸川乱歩・少年探偵1 (ポプラ文庫クラシック)

著者 : 江戸川乱歩
制作 : 平井 憲太郎 
  • ポプラ社 (2008年11月18日発売)
3.87
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  • 83レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591106198

作品紹介

十年以上を経て突然帰郷した羽柴家の長男、壮一。折しも羽柴家には、ちまたで噂の盗賊「怪人二十面相」からロマノフ王家に伝わる宝石を狙った予告状が届いていた。変幻自在の愉快犯・怪人二十面相と名探偵明智小五郎、記念すべき初対決の幕が開く。

([え]2-1)怪人二十面相 江戸川乱歩・少年探偵1 (ポプラ文庫クラシック)の感想・レビュー・書評

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  • ずっと読みたいと思っていた江戸川乱歩作品。
    まずはやっぱり「怪人二十面相」から[^-^]

    思っていた以上に読みやすいというより、
    あまりに突っ込み所が満載すぎて、
    かなり古い時代のものとはいえ、これは…と
    びっくりしたけど、油断させておいて
    突っ込ませつつも二転三転する展開が面白かった。

    20のまったく違う顔を持ち、宝石や美術品など
    美しい物だけを盗み、現金にはあんまり興味を持たない
    不思議な盗賊、"怪人二十面相"。

    そして書かれる予告状。

    「余はこのたび、右六個の金剛石を貴下より
    無償にて譲り受ける決心をした。」

    勝手に決心するけれど、律儀に知らせる[笑]
    今の日本では有名になった某怪盗や探偵たちや
    いろんなお話の元となっている部分、また江戸川乱歩も
    その元となっている物語があったりと
    継がれてきた系譜を辿っていくのも楽しい。

    どんなに明るい場所で、どんな近づいて見ても
    少しも変装とは分からず、大胆不敵、傍若無人の怪盗と
    明智小五郎との力と知恵の戦いは、今どちらが罠を仕掛け、
    どちらが引っ掛かっているのかまさに好敵手の戦い。
    明智小五郎の小さなかわいい弟子小林くんと
    その後結成される少年探偵団の始まりもわくわくさせられる。

    紙芝居を思わせるかのような独特の語り口や
    古い時代を感じられる背景など、楽しみも多くて
    これから他の作品を読み進めるのが楽しみ!

    巻末に江戸川乱歩の孫である平井憲太郎さんの
    エッセイがあり、優しいおじいちゃんであった
    乱歩の姿や、執筆をしている部屋などの風景を
    感じられるのも読後に二十面相から最後の
    プレゼントをもらったようでうれしかった。

  • 今月の“千年読書会”の課題本ということで久々に。
    といっても、小学生以来ですから、30年ぶりくらいになるかと。

    小学生当時、図書館で片っ端から読んだ覚えがあります、
    の割には、あまり内容は覚えていませんが(汗

    でも、変幻自在の変装の名人“怪人二十面相”、
    それに対する名探偵・明智小五郎と、小林少年&少年探偵団。

    この両者のめまぐるしい攻防戦には、胸を躍らせていました。
    そうそう、小林少年の七つ道具にも憧れましたね~

    個人的には、このシリーズで深く刻まれた“怪盗”という存在が、
    ルパンシリーズ、ホームズシリーズへの扉を開いてくれました。

    人殺しはせずに、そこか憎み切れない怪盗・怪人二十面相、
    そして、全てをお見通しかのような、名探偵・明智小五郎。

    『名探偵コナン』なんかでも定番の設定ということもあるのか、
    今の時代に読んでも、古臭さを感じずにスルッと読めるなぁ、、とも。

    ちなみに子ども向けに青い鳥文庫版でも出ていたので、
    息子にも読ませてみようとあわせて購入しました。

    こちらは表紙や挿絵が今風になっているのと、
    文中の貨幣価値などに若干の手が入っているようです。

    私個人はポプラ社版の“昭和!”なタッチの方がなじみがありますが、
    最近コナンにはまっている息子、どんな反応を見せるか楽しみでもあったり。

    そうそう、国宝級の仏像とかロマノフ王朝、
    そして国立博物館、こんな存在を知ったのも、この本からでした。

    初版は1936年とのことですから、ロマノフ王朝の悲劇なんかは、
    この当時から物語の題材としてもあったのだなぁ、、なんて風にも。

    長く残る小説は、時代を映しながらも時代を超える普遍性も持っている、
    そんな要素が求められるのかなとも感じた、そんな一冊です。

  •  「うちの子、本を読まないんだけど、どうやったら本を読むようになる?」
     ここでレビューをお書きになっている方なら、一度はされたことがあると思います。

     私が本を読むようになったのは間違いなく親父の影響です。
     わが家は本に関しては割りと何でも買ってくれる家でしたし、仕事から帰ってきた親父が晩に僕らを連れて本屋に行くこともよくありました。
     もちろんそういうことも影響しているとは思います。が、僕の記憶の原風景には、リビングで寝っ転がって本を読んでいる親父の姿がありました。特に僕と弟がアニメを見ている後ろで本を読んでいたのが印象に残っています。

     親父は興味の赴くままに色々読んでいたようですが、一貫して好きだったのは推理小説でした。
     僕が小学校に上がったくらいだったと思います。あるとき、江戸川乱歩を読んでいた親父に「何読んでんの?」と聞いたら、親父はこんなことを教えてくれました。
    「この江戸川乱歩というのは、日本に推理小説を持ち込んだ一人やねん。この変な名前は、エドガー・アラン・ポーという外人の作家の名前に漢字を当てたもんなんや」
     この話が妙に頭に残っていたので、学校の図書館で江戸川乱歩の少年探偵シリーズを見つけたとき、手に取りました。
     親父に見せるつもりで持って帰ると、親父は怪人二十面相と明智小五郎の話をしてくれました。その話に興味がかき立てられ、初めて小説を読んだのが本書、というわけです。
     それから何冊か少年探偵シリーズを読んだ頃、ちょうどクリスマスの時にいつもプレゼントをくれる伯父に江戸川乱歩を読んでいる旨、手紙に書きました。すると伯父はその年のクリスマスプレゼントに、図書館にあるのと同じハードカバーの少年探偵シリーズを10冊、贈ってくれました。

     この間、書棚を整理しているとその少年探偵シリーズが出てきて、懐かしくて本書を読み返してみました。

     改めて読んでみてビックリしました。
     放送禁止用語連発じゃないですか!(笑)
     カットしようにも、話の構成上「き○がい」と「乞食」が出てこないと話が進まないので無理です。
     文庫化された際にどう修正されているのか確かめましたが、前者は「気がちがったのか」と動詞化されており(それで何ほど違うのかがよくわかりませんが…)、後者はそのままでした。確かに、そこだけルンペンないしホームレスと書き換えてあっても違和感だけが増大します。

     逆に、大人になっても相変わらずわからないのが、二十面相が来ているロシアの「ルパシカ」という服です。画像検索をかけても、だぼっとした東欧の大黒様みたいな服もあれば、オシャレなイケメン野郎のカーディガン画像が出てきたりと、余計わけがわからなくなりました。

     あと、夢中になって読んでいた小学生の頃は、少年探偵シリーズを「推理小説」だと思って読んでいましたが、全然違いますね。
     江戸川乱歩の思惑としては、日本に推理小説を根付かせるためには、まず子供に推理小説っぽい冒険小説を読ませるのが良い、という狙いで少年探偵シリーズを書いた、と聞いたことがあります。それはなるほどと思うのですが、それにしても、小説で変装をテーマにするのは、よくよく考えるとシュールです。わかるわけないじゃん!(笑)


     色々書いてきましたが、未読の方には特にご一読をオススメします。大人が読んでも充分楽しめると思いますよ。

  • 初の少年探偵団シリーズ。大人になった今読んでも、ドキドキして面白かった。二十面相も明智小五郎もやることが、凄いな。

  • 「少年探偵」シリーズの第一弾。
    小学校の図書館に江戸川乱歩の本(文庫ではなく単行本で)はあったはずですが、この作品を読んだ記憶なし(忘れてしまっただけかもしれませんが…)。
    平成の世では「不適切」とされる言葉が使われているあたり、時代を感じます。内容は、先が読める部分と、そうきたか!いう部分があり楽しめました。
    本書を手にとった時、表紙の仏像のイラストが妙に表情豊かだなぁ、と思いましたが、読み進めていくうちに納得しました。
    少年探偵団の結成の経緯がわかります。
    巻末エッセイは平井憲太郎氏です。この方、存じ上げなかったのですが、江戸川乱歩のお孫さんなんですね。

  • 明智小五郎さんと怪人二十面相の知恵がすごかったです。
    一回怪人二十面相を捕まえたのに、逃げられて、小学生の団体に突っ込んで、そのまま跳びかかられて捕まえられたのが面白かったです。

  • やっぱり面白い。

  • この少年探偵シリーズは全部読んだ。

  • 読みやすい推理小説。スリルあり、知恵比べありで対象は小学生かな。
    明智小五郎や少年探偵団といった聞いたことはあるけど、どんな話なのか知らなかったから手に取った本。

  • ある秋日、実業界の大立者である羽柴壮太郎氏宛てに、家宝であるロマノフ王朝時代の金剛石を奪うと、怪人二十面相からの予告状が届いた。犯行日は、家出した羽柴氏の長男である壮一が約十年ぶりに家に戻ってくる日であった。邸宅の周囲には、十重二十重の警戒を施し、壮太郎と壮一が最後の砦として宝石を守っていたが、実は壮一と思われていた人物が二十面相であった。二十面相は、まんまと宝石を奪って逃走したが、その際、次男の壮二のせいで怪我をしたため、今度は次男を誘拐して国宝級の家宝である観世音像を引き渡すよう要求する。要求に、警察に知らせてはならないとあったため、羽柴氏は解決策を明智小五郎に委ねようとするが、不在ゆえ、助手の小林芳雄が引き受けることになった。
     助手の小林少年は、自分が観世音像に化けて、二十面相の巣窟に行き、宝石を取り返すという妙案を思いつき、実行に移したが、二十面相に捕まって地下室に閉じ込められる。しかし、その地下室に小さな窓が存在していたことから、伝書バトを使って、警官に二十面相のアジト伝えることに成功し、二十面相は逮捕されることになった。そして、小林少年が勝利したかに思えたが、逮捕した人物はなんと二十面相が変装させたコックであった。
     うまく逃走した二十面相は、その後明智小五郎に化けて、日下部氏の古画を奪うという悪事を働き、また、明智小五郎が海外から帰国した際には、外務省の人間に化けて明智に近づき、国立博物館の美術品を略奪するまでの間、邪魔な存在である明智を拘束しようとした(なお、明智の拘束は失敗に終わる)。
     明智の拘束に失敗し、怒った二十面相は、その後、明智に恨みを持つ浮浪人を手下に加え、明智を誘拐することに成功する。そして、国立博物館の美術品を略奪する計画を実行する(方法は、少しずつ模倣品と入れ替えるという手法)。計画通り、全て二十面相の巣窟に渡ったが、唯一の誤算は、手下と思われていた浮浪人が明智で、誘拐した人物は、明智が昨年から有事の際の影武者として雇っていた替え玉であったことであった。したがって、計画は実行されたが、その手順や作戦、二十面相の正体や巣窟など全ての計画が明智に知られていたのである。明智の暴露がなされ、正体を見破られた二十面相は、美術館から逃走を図ったが、何かの時の手助けにと備えていた小林少年と羽柴壮二少年率いる少年探偵団に捕えられたのであった。

     少年向け読み物語であるということから、読んでいて推理しやすい(特に、羽柴壮一やコック、明智小五郎、外務省職員と二十面相が入れ替わっていることは早々に感ずることができるし、トリックもいたって単純)ため、少々物足りない。ただ、最後の明智の作戦には気づくことができず、感服したというのが率直な感想である。

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