([は]1-2)東京 Hayashi Mariko Coll (ポプラ文庫 は 1-2 Hayashi Mariko Collecti)
- ポプラ社 (2008年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591106273
感想・レビュー・書評
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東京をテーマにした短編集だが、どの作品にも、感じの悪い女性が登場し、辟易する。
上京してきたばかりの女性が、初めは東京のコジャレた町や東京育ちの友人にコンプレックスを感じ卑屈な態度を取っていたのに、次第に見栄を張るようになる様子を描いた"二人の部屋"、逆に、東京育ちの女性大家が地方差別的なことを言っているうちに、初めは仲良くやっていた2Fの住人とギクシャクし始める"東京の女性"。
その他、"路地"、"一年ののち"も納められているが、いずれも明るい要素、前向きな要素がなく残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この短編集のテーマは東京。
今やお上りさん等の言葉も聞かれなくなったけれどかつては気のせいではなく田舎者と言う言葉が普通に聞かれました。(今も同じかな?)
林真理子さんのお話しは、そんな地方コンプレックスを持つ主人公達が織りなすお話。どれも面白くて結末が何ともすっきり。地方コンプレックスを逆手に大きくなった人達も沢山いる。東京ってやはり特別な所かもしれない。 -
先に読んだトーキョー国盗り物語と主題は一緒なのだが、作者が10年以上の時を経たせいか、内容がぐっと良くなった。
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ワイ上京民に刺さった。色んな経験ができて色んな出会いをして色んな感情になるのが東京。そして人は成長していくのであった。
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東京に馴染んだつもりで調子乗ってる田舎女と、東京にプライドを持ってる東京女と、どっちも中身はないのに女を意地悪く醜く見せる東京という街。
東京の魔力と女の醜さをうまく表現した本だなあと思いました。 -
10代のころ地方から東京に引っ越しをしてきたとき、男子の話す標準語が気持ち悪くて慣れなかった。
どこか、洒落すぎていて上からな感じがした。
でも気づいたら自分もいつの間にか標準語を話し、方言を話す地元の友達を上から見ていた。
東京が全てじゃないのに。
東京の女子校、東京の女子大、東京で働いている、東京というブランドに包まれることで安心することもあったけど、未だに東京の人の歩く速度が早く感じるのは、自分の根っこはやっぱり地方にあるからなんだと思う。
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2020 3/10
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見栄とかプライドとか切なさとか上手に描かれていて、林真理子感のある林真理子作品
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東京にあこがれて上京した女性目線から恋愛などの人間模様を語る短編集。4編。生粋の東京育ちの都会人と上京組との心理的な差が書かれており共感できた。
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東京。東京にいるものには、その東京のすごさも、せつなさもわからない。