喋々喃々

著者 :
  • ポプラ社
3.61
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本棚登録 : 2546
感想 : 533
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591108406

感想・レビュー・書評

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  • 食べ物の描写が良い。
    根津近辺の風景を思い出しながら読みました

  • やはり、さらさらと読むことができました。
    家中界隈の楽しさ、季節ごとに合わせる着物の楽しさ、日本の良さもたくさん詰まっている一冊です。
    ストーリーも、一番最後、よかったです。
    懐かしい感情が思い出されて新鮮でした。

  • 食べ物がおいしそうな本はすきやなあ。
    不倫をそんなに美化したらあかん…あかんあかんと思いながらも、自分をちょっと彼好み女性に演出したり、逆にだめな女になってみたり、そのかわいらしさに夢中になって読みました。
    主婦はちょっとした刺激をもとめてる?
    食堂かたつむりの小川糸せんせ、やっぱり食べ物の描写が好きです。

  • 裏表紙にタイトルの意味があり、男女がうちとけて小声で楽しげに語り合う様子とある。タイトルがとても似合うお話でした。感情のごたごたはあえて書かず、けれど悲しい心情がよくわかり、途中涙。 いわゆる不倫関係だけど、そのドロドロした感じは出さず、谷中の風情と似合う素敵な恋人たちでした。

  • どうなんだろう。途中で「あ、不倫なのか」とわかってから、この人たちの関係っていうのがただの自己満足に見えてきてしまった。

    そんなに倫理的に物事を見るほうではないんだけど、自分たち以外は蚊帳の外、というか、美化してるというか。

    まあ心が通じ合う人と出会えるのは奇跡だけども、それはいろんなものを経てきたお年を召した人がいうことだから含蓄があるのであって。

    繰り返すようだけど、開き直っているようにしか見えない。

    妹と元旦那の件を、許せない自分が許せないなんていうのも、まったくもって意味不明。

    独特の感性の持ち主だから、独特な人と絆が生まれ、心が通じあうのかもね。

    料理が得意なのを、買ったなどと嘘を言うこともよくわからない。
    鷽がえで、いろんなウソが本当になっていくということか。二人の関係は、何だかずっとウソっぽいけど。

  • 小川さんの小説はいつも料理の描写が印象的だなと思う。今回は料理の描写に加え季節ごとに移り変わる着物の描写も素敵だった。小川作品の女は恋に破れるといつも髪切るね。不倫なのに綺麗な側面しか書かれてないから純愛と錯覚しそうになる。奥さんの立場だと嫌だなー。2011/196

  • ちょうちょうなんなん(喋々喃々)=男女が楽しげに小声で語り合うさま

    谷中でアンティーク着物店を営む栞。
    四季を感じながら人との関わりがあり、素朴な生活だけれど
    自分らしさがあって素敵でした。恋愛もあり、不倫だけど
    なんだか幸せに一緒に生きていけるのが幸せと実感しています。

    都合のいい女なのかもしれないけれど、その人らしくて
    こんなのもいいな~と思わせるような感じがしました。

  • アンティークきもの店を営む主人公が家庭のある男性と恋に堕ちてしまう。

    不倫に抵抗があるのでやや反発しながら読みましたが、お話自体は美しくあたたかく、小川さんらしい作品でした。

    お茶の世界で蝶々の意味もあるひめまつを店名にしたきものやさん。本当に居心地が良さそうで、栞につい心惹かれた春一郎さんの気持ちも分からなくはないけれど…

    関西人からすると和と言えば京都、奈良のイメージですが、谷中も素敵だなぁ。

    粋なイッセイさんや、ほんわかしたまどかさん、甘え上手な妹の花子、かつての恋人雪道くんなど、出てくる皆が良い個性で印象に残ります。

  • 鬱で回復したら、不思議な魅力を持った女性と不倫の恋に落ちる…。
    んー、やっぱりこういうのは苦手だ。どうしたって奥さんの気持ちになってしまうんだなあ。だって病気の間支えてくれてたんでしょ?

    どこにも居場所がなくて、家を出て、濃密な家族の一員にもなれなくなってしまった。
    泊まるのではなく所詮仲のいいゲスト。
    どこかに居場所がほしくて、でも諦めてるようにもみえる主人公は多分自分の世界に完結した人なんだろう。箱庭の中で生きるような。
    幸せでいたいだけなのにねえ。

  • 谷根千を舞台にした小説。谷根千が大好きな私としては「ああここ知ってる!」みたいなシーンが多くてそれだけで楽しかった。

    アンティーク着物のお店を開く20代後半の女性の話。主人公の恋愛と家族が並行して書かれいって、後編ではその二つの領域が重なる。
    アンティークの着物を買い取ったり、再婚した父の新たな家族を祝福したり、主人公は自分以外の誰かの家族を祝福してばかりで、恋に落ちた相手も家族持ち。恋愛と家族を求める気持ちが共鳴してた女性的な恋愛小説だと思った。
    主人公は、単身者ながら毎日料理作ったり四季の催しを祝ったりと家庭的な暮らしをしている。谷中みたいな街だったらそういう人がいても確かに不自然ではないかもしれない。ファミリー世帯は多くないけど、街を大事にすいる人や高齢者が多く、学生街で人の出入りがしやすいから。

    手作りのご飯を一緒に食べるか否かって、あたりまえのことだけど「私たち家族よね」って再確認しあう儀式みたいなもんだなあと最近思う。

    でも一回目の結婚を「まちがい」と表現したり、ちょこちょこ優柔不断な言動が見られるなどあり、恋愛小説として好みではないところもあったのが残念。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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