- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591108536
作品紹介・あらすじ
戦後のシベリアで出会った、日本人男性とロシア人女性。過酷な体験を持つふたりは、たがいに支えあって、困難な日々を生きぬいていく-奇蹟の愛の物語。
感想・レビュー・書評
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実話に基づいた 根源的な広くて大きな愛を確認させてくれる物語。あの戦争によって理不尽な戦犯にされた男性と 引き裂かれた若い妻、互いの境遇に引き寄せられたロシアの女性。51年待ち続けた妻と37年連れ添ったロシアの女性、一旦は祖国日本を諦めたけど縁あって帰国が叶うことになる。その時の彼女 クラウディアの信念に基づいた愛〈真実の愛は ただ自分を犠牲にしてこそ 愛するということの価値があるのだ〉の発露が素晴らしい。更には「少しずつ話し合って打ち解け合って元の夫婦に戻れると信じている そしてこちらのことも少しずつ忘れられると思います」と綴る! 三つの傷ついた魂 三人の人生がひとつになる物語 です。
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クラウディアさんの愛するがゆえに愛する人の幸せを祈る気持ちは、私にはなかなかできないことです。
クラウディアさん2014年9月 93歳
彌三郎さん2015年6月 96歳
彌三郎さんが久子さんやクラウディアさんを見届けて最期にお亡くなりになったのが印象的です。 -
一番心に残ったフレーズは「人の悲しみの上に自分の幸せを築いてはならない」というクラウディアさんの言葉。
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無実の罪で、シベリアで囚人として酷い体験をした蜂谷氏が、
何とか生き延びてこられたのは、同じ境遇でつらい人生を歩んできた
クラウディアとの出会いがあったからだった。
夫をスパイと疑われ、厳しい監視を受けながらも、
二人は互いになぐさめ合い、力を合わせて一生懸命に生きた。
終戦から50年もの時が流れ、生き別れになっていた蜂谷氏の日本の妻子の生存が分かってから、
クラウディアは、愛する人の帰国のために力を尽くす。
「他人の悲しみのうえにわたしだけの幸福をきずくことはできません。」(本文より)
クラウディアのこの思いは、とても尊いものです。
本当に蜂谷氏を愛していたのですね。
コメント欄では「はじめまして」。
私は絵本版の「クラウディアのいのり」を何年か前に読んだことが...
コメント欄では「はじめまして」。
私は絵本版の「クラウディアのいのり」を何年か前に読んだことがあり、懐かしく思いながら読みました。
クラウディアさんは、本当に強い信念と高い徳のある方だと、非常に感動したのを思い出します。
今は鬼籍に入られた三人ですが、天国ではみなで仲良く語り合っていると良いなぁ、なんて思います。
また楽しいレビューを心待ちにしております。
どうぞよろしくお願いします。
本も食べ物と同じく 好みや嗜好は人それぞれですが、皆さんの評価が大いに参考になっていて 感謝です♪