風待ちのひと

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 579
感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591110218

感想・レビュー・書評

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  • またしても一気読みした。全く違う生育環境の二人が心を通じ合わせて行く物語だが、人物造形の端々にリアリティがあって感心する。小説家の観察力ってやっぱり凄い。登場人物に良識があるので安心して読める。

  • 最後がちょっとドタバタした感じがあったが、後悔しない生き方を選べてよかった。

    こうしたら良かった、って2人とももう思わないで生きて行かれそう。

    周りの人が皆魅力的だった。そして毛の話は、笑えた。

    幸せな気持ちになれる話。

  • なんて素敵な物語を紡ぐ方だ。ハッピーな気持ちになれる。

  • 「ペコちゃん」とか服装、話し方からは、とても39歳のイメージが感じられず、キャラクターの魅力が薄い気がします。

  • 悪かないけど良くもない。設定もキャラも奇を衒うわけではなく、いくぶん凡庸過ぎるかな。ひと歳取った大人のひと夏の出会い。もっとも、そこは大人だから単にひと夏では投げ出さずにけじめはつけるけど。最後までちっぽけなやきもきと、ちっぽけな安堵で終わってしまった。「海の闇には純度があり、山の闇には濃度がある」このフレーズは気に入った。

  • この人の作品は、期待している方向に結末を持って行ってくれるので本当に読んでいて幸せな気持ちになる。四十九日のレシピといい、この作品といい、温かい優しい気持ちにさせてくれる読後感。プロローグとエピローグも小気味良い。

  • 話としては、アラフォー男女のラブストーリーなんだけど、基本、ラブストーリーメインの話にはあまり惹かれないんだけど、これは良かったです。分かりやすく傷ついてる男と、つらい過去がありながら今は前を向く女と…。不器用なんだけど誠実だから、ちょっとずつしか進まないんだけど、なんか素敵だった。
    男は襟足が大事だと私も思う(笑)。

  • 内容紹介
    “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。
    喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。癒えぬ悲しみを抱えたまま明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。

    目利きがこぞって推薦! 書評家からの声、続々!

    チキン南蛮、椿姫、ガンダムプラモ
    素敵なものがたくさん詰った一夏の体験で、男と女は魂の再生を果たす。
    やり直せない人生なんてないと、この小説で知りました。―杉江松恋

    人の人との心が解け合っていく過程を丁寧に、じんわりと描いて、やがてこちらの心
    も柔らかくなっている。福々しい笑顔を持つ喜美子が最高に魅力的。―瀧井朝世

    次の季節に踏み出す力をくれる、胸震わせる珠玉のセカンドラブ小説。―三村美衣

    内容(「BOOK」データベースより)
    “心の風邪”で休職中の男と、家族を亡くした傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った―。心にさわやかな風が吹きぬける、愛と再生の物語。第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

  • 喜美子と哲司の大人の恋愛物語。
    人と人との心が解け合っていく課程を丁寧にじんわり描いて、こちらの心も柔らかくなっていく心温まる物語。

  • 泣き所はいくつかあったけど、舜が喜美子を見送る場面が最もグッときて、涙が滴り落ちるのを止められなかった。
    舜は喜美子に憎まれ口を叩くのが常だったけど、舜にとって喜美子が最も大事な人だというのが、バスの見送り場面でよく分かった。

    ―「もうさすらっちゃ駄目だ。定住しろ。」「ジュニアから離れちゃだめだ」―

    彼は子供のようで、いつの間にかすっかり大人になり、先を見据えていたのだろう。そして、喜美子の幸せを誰よりも願っていたのかも知れない。

    それはかつて、喜美子が舜に抱いていた気持ちのように。

    物語だから、巧く出来すぎている部分もあるかも知れないけど、それはそれ。
    勝利の口車に乗せられたままでなく、思い止まり、紆余曲折ありながらも喜美子と哲司が一緒になることが出来て良かったと嬉しかった。
    喜美子が幸せを掴んだことが、個人的には心底嬉しかった。
    小説でこんなに泣いたのは初めてかも知れない。

    心が疲れ気味な方には、特にお勧めしたい作品である。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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