風待ちのひと

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 446
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591110218

感想・レビュー・書評

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  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベースより)
    “心の風邪”で休職中の男と、家族を亡くした傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った―。心にさわやかな風が吹きぬける、愛と再生の物語。第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

    喜美子が寂しい過去を持つ心優しい女性だとは理解出来るが、登場時のペコちゃんの愛称と、おばちゃんっぽい描写が最後まで抜けず、男性が家庭を捨ててまで真剣に愛するのに抵抗を感じたまま読了。

  • 夏の風景が思い浮かぶ作品
    再生の物語

    舜くんが喜美子を見送るシーンが秀逸
    マダムの言葉も薀蓄があって深い

    なんといっても美鷲の家がステキ
    あんな風に晩年を過ごせたらいいな

    ラストはちゃんとハッピーエンドでよかった

  • エリート社会をまっしぐらだった男が、母の遺品を整理するために和歌山の海辺の町にやってきます。
    母親が終の住処として建てた岬の家。
    そして、そこで出会ったペコちゃん。
    二人は徐々に距離を縮めていきますが……。

    オペラには疎いのですが、雰囲気で曲が流れて来る気がします。

    走りっぱなしだった日々に、ふと立ち止まってみたくなる時、
    この先の自分に自身をなくした時…、
    寄り添ってくれる人がいる有り難さを感じます。

  • 東京で仕事も家族もうまくいかない哲司。福を呼ぶペコちゃんと呼ばれる喜美子。38歳の二人の恋と再生。四十九日のレシピを想わせる書き出し(壊れかけた家に知らない女が入り、行き返っていく)だったが、恋愛物語だった。

  • ハッピーエンドになりますように、そう祈りながら読んだ。
    読み終えて、思わずモーツアルトのピアノ協奏曲を聞きたくなった。
    そして岬の家。どんなにすばらしい家なんだろう。想像するだけで、心に気持ちの良い風が吹く感じがする。

  • 仕事に疲れ、家族に疲れて心を病んだ哲司は、亡き母が最後に過ごした場所で、同じ年の喜美子と出会う。いつも明るく振る舞う喜美子には、家族を失ったという過去があった。

    暖かく、優しいお話。
    以前手にした「四十九日のレシピ」とは違い、大人の恋愛模様も含まれていて、しっとりとした素敵な本でした。
    美鷲の岬の家や、景色が目に浮かぶようで、読み終わるのがもったいないような気持ちになりながら読み進めていた気がします。

    著者の本は2冊目。
    他のものも、是非読んでみたいと思っています。

  • 「ねえ、あなた。あの人にも何かごあいさつを贈っておいたほうがいいかしら。何が良い?レトルトのカレーとかどう。一人ならそういうの便利でしょう」
    「おれはやっぱり‥‥君とはもう暮らせないよ」
    人の別れはこんなことがきっかけだと思う。
    哲司が矢の花峠から喜美子の店に向かうところで二人は寄せ付けられるように出会う。この奇跡がなかったら再び寄り添うことはなかったろう。神様はいるかもって思う瞬間だ。出会いも別れもちょっとしたことから始まる気がする。まるで小学生のような夏を過ごした二人を「その次の季節も一緒にいさせてあげて」と願うように読んだ。気が付いたらマダムたちのように二人を応援してた。

  • 2014.7.12
    この間読んだ四十九日のレシピより、良かった。
    この作家の本は、気持ちよく読める。他も読んでみたい。

  • この人の作品は、期待している方向に結末を持って行ってくれるので本当に読んでいて幸せな気持ちになる。四十九日のレシピといい、この作品といい、温かい優しい気持ちにさせてくれる読後感。プロローグとエピローグも小気味良い。

  • 喜美子と哲司の大人の恋愛物語。
    人と人との心が解け合っていく課程を丁寧にじんわり描いて、こちらの心も柔らかくなっていく心温まる物語。

著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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