- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591111529
作品紹介・あらすじ
分子を生きたまま見る?南極に「空気の化石」がある?日本の薬がアフリカの感染症を治す?首長竜の新種と出会う?21世紀の科学を支える人たちはなにを見ているのか。『絶対音感』『青いバラ』『星新一』の著者が贈る、最新ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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「ロケットが無事打ち上げられたからといってほっとすることはなかったのですが、あのとき自分の中で嬉しい発見があったんです。最初の交信が無事終わったあと、ロケットが発射されて三時間以内だったと思いますが、窒素タンクを回収しに行ったんですね。整備塔の階段を一人でとんとんと上がっていった。するとさっきまでロケットがあった場所が空っぽになって焼け焦げている。
そのとき、ああ、あいつは宇宙に行ったんだ、結局ぼくは子どものころからこれがやりたかったんだよなあ、と思ったんです」
―矢野創詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
402.1、133ページまで
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2013/07/09
自宅 -
12人の科学者たちを取り上げ、彼らが科学者になったきっかけになった本や人との出会いを紹介しつつ、彼らの科学・研究への思いと取り組みの姿勢をまとめた本。
思っていた以上に感銘を受けた。
人が進路や目標を決めるとき、何か心に響くような出会い(それが本であれ人であれ事件であれ)をしているということが、背中のひと押しにつながるんだなということを実感した。
昨年、奇跡の帰還を果たした惑星探査機「はやぶさ」に携わった人や、黄砂の研究に取り組む人、恐竜、ウィルス感染症、地震観測システム、アルツハイマー病など、様々な研究者が取り上げられているが、一番心に残ったのは音声工学者の峯松信明さん。自閉症の人の音声の認識について音声工学の面から仮説を立て、彼らの手助けができるシステムを作ろうと研究をされているそうだ。
彼が会ったテンプル・グランディンさんの本は私も読んだことがあり、また最近オリバー・サックスの著作でも音楽の認識にまつわる本を読んだばかりでもあり、非常に興味深かった。 -
今の子供たちはよくわからないが、昔は偉人伝って読んだ(読まされた?)ものだ。ああいうのを真に受けて科学者になってしまった人がいるのだろうかという疑問からこの本の企画は始まったらしい。12人の現役研究者に対するルポからは、私が読んできた科学にまつわる本にあった問題点がそれぞれ出てくるのが興味深かった。最近では内幕ばらし的な「外伝」が書かれたりもする中、例の斉藤美奈子氏の著作『紅一点論』と合わせて読むと尚面白い(?)
(続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/201003/article_3.html -
科学者になりたい、幼い頃にそんな夢を持った人はけっこういると思う、ボクもそんな一人でした。本書は、12人の博士たちの最新の研究と、なぜ研究者になったのかを、彼らに影響を与えた書物を通して紹介している。博士達の研究範囲は実に様々、アフリカの熱帯病の治療薬の開発だったり、古生物学、地震予知、“はやぶさプロジェクト”とその一つ一つが面白かった。(ニパウイルスの治療薬の開発に援助してあげたら、きっと尊敬されるぞ日本政府)しかし、より興味深かったのが、博士達が研究者になり、テーマを見定め、その研究を続けて行く過程。女性ゆえの就職難、指導教官、予算、国家間の機密問題、多くの困難を克服して結果を出して行くのは、パチパチですね。こういう人たちがいる限り日本は大丈夫って思いたい。
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アフリカ睡眠病のところが興味深かった。