ぼくの歌が君に届きますように

  • ポプラ社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591112007

感想・レビュー・書評

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  • 大島真寿美さんの「ピエタ」が一番好き。親に捨てられても、いつも音楽でいっぱいのピエタに来たことで、うつくしい音楽に出逢うことができ、悲しみもピエタの音楽で癒されてきた。この音楽の揺りかごを壊してはならないと守ろうとするエミ―リアとアンナ・マリーア。この二人とピエタ慈善院の物語がもっと読みたいと思いました。

  • アンソロジーはやっぱりどうしても、好き嫌いが出てしまう。それでも色々な作者の物語に触れることができるので、たまに読んでしまうのだが。

    peacemakerは爽快感があった。みんなが自分のできることを、等身大で、がんばる。素敵だった。

    ティーンエイジ・ライオネットはバンドの話。
    嫌いじゃないけど…という感じ。バンドマン、っていう感じ…

    晴れた空に、ブラスが響くは吹奏楽部員のお話。
    甘酸っぱい話で嫌味なく読めたのに、終盤で、私にはすごく残念な展開…最後の最後で主人公の奈緒がいやになってしまった。

    ど派手じゃなけりゃロックじゃない!は好き嫌いあるだろうなぁと感じる、ロックの話。ロックの好きな人はまさにこう言うことなのだろうと…

    カモメたちの歌は、少し陰のある話だった。
    軽快に暗くたんたんと進んでいく。でも、読んでいて止まってしまうこともなく、軽快にお話が終わる。嫌いじゃない。

    ぼくの歌が君に届きますようには、孤児院を包む素敵な音楽のお話。音楽の柔らかさを描いたような話だった。

  • 6作品ある中で、ちゃんと読めたのは3つ。
    そのうち面白かったのは川島誠の「カモメの歌」
    母親を殺された男の子の話。淡々としているからこそ、真実を知りたくなる。
    短いお話だから、それは叶わないのだけど。
    川島誠は短編を何度か読んだことあるけど、長編をそのうち読んでみたいなと思う。

  • 知らないロックの話も多くて分からない部分もあったが、一通りサクッと読めて良かった。
    個人的には「晴れた空に、ブラスが響く」が好きだった。
    関西弁で語られるのも良かったし、可愛い感じに仕上がっていたから。

  • 全て書き下ろしなためか、まことにバラエティーに富んだアンソロジー。大島真寿美の作品が目的で読みはじめたが、ロックに材をとった作品が多い中、巻末に配された「ピエタ」は異色だった。けど大島さんが日本語はいちばん綺麗と思います。音楽小説なんだけど、生き方についての物語が多いですね。音楽をやる、ということそのものが生き方の選択というか。

  • 青春音楽小説の短編集。6人の作家さんのお話が入っていますが、青春音楽小説って・・・青春音楽って・・・青春ってこんなだっけ?となんだかちょっとくすぐったくなる様な感覚を覚えて、自分もこんなこと思ったりした時期があったっけ?いつの間にか青春をとっくに過ぎてしまったのねぇ。なんて、すっかり遠くに来ちゃった気分になったものですわ。

著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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