(P[ま]1-2)雨にもまけず粗茶一服<上> (ポプラ文庫ピュアフル ま 1-2)
- ポプラ社 (2010年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591114209
感想・レビュー・書評
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主人公の遊馬にまったく共感出来ず(>_<)まぁね、若い時はこんな時もあるかもしれないとは思いますが…なにをしたいのかハッキリしろ!と言いたくていらいら。他人にも頼り過ぎですよ、親ならまだしも。 家出してただぶらぶらしてるだけで、そのこと後なんとなく茶道に戻って。下巻も読みますけど…。
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主人公の遊馬(アスマ)の行き当たりばったりなところが、今時男子っぽくていい。しかも小規模とはいえ、茶道家元の跡取り息子なのに…なのか、だから…なのかは微妙だが、とにかく、素直に跡取りの座に治る気はなく、身一つで家出?その自分探し中の彼に関わる人たちがまたユル厳しくて良いのだ。
茶道を知らない人にも興味が湧くように書かれているが、道具の類いを見たことないと想像しにくいだろう。解説があると良いのだが。 -
おもしろかった。
続きが楽しみ。 -
青春小説。
青春小説というと、恋や友情やとなりがちだけど、この本は、親がしいたレールを走るなんてまっぴらごめん、だけど、自分はいったい何がしたいんだろうという焦燥感や、そのくせ身体にあふれたエネルギーやら、そういうとこに焦点が当たってる。
本人は悩みの中にいるけど、外から見ると、単なる困ったやつ、イタイやつ、ごくつぶしだったりするのも、この年頃ならでは。
ただし、茶道の宗家の惣領息子となると、いくら弱小であっても、青春期のあれこれも半端なく大きいのは当然かな。
個人的には、茶道のことをお金のかかる道楽というふうについ思ってしまうけど、茶器を選び、お軸を選び・・・その組合せから浮かび上がるものを主客で分かち合い、もてなすという側面があるということに気がつきました。そういうお茶なら、なかなかよいな。 -
エッセイのように怖くもなく傷付くこともなく
軽く読める青春小説
家元制度というあらゆる歪みを内包する歴史的重さを抱え
閉じ込められた世界を舞台に産まれついた運命を背負い
戸惑う若者たちを描き出す
家出して勘当されて畳職人という環境に飛び込んで
結局比叡山の門を叩く主人公が
どんな人生を見つけることになるのだろうか
誰しも大なり小なり味わってきた道だと思うが
やり直すことのできない人生を振り返れば
あそこで別の道を選んでいればと
取らぬ狸の皮算用を夢に見ながら
こんなものかと諦めたり恨みがましく思ったりしながらも
自分の人生を微笑ましくも苦味を持って
これしか無かった人生として納得する事になるのだろう
《風にもまけず粗茶一服・雪にもまけず粗茶一服》
へと続いて終わる長編小説 -
お茶と京都ってことで読んでみている。
ライトな感じで、まぁ、さくさくと読めるかな。 -
学生の頃同作者の『紫の砂漠』を読んだ事があり、
ずっと気になっていた作家さん。
あまり本を見かけなかったのですが、書店でたまたま見かけ購入。
期待に違わず、結構好き。 -
期待が大きかった。道具や所作もあまり詳しい説明がなく茶道の知識が全くない私には非常にわかりにくい。主人公も甘ちゃんでいらいらする
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武家茶道坂東巴流を継承する友衛家の嫡男:友衛遊馬(あすま)。大学受験に失敗し、浪人生活に入るも、あることをきっかけに、家族に大学受験のために予備校へ通うといって自動車教習所に通っていたことや、大学受験の日に横浜にコンサートに行っていたことが発覚し、父親に比叡山行きを命じられる。
行き場を失い、途方にくれた遊馬は、賢い小学生の弟行馬(いくま)のアドバイスを受け、家出を決行するが…
お茶の世界に嫌気がさし、家出した先が「京都」。我儘で甘ったれの坊っちゃんが、個性的な人々に出会い、悩み成長する青春エンターテイメント小説です。
ひとくちにお茶といっても、茶杓(ちゃしゃく)をはじめとするお道具や、お軸やお菓子、歴史など、あらためてその奥深さを知り、興味深く読みました。はじめはイライラするほどの甘っちょろい遊馬ですが、やがて気にならないほどに悩み成長していく姿がまぶしいくらいです。