四十九日のレシピ

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  • ポプラ社
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レビュー : 553
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591115350

作品紹介・あらすじ

熱田家の母・乙美が亡くなった。気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。家族を包むあたたかな奇跡に、涙があふれる感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹さんデビューしました☆
    研修ロスでロンリーな私はいま読んじゃいけなかったかもしれないけど、Cちゃんが「いい本だった」と教えてくれたので読み終えることができました。

    ひとりの女性、乙美さんが71歳で発作で亡くなるところから物語ははじまります。
    女性の夫である良平には最初の奥さんとのあいだの娘、百合子がいました。ふたりは彼女をとても大切に思っていたのに亡くなるまで素直になれず、感謝や想いを伝えられなかった。
    191に自立と自律という言葉があるのですが、これがテーマなのではないかなぁと思いました。
    百合子の夫もその不倫相手もまったく自律していなくて、百合子の不妊をなじり勝ち誇る女は、自立すらしていない。
    後妻である自分を拒み続けていた百合子の兄弟を生むことはなかったけど、たくさんの困難に悩む女性たちのために、リボンという施設でテイクオフボードという跳び箱の踏切板になろうとしたふたりの女性のうちのひとりが乙美さん。前へ進もうとする女性たちが踏み切ったら忘れられてもいい、いずれ美しく咲くタンポポの綿毛を飛ばすための大切なきっかけを生む存在だった乙美さん。
    乙美さんは、生前、友人に夫と娘のためのフォローを頼んでいて、次々と彼らは沈むふたりの前に現れて、49日の大宴会までの間の日々を一緒に過ごす。ハルミ、イモト、そして同志の聡美さん。乙美さんが書き残して、残された夫の生活を助けるレシピ帳は、残された二人だけじゃなく、苦しみながらも頑張っていたたくさんの女性たちの日々も助けていった。その暖かな愛情は、彼女の大切な人にもしっかり連鎖。

    246の「馬鹿だったらよかったのに、無神経であれば、生きやすいのに、人より聡くて優しいゆえに、この子はいつも多くを察して前に出られない。」という娘、百合子への良平の言葉に涙が止まらなかった。良平や百合子と対称にいるのが叔母の珠子。
    宴会の再登場があっても到底許しがたい女性。

    良くも悪くも、日本の日常が描かれています。
    この本を読むことで自律に届く、きっと揺蕩う川を超えてゆく聡く優しい人のための日常でもあります。

  • 夫の良平も娘の百合子も埋められなかった乙母さんの71年の年表が
    彼女の温かい支えによって過去を飛び越えた人達の手で
    色とりどりに埋められていくシーンが
    目の前に鮮やかに浮かんで、涙が溢れた。

    乙母さんが遺した何十枚もの「暮らしのレシピ」は
    自分亡き後、家族が日々の暮らしに戸惑わないための
    ノウハウを丁寧に詰め込んだレシピであると同時に、
    四十九日に「本当に」さよならをするまでの
    遺された人々の立ち直りの処方箋でもあったのだ。

    金髪ガングロの元気娘イモと
    気は優しくて力持ちのハルミの謎に気づく時。。。

    無神経な珠子に澄ました顔で苦すぎるセンブリ茶を出すイモに
    「よくやった!」と改めて快哉を叫び、
    百合子に「キレイなねえさん」と呼びかけるハルミにホロッとし、
    「四十九日までの助っ人」と名乗って登場し
    金髪の紙人形を乗せた笹舟を手渡して去るイモに
    またしても涙が止まらない。

    ドラマ化されたらしいので、ダーリン熱田の
    「百合子、ガンバレ、ガンバレニャン」の怒鳴り声を
    ぜひぜひ聞いてみたい!
    そして、本の中の描写そのままのイラストが入った
    「乙母の暮らしのレシピカード」が
    もし発売されたら、絶対に買います♪

    • まろんさん
      円軌道の外さんも、いらっしゃいませ♪

      これ、NHKでドラマ化されたみたいです。
      百合子役が和久井映見さんだったかな?

      お父さんの詩や文章...
      円軌道の外さんも、いらっしゃいませ♪

      これ、NHKでドラマ化されたみたいです。
      百合子役が和久井映見さんだったかな?

      お父さんの詩や文章が、ノートとして遺されているなんて、素敵ですね!
      私もまねして、娘にノートを書いておこうかな。。。
      でも、本を読まない子だから、ちゃんと呼んでくれるか、かなり不安です(笑)
      2012/06/28
    • 円軌道の外さん

      ああ〜ん
      和久井映見めっちゃ好きな女優なんですよね〜♪

      つかいつの間に…

      う〜む
      NHK侮れんなぁ〜(>_<)

      ...

      ああ〜ん
      和久井映見めっちゃ好きな女優なんですよね〜♪

      つかいつの間に…

      う〜む
      NHK侮れんなぁ〜(>_<)




      ああ〜
      娘さん、本読まへんのかぁ〜(^_^;)

      あっ、それなら
      宝探しゲームの要領で
      楽しみながら誘導すると
      いけるんちゃうかな(笑)


      まずは絶対に見つかる場所に
      自分がいなくなる直前に
      ノートを隠します。

      そのノートを開くと
      娘さんの大好きな
      食べ物の在処が(笑)
      (まぁ何でもいいんですけどね)


      娘さんは食べ物につられて
      ノートに書いていた戸棚を開けると
      そこにはまたノートがあって
      今度は
      『二階のテレビの棚』
      って書いてあるんです(笑)


      次々と食べ物につられて
      家中を探し回る娘さん(笑)


      ほんで最後の最後に
      ベランダの植木の土の中から

      まろんさんが書いたノートと
      娘さんのために作った手作りのお菓子の『引き換え券』が発見されるんです(笑)
      (引き換えは事前に近所のおばちゃんか親戚の家に頼んでおきます笑)


      これならバッチリですよ〜(^_^)v
      (こういうアホな遊び好きで、よく弟に指示だしてました♪)


      2012/07/04
    • まろんさん
      宝探しゲーム☆いいかもしれない!
      お菓子には、絶対釣られてくれそうだし、
      準備をしてる間も楽しそうだし(*'-')フフ♪

      本を読まない娘の...
      宝探しゲーム☆いいかもしれない!
      お菓子には、絶対釣られてくれそうだし、
      準備をしてる間も楽しそうだし(*'-')フフ♪

      本を読まない娘のために
      親身になって考えてくださって、ありがとうございます♪
      そんな風に遊んでもらえた弟さん、幸せですね。
      きっと忘れられない思い出になってることでしょう(*^_^*)
      2012/07/05
  • 昨年、TVドラマ『四十九日のレシピ』を見ました。
    その後、伊吹さんのデビュー作『風待ちのひと』を読みました。

    TVドラマにも感動して、『風待ちのひと』にも感動して・・・
    ようやくこの本を読みました。
    時々、胸がいっぱいになって・・・。良かったです。

    「〇〇年、〇山〇子、〇〇に生まれる」
    人生のスタートはみんな一緒。
    その後は、誰一人として一緒じゃない。

    最期の時に振り返ったら、私の「あしあと」はどんなだろう・・・
    まだまだ、もう少し時間はある。
    しっかり「あしあと」をつけて歩きたい。
    読み終えたときにはそんなことを考えていました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      TVドラマは見逃したのでレンタルDVD出てないかな?と密かに思っています。。。
      (本は文庫になり、やっと購入したけど積んであります)
      TVドラマは見逃したのでレンタルDVD出てないかな?と密かに思っています。。。
      (本は文庫になり、やっと購入したけど積んであります)
      2012/11/05
    • azu-azumyさん
      nyancomaruさん
      コメントありがとうございます。
      原作を読んでドラマを見るとガッカリすることが多いのですが
      この作品はTVドラマも良...
      nyancomaruさん
      コメントありがとうございます。
      原作を読んでドラマを見るとガッカリすることが多いのですが
      この作品はTVドラマも良かったです。
      2012/12/15
  • ほのぼの系の家庭的な話、過日読んだ「彼方の友」が良かったので同じ作者の作品を探していて作者2作目だと言うこの作品に会った。亡くなった女性の四十九日に焦点を合わせて話が進んでいくけど、始めは主役が娘なのかと思っていたら どっこい不器用なお父さんが主人公だった。
    カバーに描かれた人物達が、話に登場する面々だと分かり ほっこりして読了した 笑。

  • 妻を亡くした父と、旦那に浮気された娘の話しだけど、この2人だけだとどうにも辛い、暗い話しになってしまうけど、イモちゃんとハルミの存在がかなり明るくしてくれてたなぁ。

    最後、みんなが去ってしまうところはウルウルしてしまった。

    2017.11.6 読了

  • はじめから吸い込まれるように読み進んでしまいました。とても良かったです。前々から読みたいとは思ってましたので大満足の一冊になりました。なんだか優しい時間が過ぎてゆくようでした。

  • 妻の作ったお弁当をいらないと突き返したのが最後になってしまった男。
    夫の愛人に子供ができてしまった娘。

    母の乙美が亡くなり、久しぶりにそろった父子は、母の願いを知る。

    自分が亡くなったら、葬儀も四十九日も読経も焼香もいらない。
    ここに書かれているレシピの料理で宴会をしてほしい。

    かくして、母が生前に頼んでいた助っ人のイモちゃんやハルミとタートル(笑)と共に四十九日の準備をすることになった父娘。
    乙美さんの残した暮らしのレシピは、料理、お掃除、洗濯、美容と多岐にわたっていて、可愛らしいストーリー仕立てのイラストがあって、私も読んでみたくてたまらなくなりました。
    本当にあったらいいのに…。

    ロマンチストでお料理上手で明るくて優しすぎて…。
    こんなにたくさんのものを残すことができる乙美さんがうらやましい。
    肉まんにコロッケサンド、美味しいものを食べるたびに、キレイに磨かれた家を見るたびに、家族は少し寂しそうに笑いながら乙美を思い出すんだろうな、なんて思う。


    それにしても、亜由美さんはかなりの地雷でしたね…。怖いくらい。
    でも、だからこそ救われたところもあったのかな…と少し思ってしまった。
    私なら、あの女を一瞬でも愛した男なんてこっちから願い下げだ!と思ってしまうけれど…。
    あんな義姉と義妹に挟まれているからこんな男になってしまったのかな…なんて。

    総じて、いいお話なんだけど、オチがあまりにも…な点と、亜由美さん、義理姉妹、伯母があんまりにも腹立たしくて、そっちの余韻の方が強く残ってしまったのが残念。

  • 母・乙美が亡くなった。ある「レシピ」を残して。それは、離れてしまった家族を再び呼び集め、奇跡のような時間をもたらす処方箋。

     わたしがいなくなっても、あなたが明日を生きていけるように。
     大切な人を亡くしたひとつの家族が、再生に向かうまでの四十九日間。

     家族を包むあたたかな奇跡に、涙があふれる感動の物語。


     熱田家の母・乙美が亡くなった。
     気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。
     乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、
     四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。
     彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。

    ポプラ社サイトより
    ***

    ありがちな感動ものかな…と思って、気になってはいたものの読まずにいましたが、近所の図書館で見つけたので、ようやく読みました。
    人によっては確かにありがちで終わってしまうかもしれないですが、私にとっては非常に響き…全部読み終わって自分を見つめなおし、ふとぱらぱら最初の方をめくって、井本の名前が「幸恵」だと気付き…ぐっときました。あぁ、幸せだったんだな、大丈夫って、そう思えたので。
    ごちゃごちゃ考えず、素直な気持ちで読んだのが良かったと思います。終わり方も曖昧さと明確さのバランスが良くて、納得できました。
    同じ人の目を気にするのでも、怯えて暮らすのではなく、素直に穏やかに暮らし、死後に人の中に残る自分が健やかなものであるのがいいなとも思いました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      映画を観たいと思っている(ドラマは未見)
      映画を観たいと思っている(ドラマは未見)
      2014/05/01
  • とても優しい物語。
    物語は父と娘の語りで進んでいく。二人とも自分にとって大切なものを失って力をなくしてしまっている。
    そんな二人の前に乙母の生徒だと名乗る女の子が現れて‥。

    何かを得る物語じゃないし、無くしたものは無くしたまま。
    悲しいのに優しい。
    お母さんの愛って偉大だなぁとか、お父さんの愛ってぎこちないけど優しいなとか。そんな大きな愛情に包まれているような気がした。すごく悲しいのに、ほっとして涙が溢れた。

  • 随分前に図書館で予約した本、ようやく来ました♪
    いやほんと、借りて良かったです。面白かったです。
    2度読みました。
    買ってもいいくらい良かったです。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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