引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)

著者 :
  • ポプラ社
4.29
  • (32)
  • (35)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 235
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591115961

作品紹介・あらすじ

時を経て約束をかなえた、"花明かり"と二人の少女たちの感動の物語。朽木祥渾身の長編ファンタジー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 継母との折り合いが悪い七重は、亡母の実家で、祖父母と叔母夫婦とともに暮らすことを選んだ。そこには、亡母が子供の頃に作ったミニチュアがたくさんあって、彼女が持参した引き出しの中の家にちょうどよく収まった。その家に「小さい人たち」が住んでいたという言い伝えとともに、あちこちに隠し収納や扉があり、その一つには、「花明かり」についての覚え書が入っていた。七重は、花明かりのために自分の引き出しの中の家が使えるのではないかと考える。祖父から小さな人の目撃情報がある木を教えられた七重は、その木の穴に小さな花瓶を入れてみたところ、しばらくしてそれが消えていた。後に入れたものも次々に消えていった後、彼女はついに花明かりと遭遇する。

    女の子と小さな人たちとの世代を超えた交流と、周囲の人達の温かい眼差しを、繊細に描いた物語。






    *******ここからはネタバレ*******

    ロニコさんがくださったメッセージにこの本があったので、読んでみました。

    どうも私は、ファンタジーにうるさいらしくて、ヤービとか守り人シリーズとか、富安陽子さんものは好きなんですけど、その世界に入れないものはダメなんです。

    で、同じ朽木祥さんの「月白青船山」が私には今ひとつだったので、これは私がうるさすぎるのか?と思って、作者さんが同じこの本を読んでみました。





    なんと可愛らしいお話なのでしょう。
    ドールハウスに憧れる女の子たちは(男の子たちも)虜になってしまうのではないでしょうか。
    小さい人たちと少しずつ心を通わせていく様子には、心躍るものがあります。

    七重が果たせなかった約束を、世代を超えて薫が、周りの人を巻き込んで果たしていく姿は、先日読んだ「月白青船山」を思い出させますが、それよりは遥かにシンプルでわかりやすいお話です。



    七重の物語の中で、継母がとても嫌な役割を果たしていますが、それはなぜなのでしょうか?
    彼女を居づらくさせて、亡母の実家で過ごさせ、挙句の果ては離婚して再婚までしている。そしてもちろん、実家では「意地悪な継母」と呼ばれている。
    ……いやぁ、世の中の継母の憎まれっぷりに、久しぶりに気が悪くなりました。
    実は私、継母経験者で、今はもう継子ふたりは大きくなって自分の家族を持っていますが、それなりにいろいろあったので、こういう書かれ方をしているのを見ると胸が痛みます。だって、実の子相手でも、そういう親っているじゃないですか。……少ないかも知れないけれど。



    認知症を心配された薫のおばあちゃんは、薫がいる間は、全く普通のおばあちゃんですね。寂しさからくる、一時的な落ち込みだったのかも知れませんね。

    七重さんが生きていることがわかっても、どうして薫たちは七重さんにすぐに連絡を取ろうとしないのでしょう?年齢的にも、急いであげたほうがいいと思うのに。

    薫がミニチュア物を集めて桜子に送って、リカちゃんのドレスをパンプスを桜子が着たエピソードは、私にはちょっと興醒め。だって、花の香りをさせたり、花を照らす彼らが、そんなプラスチックものに身を包んでほしくなかったから。後でお直ししてくれたときは、ホッとしました。でも、きっと、着心地は良くなかったでしょうけど。


    自分の家の周りにも出てこないかなぁと思わせる一冊。
    高学年からオススメです。

    • ロニコさん
      図書館あきよしうたさん、こんばんは^_^

      こちらにもコメント書かせて頂きますね。
      しつこくてすみません。

      あきよしうたさんのレビュー、本...
      図書館あきよしうたさん、こんばんは^_^

      こちらにもコメント書かせて頂きますね。
      しつこくてすみません。

      あきよしうたさんのレビュー、本当に読みやすく、お上手だなぁといつも思います。
      ご紹介した割に細かい部分を大分忘れていたので、レビューを読ませて頂き、思い出しました!
      また時間をみつけて再読したいと思います。
      2020/06/14
    • 図書館あきよしうたさん
      ロニコさん、コメントありがとうございます。

      レビュー褒めていただけて恐縮です。
      素敵な本を教えてくださって、ありがとうございました。...
      ロニコさん、コメントありがとうございます。

      レビュー褒めていただけて恐縮です。
      素敵な本を教えてくださって、ありがとうございました。

      私自身のファンタジーの嗜好が偏っているようでちょっと悩んでいたんですけど、楽しめる作品があったので安心しました。

      またいろいろ教えてくださいねー。
      2020/06/22
  • 多くの女の子が夢見る手作りのドールハウス。
    そこに、もしも本物の小人さんが住んでくれたら…。
    そんな、素敵な願いのいっぱいつまった物語。

    1960年代と2000年代、ある田舎の洋館を訪れた二人の少女は〈花明かり〉呼ばれる小人と出会う。

    時代が変わっても人から人へ受け継がれてゆく気持ち。
    特に、薫という女の子のがんばりには、心温まる思いがした。
    不器用ながらも、まっすぐに周りを思いやる彼女の温かい気持ちが、彼女の作る形は悪いけれどびっくりするほどおいしいクッキーによく表されていると感じた。

    何度でも読み返したくなる良作。

  • 『花明かり』と呼ばれる小さな人たちと、女の子の心暖まるお話。

    二つの時代の二組の女の子たちのお話です。(それぞれ血縁者で舞台は同じ)

    小さくて可愛いもの、古いお家、隠し部屋、お菓子づくりなど、昔ながらの児童文学を彷彿とさせる。

    文も装丁も美しい。

    上質なお菓子みたいな本。

  • 小さな小さな人たちと、時代を隔てた二人の女の子たちのあたたかな交流を描いた、朽木祥、渾身の感動長編物語。

    いつもはお堅い政治や自己啓発の本やばかり読んでますが、家族に勧められて読んでみた・・・

    いい年した おじさんの私にも しんみり来るお話でした!

  • 仕事のための、再読。

    大好きな本なので、ほんとうは、
    しばらく読み返さないで、こころのなかで
    大事にしていたかったのだけど。

    たまらなく、かわいらしいこもの、美しい自然、
    ロマンチックなこびとたちを、描きながら、
    時を経ても変わらないものの存在を、
    やわらかい糸でふんわりと包むように示してくれる、ファンタジー。

    小さなもの、生きているもの、人の想いのこめられているもの
    ひとつひとつ、愛しみをこめて、丁寧に描き出され、
    ものがたりに、息吹を、吹き込んでいます。

  • 2020年5月11日
    一気読み。
    私も花明かりと一緒にいた気がする。

  • 懐かしい空気を感じる作品。
    ついこの前まで存在したのに今は跡形もなく消え、余韻だけが残っている、そんな時代を愛おしく思い出しながら読みました。
    三世代に渡り、懐かしい時代だけでなく、今という現実も描かれているのが効いている。

  • アリエッティみたいなお話。本の装丁がすてきで、少女たちにプレゼントしたくなるような本。

  • ミニチュアドールハウス、手作りお菓子、秘密の友達。
    小さい頃のどきどきとわくわくがたくさん詰まったお話でした♪
    世代の違う二人の少女が『花明り』と呼ばれる小人との友情を育むストーリー、少しアリエッティに似た感じでした。
    『花明り』のために用意するお菓子や家具などの調度品、とてもかわいらしい情景が目に浮かびました^^
    二人はその後、会えたのかしら、、と少し気になる終わり方でしたが手元に置いておきたいくらいお気に入りとなった本です♪ 作中に登場する手作りクッキーのレシピが巻末にのせてありました^^
    機会があれば作ってみたい♪

  • 児童書と小説のあいだといった感じ。アリエッティの世界に似ていますが、もっと人間臭い感じ。素敵です。

全34件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

朽木祥 広島市生まれ。被爆二世。上智大学大学院博士前期課程修了。Postgraduate diploma course of Trinity College, Dublin 修了。著書に『かはたれ』(児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞/福音館書店)、『風の靴』(産経児童出版文化賞大賞/講談社)、『光のうつしえ』(小学館児童出版文化賞、福田清人賞/講談社)、『彼岸花はきつねのかんざし』(日本児童文芸家協会賞/学習研究社)、『あひるの手紙』(日本児童文学者協会賞/佼成出版社)、『オン・ザ・ライン』(全国青少年読書感想文コンクール指定図書/小学館)、『たそかれ』(福音館書店)、『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館) など多数。鎌倉市在住。

「2019年 『バレエシューズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朽木祥の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
魚住 直子
三浦 しをん
冲方 丁
有川 浩
夏川 草介
三浦 しをん
中島 京子
有川 浩
上橋 菜穂子
三浦 しをん
佐藤 多佳子
柏葉 幸子
有川 浩
桜庭 一樹
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

引き出しの中の家 (ノベルズ・エクスプレス)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×