民王

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 1562
感想 : 306
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591116623

作品紹介・あらすじ

国会騒然…!日本の政治はいったいどこへいってしまうのか!?胸がスカッとする痛快エンタメ政治小説。

感想・レビュー・書評

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  • 池井戸潤にしては珍しく、ギャグゴメディー風味が強くて面白かったです。

    民政党党首の武藤泰山は、総理大臣となった日からしばらくして、テロ組織に狙われることになった。
    それと同時に、泰山の息子の翔も目をつけられる。

    テロとは知らず歯医者に行き、中身が入れ替わるチップを歯に埋め込まれてしまった2人は、そっくりそのまま人格が入れ替わってしまった。

    総理大臣の中身が、クラブで遊び呆けて頭のできもよろしくない翔に入れ替わってしまってからは、国会演説なとでヒヤヒヤする泰山の気持ちが痛いほど分かります。

    小学生の漢字が読めずに振り仮名をしてもらうところには笑ってしまいました。

    泰山も女遊びが趣味で妻に一億円を要求されるなど、あまり褒められた人間性ではないのですが、これが小説だから笑ってみてられるんだなと思います。

    現実で起きたらえらい話ですけど、フィクションの面白さがたくさん詰まってて、とても楽しく読ませていただきました。

  •  就任後すぐ、投げ出すように辞任してしまった首相、愛人とのスキャンダルを報じられた官房長官、酒を飲んで国際会議に出席した経済産業大臣、売春クラブの利用が発覚した議員、用意された原稿の漢字が読めない首相・・・

     おやあ、こんな政治家たち、実際にいたのでは・・・?

     しかし、これには裏があった、というのがこの作品。

     面白かったです。何度も笑いました。なぜならば、首相の息子の翔が、馬鹿すぎるから。「未曾有」を「ミゾユー」と翔が読んだところ、アレッ、どっかの実際の総理もそんな風に読んだ気が・・・となって、二倍面白かったです。

     建前と本音を使い分け、無難にその場を切り抜けようとする政治家たち、政治手法ではなく、失言やスキャンダルばかりをあげつらうマスコミたち。そんな彼らを翔がぶった切るところは痛快。
    「オトナになろうぜ、みんな!!」うわあ、痛快!!

     池井戸さんは、クールな企業小説を書く人だとばかり思っていましたが、こんなにボケとツッコミ満載の小説も書くのだと知ってびっくり。楽しく政治小説を読めました。
     池井戸さんを、ますます好きになりました。

    • HNGSKさん
      フッタさん>>なんて素敵なコメントを!!これからも私と仲良くしてください!!
      フッタさん>>なんて素敵なコメントを!!これからも私と仲良くしてください!!
      2013/07/31
    • macamiさん
      この本、ほんとに「どこかにあった話だね・・・」という部分が
      ありましたよね。

      >楽しく政治小説を読めました。
      ウマイ!ホント、そうでした^...
      この本、ほんとに「どこかにあった話だね・・・」という部分が
      ありましたよね。

      >楽しく政治小説を読めました。
      ウマイ!ホント、そうでした^^
      2013/08/13
    • HNGSKさん
      macamiさん>>ほんとにそうですよね。ライトに読める作品でしたね。
      macamiさん>>ほんとにそうですよね。ライトに読める作品でしたね。
      2013/08/13
  • 池井戸潤の作品としては、突拍子も無いものだと思う。
    他の作品と比べると、少し軽い感じがする。
    池井戸潤は、くだけた作品が少し苦手なのかと思ってしまった。

  • コミカルでとても読みやすいから、どんどん惹き込まれた。
    政治家っても、皆さん元々は国と人の生活を良くしたいから志した人ばかりなんだろうな。
    色んな事件やスキャンダルに巻き込まれながら、昔の自分が志した政治とは…と原点に立ち返ったとき。
    行動、そし衆議院解散。
    「ひとりの政治家として、いま再びーー俺は民意を問う。」のラストにゾクッとして、爽快だった。

  • 総理大臣の父親と、大学生の息子が入れ違ってしまうと言う、池井戸作品にはあまりないタイプの作品。最初は入り込みにくかったけど、世の中をきちんと描いている作者ならではの視点で、やっぱり最後には「面白かった」と思わせてくれる。ドラマも見たかった・・・

  • 池井戸潤ってこんな軽い感じのも書くんだ〜って印象。
    政治家が、頭良いけど子供みたいに書かれてる。

    経験をつめば積むほど言えなくなることってあるけど、自分の心で、また昔の気持ちに戻れる。
    周りの人がそう導いてくれることもある。

  • 掛け合いが面白くて1日で読んでしまった。
    さすが池井戸潤!

  • ドラマ化され、1回は見たので設定は知っているが荒唐無稽というより政治家の描写がステレオタイプで続けては見なかった。それが原作だと違うのか、池井戸潤だし、と思ったが基本的には変わらなかった。犯人、仕掛けも陳腐。池井戸潤はどういう意図でこうした作品を書いたのか。汚点のような気がするが。

  • テレビドラマの原作として読んでみた。
    ドラマの設定のほうが面白いと思ってしまった。

  • 事前知識なく読み始めたら
    今までの池井戸潤作品とはちょっと違うテイストで
    最初はかなりびっくりでした。
    でも、面白かったです。
    ジャンルはなんだろう?SF?ファンタジー?ミステリー?
    コメディ・・・ではないよね?

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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