わたしが死について語るなら

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 81
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591117880

作品紹介・あらすじ

死の問題を考えつづけることは、生きることの意味、命の大切さを知ることです。宗教学者が死と生について若者にやさしく語る。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者は浄土真宗のお坊さんの息子ですが、インド哲学が専門です。
    そういうバックグラウンドを持つ人ですから、哲学的な死生観を期待したのですが、普通の人が書いた、普通に分かりやすい内容でした。
    仏教用語や哲学用語を使わずに心がけて書いたということで、そういう姿勢には共感を覚えます。
    内容は、ぼくが常々思っていることとさほど変わらず納得することばかり。
    この本を出版したのが79歳ですから、この人は正しく歳を取っているなぁ~と感じました。(^^)/

  • 著名な宗教学者による”死"についての本です。
    辛気臭い感じがしないでもないですが、生きることのみを尊び、死ぬことについて忌避しがちな現代人に、不可避な自然の流れである死について、著者自身のエピソードも交えながら、優しく語りかけるように書かれています。
    日本人がかつて持っていた死生観を知る上でもいい一冊です。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=235820

  • 難しい“死”を例えようもなくやさしく《赤松正雄の読書録ブログ》

     宗教学者として今や八面六臂の活躍をされている山折哲雄氏。先日も東日本大震災のNHKの特集番組で発見。作家の荒俣宏氏とのやりとりで法華経の「三車火宅の喩え」を引用されていた。かと思うと、地方新聞紙上で歌人の道浦母都子さんと「3・11後」の題で対談をされていた。また、古典文学30を分かりやすく解説した今話題の新書『日本語の古典』(山口仲美明治大学教授)では、いきなりプロローグに登場。「古典をしっかり教えれば、それで宗教教育になる」と山折氏が述べている論文が引用。山口さんをして我が意を得たとばかりに「大きな勇気を与えてくれた」と言わしめている。その影響力やかなり多方面に及ぶ。

     その山折氏の『わたしが死について語るなら』は、やさしい言葉で死という難しいテーマを存分に語っている。青少年向けの“死の指南書”の趣きだ。氏が個人的な死にまつわる体験を語るくだりで、浄土真宗の「白骨の御文」を引き出されているのにはいささか驚いた。かつて子供の頃の私は父に従って、事あるごとにお経を読んだ。その時いつも、最後にこの「白骨の文章」を聞かされたものだからだ。浄土信仰から19歳で日蓮仏法に改宗した私としては、遠い過去の記憶が急に蘇った。

     宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」の冒頭と末尾に書かれていたお題目。それを教科書などではカットしてしまう。こうしたことも今更ながらに不可解に思われる。この本では死を取り扱った文章が様々に登場するが、一つひとつが実に印象的で、是非ともノートして覚えようという気にさえなる。

     山折さんは、万葉集、源氏物語、平家物語、謡曲、浄瑠璃の五つを必須の古典として挙げたあと、「これだけの古典に親しんでいれば、それで日本人の価値観、宗教観、自然観のすべてがわかる」としている。卓越した宗教学者の古典への誘い及び“死に方”の手ほどきの書として、中高年にとっても実に得難いものに思えた。

  • (欲しい!)

  • 推薦古典
    ・万葉集
    ・源氏物語
    ・平家物語
    ・謡曲
    ・浄瑠璃(曽根崎心中)

    推薦図書
    ・ブッダ最後の旅
    ・新約聖書
    ・老子
    ・先祖の話(柳田國男)
    ・こころ
    ・城の崎にて

  • 最後の章が特に良かったです。自然の中で今なら逝っても良いと思える時がある、そう思えるような老人になりたいですね。

  • 永訣の朝のくだりは、読んでいて、涙が出てしまった。
    改めて、死というものを仏教の観点で考え直す良い機会になった。
    人は生きて、やがて死ぬ。
    地上に永遠なるものはひとつも無い
    形あるものは必ず壊れる
    いかに、執着心から離れられるか、四苦八苦から脱することが出来るか
    そして、なかなか出来ない人間が、余計いとおしく思えた。

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著者プロフィール

山折哲雄 1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任。著書に『空海の企て』『愛欲の精神史』『「始末」ということ』など多数。

「2017年 『死者と先祖の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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