(003)畳 (百年文庫)

  • ポプラ社
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本棚登録 : 129
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118856

作品紹介・あらすじ

空腹の家族が待っていても原稿料が入るとつい酒を飲んでしまう-。貧乏作家の夢と現実を明るく描いた林芙美子の『馬乃文章』。媒酌人を頼まれた「私」は自宅の日本間で小さな結婚式をとりしきる。若い人たちの決意を爽やかに描いた獅子文六の『ある結婚式』。映画のエキストラをしている友人宅での共同生活、アパート前の通りから毎晩のように若い女の歌声が聞こえてきて…。青春の夢と哀愁がただよう山川方夫の『軍国歌謡集』。小さな部屋に刻まれた忘れえぬ思い出。

感想・レビュー・書評

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  • 林芙美子、獅子文六、山川方夫という最高の組み合わせ。テーマは「畳」。ずるさ、意地の悪さ、かわいらしさ、格好悪さ、惨めったらしさ、いじらしさ…様々な感情が三者三様の表現で描かれていて、昭和独特の毒っ気とユーモアがクセになりそう…と思った。
    林芙美子「馬乃文章」
    こんなダメ男が亭主だとしんどいな…と思うのだが、何だか憎めない。馬の肉を食べたがる五歳の娘が可愛い。
    獅子文六「ある結婚式」
    式をしたがらない若夫婦ってのが今どきだなぁと思った(否、今も昔も若者の考えることって同じなのかも)。テンポよく起承転結がキレイだったな、獅子文六の作品をもっと読んでみたい。
    山川方夫「軍国歌謡集」
    先の二篇がすごく短くて、この作品は中篇といっていい長さだったため若干たじろいだものの、予想に反してのめり込んで読んだ。
    登場人物らがそれぞれに拗らせてて、めんどくさい奴らよのぅと思いつつも、そのめんどくささが何となく理解できる。この若かりし日の思い出のほろ苦さよ…何だか後を引く作品だった。

    百年文庫を読むたび、よくこの漢字にこの三作品を選んできたなぁと感心する。これからも定期的に読んでいきたい。

  • 3作目の『軍国歌謡集』が良かった。山川方夫さんって存在すら知らなかったが、芥川賞の候補に何度も選ばれた方らしい。

    人と人とが関わりを持つことは、誤解やストレスも時に生じる。登場人物達の心の動きがありありと伝わり、誰に対しても共感を覚える。巧みな人物描写、物語の流れにするりと乗せてくれる文章、こんな作家を今日まで知らなかったなんて勿体ない。

  • 他の二作品も素晴らしいが、山川方夫の『軍国歌謡集』に衝撃を受けた。これに出会えただけで今まで百年文庫を読んできた甲斐がある。

    タイトルは多少取っ付きにくく感じるかもしれないが、ぜひ手に取ってほしい。

    書き出しから凄い。「私は人間が進歩したり、性格が一変したり、というようなことはあまり信じてはいない」この主人公のモノローグに引き込まれたらもう止まらなかった。

    モラトリアムの始まりと終わり、愚人、付け焼き刃の教養、愛の所在と幻影、嘘、生の意味、映画、生活、等々興味のある要素しかない。

    平易で変わったところのない、読みやすい文章なのにこれほど感情をぐらぐらと揺さぶられる。

    大チャンと呼ぶ男性との生活の描写、甲斐甲斐しい献身、知性への憧れ、家の前を過ぎ去っていく軍歌を歌う女性と複雑化していく3人の関係が、これだけの文量で収まっているのが信じられない。

    素晴らしい短編と出会ってしまった。

  • いずれもはじめて読む人ばかり。

    林芙美子『馬乃文章』
    流行った作家だけあってテンポがよい。オダサクっぽい?

    獅子文六『ある結婚式』
    名前だけは聞いたことある。この短編はアッサリしすぎてなんとも言いかねる。

    山川方夫『軍国歌謡集』
    おもしろいシチュエーションをつくっているが、どうも肌になじまず。

  • 『馬乃文章』は妻の芯の強さよりも夫の駄目さに目がいってしまって好きになれませんでした。
    『ある結婚式』は最後の指輪の場面が全てをひっくり返していい話だと思いました。
    『軍国歌謡集』はそれぞれが滑稽なほどに自分の考えに固執しているけれど大チャンが戦争で何を見て何を心に受けてしまったのかと思うとなんとも遣る瀬無い気持ちになります。
    『軍国歌謡集』が一番心に残りました。

  • 筒井康隆が山川方夫の軍国歌謡集を褒めたいたので

  • 軍国歌謡集が印象的

  • 5/9

  • 山川方夫の軍国歌謡集が圧巻の面白さ。自分も下北に住んでいたので、タイムスリップしたような、何か、奇妙な気持ちのデジャヴがあった。

  • 読んでる途中で、「ん?タイトル畳だったけど、出てきてなくね?」と思ったけど、読了するとしっくりくるような。日本語っていいね。
    山川方夫、中学の教科書で読んだ「夏の葬列」を思い出しながら読んだけど、あれと同じく後味の悪さ・・・生きていくことと、人を傷つけることの不可分みたいなものを感じた。

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著者プロフィール

1903-51。代表作に『放浪記』。

「2017年 『浮雲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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