(004)秋 (百年文庫)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118863

感想・レビュー・書評

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  • #読了 NHKでドラマ化した志賀直哉の「流行感冒」が読みたくて。ドラマも面白かったけど、やはり小説でも面白い。今も昔も、流行感冒に対する人の動きって変わらないんだなぁ。

    正岡容は存じ上げず、初めて読んだ。小説の題材そのままのような軽快なお話だった。師匠が病床で猫をやってみせたけど、その描写はわずかにも関わらず眼に浮かぶようだった。

    里見弴の「秋日和」は、周りのおせっかいにイラッとさせられながら、きっとその当時はこういうおせっかいをする人情がそこかしこにあったんだろうなと、少し寂しさを感じると共にあったかい気持ちにもなった。

  • 志賀直哉『流行感冒』、正岡容『置土産』、里見弴『秋日和』の3篇を集録。
    一番好きだと思ったのは、芸人小説の『置土産』。
    破天荒な師匠に振り回される弟子の様子をコミカルに描いた文章のリズムの楽しさと、後半にようやく芸を伝授する師匠の芸の美しさ・凄まじさにまつわる描写の迫力のギャップがたまらない。
    強い師弟愛を感じさせる、主人公である弟子の正直な語り口もまた爽やかでよい。
    本のタイトル通り、秋空のように爽やかな読後感を味わえた。

著者プロフィール

志賀直哉

一八八三(明治一六)- 一九七一(昭和四六)年。学習院高等科卒業、東京帝国大学国文科中退。白樺派を代表する作家。「小説の神様」と称され多くの作家に影響を与えた。四九(昭和二四)年、文化勲章受章。主な作品に『暗夜行路』『城の崎にて』『和解』ほか。

「2021年 『日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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