(017)異 (百年文庫)

  • ポプラ社
3.71
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本棚登録 : 155
感想 : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591118993

作品紹介・あらすじ

並はずれた美男子と結婚した「私」は、夫が夜ふけになると床をぬけ土蔵に行くことを怪しみはじめる。闇の中、手探りで梯子段をのぼっていくと-。隠さねばならなかったこの世ならぬ歓楽と哀しみ(江戸川乱歩『人でなしの恋』)。自信に満ちた裕福な学者が、ベッドの下に光る二つの目に神経をかき乱されてゆく(ビアス『人間と蛇』)。放蕩の限りをつくす名門一族の「私」が、同姓同名の同級生に追われる恐怖を描いたポーの『ウィリアム・ウィルスン』。背筋のさむくなる三篇。

感想・レビュー・書評

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  • 乱歩しかり、ポーしかり、一人称の告白はなんとぞくぞくするのだろう。
    聞いてはいけないことを聞いてしまったような後ろめたさが、余計に怖さを煽ります。

    夫しかいないはずの土蔵から聞こえる愛の睦言、ベッドの下の暗がりに光る2つの目、姿かたちがそっくりで名前も同じ謎の男···。
    なにか怖いことが待ち受けていることは百も承知なのだけど、結末を見届けずにはいられない。
    「異」の文字にふさわしい3編に、ひやりとした涼をわけていただきました。

    なお、ポーの『ウィリアム·ウィルスン』は江戸川乱歩の訳。
    少し古めかしさのある分、ムードたっぷりの語り口が臨場感を高めてくれます。

    -------------------------------
    ◆収録作品◆
    江戸川 乱歩 『人でなしの恋』
    ビアス 『人間と蛇』
    ポー 『ウィリアム·ウィルスン』
    -------------------------------

  • 百年文庫17 図書館のこわい本特集で見かけて借りた。乱歩とポー。しかもポーの作品の訳は乱歩という贅沢な一冊♪

    江戸川乱歩 「人でなしの恋」 ☆5
    そこはかとなくエロスな雰囲気。…耽美だなぁ。昔、夢中になって色々読んだけど、やっぱり好きだ。内容も文章も美しい。土蔵の中にある夫の秘密。想像は出来るエンディングなのだけど、細かい個所まで書き込まれていて、白黒活劇を見ているかのようでゆらゆらした…所々ぞわっと鳥肌が立った。


    ビアス 「人間と蛇」 ☆4
    難しいのだけれども「お互いに相手を呑み込んでいまうという蛇」…というか、人間、同業者、ライバル同士の話なのかな…と思いながら読む。「オフィオファガスといのは、仲間の蛇を食う蛇のことさ」=75ページ=
    だけど呪いのような幻のような蛇。=偉大とは力であり、力は脅威である=69ページ 蛇と見えない圧力のような描写にハラハラした。どんどん蛇に自分から近づいていく罠。ほんと肝が冷えた。


    ポー 「ウィリアム・ウィルスン」(江戸川乱歩・訳) ☆3.5
    読んでいて…なぜか太宰治がぼわ~~~っと浮かんできた(笑)堕落してゆく落ちぶれていく自分。さらに、いつでもどこでも追いかけてくる、同姓同名、同じ服装、誕生日、背格好も一緒のウィリアム・ウィルスン。
    自分VS自分。幼い頃、テレビかなんかで見て怖かった記憶が…。(アラン・ドロンがウィリアム・ウィルスンを演じたらしい)
    =人間というものは大むね年と共に徐々に堕落して行くものである=(81ページ)に、少しホッとしたりして。
    話そのものはこわい。自分そっくりの人物が耳元で「ウィリアム・ウィルスン」と囁く。うぁー、考えただけで気が狂いそうになる。というか、かなり病的な内容で暗~いので、少し苦手分野。

    それにしてもこの文庫シリーズ。シンプルで贅沢な作りにうっとり。おもしろい。
     

    • すずめさん
      まっき~♪さん、こんにちは!
      ポプラ社の百年文庫、随所に作り手のこだわりが感じられてすてきですよね。
      私も何冊か読んだのですが、この巻と...
      まっき~♪さん、こんにちは!
      ポプラ社の百年文庫、随所に作り手のこだわりが感じられてすてきですよね。
      私も何冊か読んだのですが、この巻とてもおもしろそうです!
      ぜひ読んでみます~♪
      2015/09/06
    • まっきーさん
      すずめさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      百年文庫集めてらっしゃるのですか。素敵ですね~。
      100冊そろった...
      すずめさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      百年文庫集めてらっしゃるのですか。素敵ですね~。
      100冊そろったら、うっとりしてしまいそうです。

      白くてシンプルで目立たないけど、おしゃれな感じが好きです。

      「異」は、夏の寒い話特集で紹介されていて、それで手にしました。

      乱歩とポーで、贅沢な一冊でした。すずめさんのレビュー楽しみにしております。

      また機会がありましたら、百年文庫で会話をしたいですね♪
      ありがとうございました~。
      2015/09/06
  • 名作短編集。
    江戸川乱歩「人でなしの恋」
    ピアス「人間と蛇」
    ポー「ウィリアム・ウィルスン」

    いずれも自ら生み出した幻想、妄想に溺れる、あるいは引き摺り込まれる話で、怪しくも面白い。

    中でも江戸川乱歩は、今の漫画でもありそうな設定で、レトロな語り口も相まって随分面白く読んだ。
    ウィリアム・ウィルスンは、途中まで面白いし、きっとこうなんだろうな、という予想通りで期待を裏切らない感じではあったけど、この結末だとすると、今、語ってるのは誰なん?となった。途中まではウィルスンが語る過去の話、途中からは今でウィルスンが体験してること、にならないと、辻褄が合わない気がするんだけど、何か見落としてるのかな。

    いずれにしても、この3編、いい取り合わせには違いない。

  • 江戸川乱歩ならではの、耽美さと異様さが混じった艶めかしさ。
    青白い美青年である自分の夫が、毎夜ひとり、蔵の2階で誰かと
    ひそひそ語らっている。果たしてその正体とは……。

    現代だったら、わりとありそうな嗜癖を持つ夫。
    昔はおぞましいと読者に恐れられたのだろうが、今の自分が読むと
    「あー、あるある」と思ってしまうあたり、現代の感覚は恐ろしいなあと
    苦笑してしまった。

  • 悪魔の辞典しか知らなかったので、ビアスの世界観はこれで初めて知った。ポーの話に乱歩のパノラマ島奇談を思い出した。着想だったりして。同じ本に収録されて、乱歩は喜んでいるだろうか。

  • 新婚の夫が夜な夜な土蔵へ向かい後を追った妻は扉を隔てて睦言を聞く。夫の愛した女性は人形だった、江戸川乱歩の作品中ワタシが一番偏愛する『人でなしの恋』、部屋のベッドの下に光る緑の瞳。その瞳に神経をかき乱され発作を起こして死ぬもその蛇は剥製の蛇だった、ビアス『人間と蛇』、放蕩の限りを尽くす「私」と同姓同名、誕生日も一緒、顔立ち背格好服装まで何から何まで一緒のかつての同級生が、私の行く先々に表れ邪魔をする。この男は何物なのか、葬り去ってしまったのは私の良心なのか、ポーの『ウィリアム・ウィルソン』の3篇を収録。

  • この三人の組み合わせがよい!

  • 古典ってやっぱり難しいなぁ、と思った。でもこのくらいの短編で、読みやすい本になっているので、スラスラとは読み進められなかったけど、面白い!と感じることができた。「人でなしの恋」が一番わかりやすく、楽しく読めた。
    シリーズの他の本もチャレンジしたい。

  • 江戸川乱歩いい!!人でなしの恋いい!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ネタバレになるから詳しくは書けないけど、コノ手の話に目がありません。。。
      ネタバレになるから詳しくは書けないけど、コノ手の話に目がありません。。。
      2012/12/17
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著者プロフィール

1894(明治27年)〜1965(昭和40年)、小説家。
1923年、『新青年』に掲載された『二銭銅貨』でデビュー。
1925年に『新青年』に6ヶ月連続短編掲載したうち2作目の『心理試験』が好評を得、初期作品は日本人による創作の探偵小説の礎を築いた。また同時期に『赤い部屋』『人間椅子』『鏡地獄』なども発表、幻想怪奇小説も人気を博した。
1927年に休筆したのち、『陰獣』を発表。横溝正史に「前代未聞のトリックを用いた探偵小説」と評価される。
1931年、『江戸川乱歩全集』全13巻が平凡社より刊行開始。
1936年、少年向け推理小説シリーズの第1話「怪人二十面相」を雑誌『少年倶楽部』に連載。太平洋戦争により一時執筆を休止したが、戦後再開し、子どもたちから絶大な支持を受けた。

「2021年 『人間椅子 江戸川乱歩 背徳幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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