(028)岸 (百年文庫)

  • ポプラ社
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本棚登録 : 56
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119105

作品紹介・あらすじ

夜半の雨が葉を散らし、晴れた朝には浜で顔を洗う。湖の小島で暮らした日々を深まりゆく秋の寂寥のなかに描いた中勘助の『島守』。妻の病も少しよくなった頃、久しぶりに夫婦で植物園を訪れたあの日-。あどけない生前の妻の姿が胸にせまる寺田寅彦の『団栗』。古いものが姿を消してゆく時代、薗八節の三味線の音に託して日本の姿を描いた永井荷風の『雨瀟瀟』。淡々とした筆致の奥に時流に屈せぬ詩魂みなぎる文章世界。

感想・レビュー・書評

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  • ポプラ社さん、すてきな文庫を創刊していただき、ありがとうございます!

    百年文庫少しずつ集めていきたいと思っています。
    一番初めに読むならば…と直感で選んだのが『岸』でした。

    寺田寅彦の『浅草紙』がよかったです。
    たった一枚の浅草紙を見て、この世界に張り巡らされた因果の網目の複雑さに思いを馳せる…。
    科学者の目から見た世界に、とろんとなります。

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    ◆収録作品◆
    中 勘助 『島守』
    寺田 寅彦 『団栗』『まじょりか皿』『浅草紙』
    永井 荷風 『雨瀟瀟』
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  • 装丁に一目惚れして入手した一冊。数冊を積ん読していたので、この機会に少し読み進める。
    恥ずかしながら三者とも、まともに作品を読んだことがなく、初めての邂逅となる。名前だけは知っている、レベル。うち二人が漱石と関わりがあるなど、関連あったのが興味深い。
    『島守』はただただ景色が美しく、目を閉じると瞼に情景が浮かんできた。隠居したい、と少し思ってしまう。『浅草紙』はなるほど、としきりに思うばかり。一つの事柄からの広がりが染み入る。『雨瀟瀟』は……漢文に明るくないのが悔やまれる。ただ、いつの時代も新しいものを受け付けない人はいるものだな、と。それが良い悪いということではなく、懐古趣味であれ、突き通すのは潔さもあり趣がある。
    「岸」というテーマに一番寄り添っていたのは一つ目だが、全体的に湿度の高い話だった。ので、テーマにも納得、というところ。時代による文体の方向性はあるのだろうが、読み辛いというよりもリズムが心地よく、入手しておいて間違いはなかったと思う。

  • 永井荷風は流れるような文章、行間ににじむ漢文の素養とどこか人を喰ったような風情がニヤリとさせられる。中勘助、寺田虎彦の文章も、まさに声に出して読みたくなる感じ。百年文庫のシリーズは全館近くの図書館にあるので、折に触れて借りようと思う。

  • ≪県立図書館≫

    「島守」
    ともかく退屈で、読みながら何度も眠ってしまった。
    自然を美しく描写しているのだけれど、ほとんどそればっかで、飽きた。

    「団栗」
    淡々と書かれた文章だが、最後には亡き妻を偲ぶ思いが伝わってきて、しみじみとした気持ちになった。
    筆者の回想するやわらかい眼差しが感じられた。
    「まじょりか皿」
    なんだか未熟で、定まらない。
    現実に向かい合う以上に憧れが強く、まじょりか皿はその憧れの象徴だ。
    憧れを抱きしめながら、大切に思う人たちを守っていくには弱すぎる竹村君のつぶやきが、哀れなようにもこっけいなようにも、もどかしくも感じた。
    「浅草紙」
    どう「岸」なのかはいまいち分からなかったけれど、一枚の浅草紙から学問や芸術・人間の精神に思いをはせているのが、実に人間らしいと思った(笑)。
    そして、とりあえず飯、なところも、実に人間らしいね。

    「雨蕭蕭」
    ともかく眠くなった作品だ。
    そうそう、時代は変わったよ。
    自分の趣味だけで人を囲おうとしても、それはただの金持ちのエゴ・道楽だ。
    おじいちゃんが、若い人に何かを期待するところが、もう間違ってるよ、ヨウさん。
    ・・・何度も眠ってしまい、ぶち切れの読書となった。
    そのため、丁寧に読めていない。
    だから、これの何が「岸」なのだ?
    傲岸不遜の岸か?
    さっぱりわからない。
    この小説が何を言いたいのかもいまいちわからない。
    大したことを言っていない気がする。
    漢詩とか、面倒くさい。
    はさみこみすぎ。
    知識のひけらかしか?
    もっと丁寧に読めば、漢詩のもたらす効果とか、意味とか、面白みがわかるのかもしれない。
    今は読みたくないが、また、もっと先によみかえしてみてもいいかもしれない。

  • 2013.5.31
    『島守』中勘助
    随筆。とても静か、心が澄む。
    日記風のものは、あまり好きでなかったけれど、これはとても良い。好き。童話も書いているよう。中勘助さん、他の作品も読みたい。

    『団栗』『まじょりか皿』『浅草紙』寺田寅彦
    三作とも題名となるアイテムが作品をひきしめていて、短いながら良品。小説のありかたを書いた浅草紙が好き。紙だし。

    『雨潚潚』永井荷風
    漢文、読めたら楽しいだろうな。勉強不足で私にはまだこれは早い。

  • 中勘助『島守』
    寺田寅彦『団栗』『まじょりか皿』『浅草紙』
    永井荷風『雨瀟瀟』

  • 永井荷風が読みやすかったのが意外だった。

  • 全部ええのぅ…全員初読み。銀の匙、柿の種、ふらんすかあめりか物語を今こそ読まんと決意。
    ふらんす物語とかにも、漢詩どしどし引いちゃったりするのだろうか…?読みゃわかるか。

  • 私には難し過ぎて、よく分からなかった。中勘助は日記記帳で、寺田寅彦は短編三本。団栗は、親しみやすい内容で分かりやすかった。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/28

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著者プロフィール

1885年、東京に生まれる。小説家、詩人。東京大学国文学科卒業。夏目漱石に師事。漱石の推薦で『銀の匙』を『東京朝日新聞』に連載。主な著作に小説『提婆達多』『犬』、詩集に『琅玕』『飛鳥』などがある。

「2019年 『銀の匙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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