- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591119143
作品紹介・あらすじ
司祭フーパーはある日、黒ベールで顔を覆って説教壇に立った。村は騒然となり非難と噂が飛びかうが、司祭はどんな時もベールを外そうとしない(ホーソーン『牧師の黒のベール』)。醜聞で私服を肥やす強請り屋の新聞記者が、妖気漂う未亡人の館でみたのは…(夢野久作『けむりを吐かぬ煙突』)。ファクスランジュ嬢は恋人を捨て莫大な資産を持つという「男爵」と結婚するが、連れて行かれたのは山峡の匪賊の根城だった(サド『ファクスランジュ』)。闇に放たれる罪と欲望のゆくえ。
感想・レビュー・書評
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ホーソーン『牧師の黒のベール』
なんだか他にどこかでこういう話を読むか聞くかした気がするのだが思い出せぬ。オチなしかよ、とおもったり。おとすものでもないのだろうが
夢野久作『けむりを吐かぬ煙突』
かねてより名前は気になっていたが初読の作家。江戸川乱歩みたい。特段の感想なし
サド『ファクスランジュ』
こちらも名前は有名な方。特段の感想なし -
ホーソーンの牧師の黒いベールはバベルの図書館で読んだ。
夢野久作はなかなかに猟奇的。 -
『牧師の黒のベール』は信仰の違いからか登場人物の抱く感覚がよく分かりませんでした。
『けむりを吐かぬ煙突』は煙突の使い道に引いてしまいました…。
未亡人もどうかと思うけれど一人称の「私」もなかなか悪党ですよね。
『ファクスランジュ』は若いちょっと愚かで美しい娘が悪徳に引きずり込まれる安定のサドでした。
恋人だったゴエがきっぱりとしていて話が引き締まります。 -
「牧師の黒ベール」
宗教的な感覚が違うから、いまいちピンとこない。
フーパー牧師が唐突にベールをかぶりだし、それに固執している。
そこまですることか?と思ってしまう。
そして、それを見たとして、そこまで怯えることなのか?
よくわからない。
「けむりを吐かぬ煙突」
妖艶な未亡人の性癖と狂気。
全てがこの夫人の手のひらの上で繰り広げられていたかのようだ。
話自体は、それほど奥行きがあるものではないけれど、「一般的」というものから外れてしまった人の姿が、怪しくうまく描かれているな、と感じた。
「ファクスランジュ」
非常に読みやすく、展開も想像しやすいお話だった。
金持ちで優雅な目新しい男に心を惹かれてしまう気持ちも、リアルだと思った。
フランロが、最期まで悪党だったのも、よかった(笑)
世間知らずのお嬢ちゃんが、騙されちゃったのね。
なんだか、よくありそう・・・ -
ホーソーンのはある日突然黒のベールをかぶりだした牧師の話。信仰が絡むとやっぱりどう読んだものか立ち位置に困る感じ。
周りの人々の様子なんかは滑稽味があるだけに。
夢野久作は本で読むのは初めて……かな?(瓶詰地獄は青空文庫で読んだ)
これまた狂気を孕んだお話でした。
サドは全く初めて。
お嬢様ご愁傷様な話(でも同情はできない)。シーンがいちいちドラマティックな感じがして、舞台とかに良さそうな短編。
ググったらサドにしては鬼畜度が緩いらしい。最後に教訓までついてるし。
澁澤龍彦訳ですよ~。
装画 / 安井 寿磨子
装幀・題字 / 緒方 修一
底本 / 『ホーソーン短編小説集』(岩波文庫)、『夢の久作全集2』(三一書房)『マルキ・ド・サド選集II』(彰考書院) -
2013.6.13
『牧師の黒のベール』ホーソーン
何がそんなに怖いのか、理解に苦しむ。
『けむりを吐かぬ煙突』夢野久作
夫人が笑い方の怖さ。ホホホホホ
『ファクスランジュ』サド
盗賊の親玉の嫁になってしまった娘のはなし。
サド。幽閉生活の中で膨大な数の作品を書いた。サド。性的なスキャンダル。サド。禁書。
とてつもなく興味をそそる経歴の持ち主だこと。