(034)恋 (百年文庫)

  • ポプラ社
3.58
  • (0)
  • (7)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 52
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119167

作品紹介・あらすじ

「おとよさアが省作さアに惚れてる」甥の一言に、省作は顔がほてり胸が鳴る。突如芽生えた恋心に煩悶する農家の青年の胸の内(伊藤左千夫『隣の嫁』)。山奥で炭を焼くことしか知らなかった若者が、桜の花見に来たお嬢さんに触れたことから切ない憧れを抱きはじめる『炭焼の煙』(江見水蔭)。諸国を渡り歩いてきた商人が辰巳芸者に惚れた。深川花柳界に繰り広げられる男と女の伊達と侠気(吉川英治『春の雁』)。かなわずとも潔い恋のあれこれ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初恋の渦中におる若者は読まないほうがいいんじゃ…。
    編者の恋観はどうなっているんだろう。

  • 隣りに住む人妻に恋心を抱いている青年のどうしようもない気持ちがせまってきた「隣の嫁」。桜の花見に来たお嬢さんをたまたまおぶったことで恋心を抱いた炭焼きの若者の話が一番切なくもどかしく感じた。若者が何故山の中たった一人で炭をやいているのかも哀れだ。全く知らない作家なので百年文庫に入っていなかったら読むこともなかった。最後の「春の雁」は遊女に惚れて見受けしようとしたのだが遊女の母の愛にふれて、自分も故郷の妻子に思いを馳せるという話。えっ、妻子いたんかい?と時代だといえばそれまでだが不快感がぬぐえなかった。

  • ≪県立図書館≫

    「隣の嫁」
    昔の結婚の辛いところだ。
    おとよさんも、清六のところに嫁いできたからこそ省作と出会えたのではあるけれど、それでも、せつない。
    気の合う2人、思いあい幸せになれる2人なのに。
    どうせ、両方とも破縁になったのなら、くっついちゃえばいいのに。
    でも、お隣さんだから、ややこしいか。

    「炭焼の煙」
    恋は盲目。
    傍から見れば、この男にお嬢様が気を留めるわけもない。
    みな、何気なく戯れの言葉を口にする。
    絶対にありえないことだから、かえって安心して。
    人慣れしていない、素朴・純朴な真次が、疑いながらも信じてしまった真次が、悲しい。

    「春の雁」
    背筋を伸ばした粋な姿の女たち。
    しかし、心の奥に抱えているものは、重くうす穢くすらあるのだ。
    過去と、生活の影が見えたとき、恋は恋の域をでることはなくなった。
    リアルだな、と思う。

  • 江見水蔭『炭焼きの煙』 想像で終わってしまう恋は嫌だ。辛抱強いと言われるのも 山に篭って酒も博打もしないで何が楽しいのと言われるのも 嫌だ。 自分に近いものを感じるからこそ 余計嫌だ。 自分と向き合ってるだけで 相手とのやりとりをしていないじゃない。猿だって 自分の思いを押し付けてるだけじゃん。文のリズムは良かった。 吉川英治 侠侠 cancan

  • 三作品が載っていて、そのうち一番心に残ったのが江見水蔭の「炭焼の煙」。江見水蔭という作家は初めてだが、朴訥な炭焼の真次がよく描けていた。彼の失恋と失望が痛いほど伝わってきた。


    いずれも悲恋物。昔の作品ばかりだけどなかなかよかった。

  • 2013.6.14
    『隣の嫁』伊藤左千夫
    百姓の仕事の描写がよい。隣の嫁のおとよは働き者でとても魅力的である。
    『炭焼きの煙』江見水蔭
    これはいいな。世間知らずな炭焼きの悲しいはなし。娘を思いモミジを待ち、桜を待つ炭焼き。切ない。
    『春の雁』吉川英治
    遊里の女との恋。女に逃げられるとばかり思っていたが逃げたのは男だった。"だまされて いるのが遊び"。

    恋の話三話も読むのしんどそうと思ったけれど、浮かれた恋などなくて、楽しめた。

  • 伊藤左千夫『隣の嫁』
    江見水蔭『炭焼の煙』
    吉川英治『春の雁』

  • 明治時代と思われる日本の農村での青年の心の動き、伊藤左千夫の自伝的な作品「隣の嫁」、山奥で独り炭焼きをする青年の思慕を描いた江美水蔭「炭焼の煙」、長崎から江戸に商売に来た男が芸者に惚れた話、吉川英治「春の雁」。これが当時の恋なのか。今から見ると何もかも不自由な当時、心にわき起こる恋心は、そうそう変わるものではない。

  • 分からんうちに読み終えてしまった。。。
    伊藤左千夫は、恋愛もどきの小説。
    隣の嫁さんが主人公に惚れた?昔は純愛でも、噂になったら婿養子の話も破談になる時代だったんやねぇ。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/34

全12件中 1 - 10件を表示

伊藤左千夫の作品

ツイートする
×