(039)幻 (百年文庫)

  • ポプラ社
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本棚登録 : 120
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119211

作品紹介・あらすじ

「どうせ私なんかどうなったっていいんです」「死んだっていい人間は沢山あると思います」温泉場の別荘に雇われた「お夏」の率直な言葉に療養中の孤独な「私」は心動かされる。死を予感する者との不思議な結縁を描いた川端康成の『白い満月』。ふと顔をあげると壁に見慣れぬ染みが-。ささいな視覚の刺激が解き放つ想像力の奔流(ヴァージニア・ウルフ『壁の染み』)。夜の散歩者が幻のような物語を回想する尾崎翠の『途上にて』。詩的な直感に満ちた幻視的世界。

感想・レビュー・書評

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  • ≪県立図書館≫


    「白い満月」
    精神というものの不思議を感じる。
    なんだか、「女」という生き物の、奇妙な精神の力が描かれているように感じる。
    弱い男。
    そして、したたかであると同時にもろくもある女。
    ここに出てくる女たちには、それぞれの吸引力がある。
    そして、男はそれに振り回されているのだ。

    「壁の染み」
    この人は、暇なのだろうな。
    たかだか壁の染み一つから、ここまでグダグダと思考を流すことができるのだから。
    文化だの常識だの、誰かが決めたことに振り回されるあほらしさ。
    そういう思いが伝わってきた。
    本当にものごとを知る、ということの不可能さのようなものも。
    科学や文化への嘲笑か。
    思考の断片が寄り集まった文体なので、読みにくい。
    読みにくい中で、こういったものを感じた。

    「途上にて」
    幻想的過ぎて、共感がしにくい。
    変な夢を見ているような気持がした。
    手ごたえが薄い。
    正直、こういうタイプのものは、疲れる。
    そして、私には、残りにくい。
    読み終わったと同時に、淡く揺れて消えそうで消えない光。
    その実態はわからない。
    そんな印象だ。
    正しく、幻のようなテイストの作品だと思った。

  • 日本が誇るノーベル文学賞受賞者作品を、もっと読んでみないと!ってことで。加えて、”灯台へ”がピンとこなかったウルフ作品も、短編なら何とかなるかも、っていう期待も抱きつつ。1分け2敗。川端作品は悪くなかったけど、他2作はやっぱりというか、合いませんでした。特にこのウルフ作品、とりとめもない空想録を、どう味わえば魅力的に感じられるんだろ?いわゆる文学作品で、こういうタイプのものが一つのジャンルを成してる気がするけど、どうしても良さが理解できません。まあもう、仕方ないわなって感じ。

  • 感覚を呼び起こす言葉

    パラダイスロスト、チョコレエト玉、ノオト、きんつば、油のにおい、くびまき、こおろぎ

  • 川端康成の「白い満月」、ヴァージニア・ウルフの「壁の染み」、尾崎翠の「途上にて」。
    「幻」という一文字で集められた3つの物語。百年文庫の魅力を知った。

  • 装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『川端康成全集』第2巻(新潮社)、『ヴァージニア・ウルフ短篇集』(ちくま文庫)、『底本尾崎翠全集』上巻(筑摩書房)

  • 川端康成『白い満月』


    「私」と「お夏」の関係が、とても美しく羨ましい。恋でも愛でも恋愛でもない。お夏だって、決して見目麗しいわけではないのに。これは、なんなのだろう。ラスト数行で見事に惹きこまれてしまったわ。

  • 川端は珍しく途中まではよかったんだけど、書き過ぎ。ヴァージニア・ウルフは既読。尾崎翠、初めて読んだけど、文体が独特でなかなかおもしろいかも。

  • 川端康成 『白い満月』
    ヴァージニア・ウルフ 『壁の染み』
    尾崎翠 『途上にて』

    『白い満月』 
    架空の話を書いた小説でも、なかなか言葉にしにくい台詞はある。
    この作品はそのあたりをためらわず、繰り返し言わせることで読者の胸に刺さる印象を
    残していく話だと感じました。
    登場人物同士が互いをどう思っているのか、どんな意図を含んでの行動なのかが、
    まだ読む力が足りないようで完全に読み取ることは出来ませんでした。
    また時を重ねた上で読み返したい作品です。
    それが川端康成の魅力なのかなと思います。

  • 川端康成『白い満月』
    ヴァージニア・ウルフ『壁の染み』
    尾崎翠『途上にて』

  • 今も昔も男女の関係はあまり変わりないような?

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著者プロフィール

1899年生まれ。1920年東京帝国大学文学部英文学科に入学(のち、国文学科に転科)。1921年第六次『新思潮』を創刊。『伊豆の踊子』や『雪国』などの作品を残す。1961年文化勲章受章。1962年『眠れる美女』で毎日出版文化賞受賞。1968年10月、日本人初となるノーベル文学賞受賞が決定する。1972年没。

「2017年 『山の音』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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