(046)宵 (百年文庫)

  • ポプラ社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119280

作品紹介・あらすじ

家格の違う家に嫁いだ娘が夫の冷たさに耐えかね実家にもどった。すべてを胸にしまい夜の帰路につく娘の健気さ、哀しみを分け持とうとする庶民の生き方が胸を打つ、樋口一葉の『十三夜』。いつか小さな店をかまえることを願って働く吉次は茶店の若い娘に想いを残して戦地へ赴く(国木田独歩『置土産』)。若き芸術家が集うミュンヘンのカフェで出会ったマリイ。降りしきる雨のなかを疾駆する青春のロマンス(森鴎外『うたかたの記』)。美しい文語の名篇を総ルビで味わう一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 昔の文体なので分かってはいたものの読みづらい…
    樋口一葉の十三夜は、そういう時代なのかもだけど胸くそ悪い。国木田独歩と森鴎外もの悲恋で悲しい。

  • 樋口一葉「十三夜」
    国木田独歩「置土産」
    森鴎外「うたかたの記」

    「うたかたの記」はちょっとよく分からなかったが、十三夜と置土産はしみじみよかったなー。

  • 樋口一葉のモラハラ夫話は今だと別の展開になるのだろうが、当時の世間や家の制度だとこうなるのが現実なんやろね‥55/100

  • 『十三夜』 の夫の横暴に限界を覚え実家に戻った関が父の説得で実家のためと耐える覚悟を決めたあたりで哀しくなりました。家格の違い、弟の就職等々色々あるのでしょうが関は一生耐えて暮らさなくてはならないのでしょうか。
    当時の女性の地位を思えば仕方が無いのかもしれませんがとても哀しい読後感でした。

    『置土産』の恋心を隠してたまま亡くなった吉次の心情はいかばかりか。たった一言が言えず、櫛に託した心すら叔母のものになってしまうとは。
    櫛を手渡ししていれば結末は変わっていたのでは…と思います。

    『うたかたの記』は主人公二人の結末よりルートヴィヒ2世の死因がマリイと言う方に驚いてしまいました。

    タイトルの『宵』の印象通り日が暮れて夜が始まる寂しさが感じられる悲恋ばかりでした。

  • 樋口一葉の『十三夜』が好きだな〜
    シンプルで心の動きとか風景がすごく伝わってくる感じがした

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99245538

    2021年度「お札になった人々」でも取り上げました。

  • 「十三夜」
    なんと悲しい。
    辛い苦しい。
    違う人生を選べたかもしれない。
    そう思うと、切ない。

    「置土産」
    なぜ言わぬ。
    この、日本人の奥ゆかしさ。
    秘める民族。
    察する民族。
    そこが美しいのだけれど、現実的にはつい、なぜ言わぬ!と思ってしまう。
    吉次の置き土産の櫛も、世話になっている叔母に所望されればあげてしまう。
    お絹は気づいていただろう。
    それが、吉次からのものであったということに。

    「うたかたの記」
    不思議な運命の出会い。
    夢の中で何かに導かれているかのように、二人は彼女の過去の場所を辿っていく。
    絡まっていた糸が、不意にぐいと引かれたかのように、少女は湖に墜ちる。
    異国の地で、幻想的な悲劇だ。

  • 樋口一葉初めて読んだかも。
    短いながら、どの作品も文の調子を楽しまないと、内容はあらすじ以上でも以下でもないので、自分で意識して味わわないといけない。
    鷗外はこの中ではまだ現代寄りなんだな。
    一葉は、文楽みたいだった。文楽は嫌いじゃないけどね。
    日本の文学を楽しむには忍耐とスキルが必要かなぁ…。

    装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『全集樋口一葉② 小説編2<復刻版>』(小学館)、『武蔵野』(岩波文庫)、『鷗外選集第1巻』(岩波書店)

  • 樋口一葉『十三夜』
    国木田独歩『置土産』
    森鷗外『うたかたの記』

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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