(050)都 (百年文庫)

  • ポプラ社
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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119327

作品紹介・あらすじ

伯父とローマに滞在するケリン嬢は、朝食のテーブルで知り合ったイギリス人青年に惹かれていく…「永遠の都」で願った恋の行方(ギッシング『くすり指』)。長年節約を重ね、ついにヨーロッパ旅行を実現した教師ミス・アビー。ロンドンで買った土産のネックレスが幸福を呼び込んで…(H・S・ホワイトヘッド『お茶の葉』)。連れ立って旅に出た旧知の夫人ふたりが、古都のテラスで秘められた過去を露にする(ウォートン『ローマ熱』)。旅先の都で繰りげられる恋と人生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「くすり指」
    二人の感情のすれ違い。
    ありそうな話だ。
    行きずりの交流なんて、なかなか、表面的な域を出にくい。
    あくまでも、通り過ぎてゆく旅だから、その一瞬一瞬が輝くのだろう。

    「お茶の葉」
    運命に導かれるお話。
    こんなにうまく話が進むものなのか、とつい溜息をつきたくなるような、大人のおとぎ話。
    あまりの大金は、ちょっと怖いきがするけれど、ね。

    「ローマ熱」
    こわい。
    私にとっては、下手なホラーより恐ろしい。
    近ければ目に付く。
    よく見えるからこそ、へだたりや反発や嫉妬心が生まれる。
    最後はミセス・アンズレーが一本とったかのように見えるけれど、彼女の長年の心情を思うと、決してうらやましくは思えない。
    どちらも、嫌だ。
    この人たち、友達じゃあないよね。

  • 「お茶の葉」が好き。ミス・アビーの大人なかわいらしさ、幸福感、旅行のドキドキ感などがよく伝わってきて、なんだか読んでいるこちらまでわくわくしました。

  • 「くすり指」が印象に残った。家父長制度が強かった時代の、女性の複雑で切ない内面がよく描けていた。外界に出て自由な活動や自由な恋愛が制限されていた時代の女性は可哀想だったと思う。

  • ギッシング『くすり指』
    H・S・ホワイトヘッド『お茶の葉』
    ウォートン『ローマ熱』

  • くすり指は切ない女心
    ローマ熱は燻り続けていた火の発火
    点けたのは女心
    お茶の葉は慎み深く無欲な女心
    どの話もヨーロッパ的で上質。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/50

  • 和図書 908/H99/50
    資料ID 2010200726

  • 『お茶の葉』に登場するミス・アビーがとてもキュートな女性でした。
    今まで読んだ何冊かの百年文庫に登場する女性は、影があったり、どこか狂ったようなところがあり、ちょっと落ち着かない気持ちになったのです。
    しかし、ミス・アビーは健康的で可愛らしい人なので楽しく読めました。
    幸福感が伝わるお話です。

    『ローマ熱』は女性の妬み心の深さにぞくり。

    旅先で感じる高揚感は思いもよらぬ出来事を引き寄せるのかも。
    それは幸福の種かもしれないし、過去の秘めた罪かもしれません…

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    ◆収録作品◆ 
    ギッシング 『くすり指』
    H.S.ホワイトヘッド 『お茶の葉』
    ウォートン 『ローマ熱』
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  • 買ってから7年ちょっと越しの読了。「くすり指」ローマで行き合った男女の、ひとときの、思いが通じたとお互いが感じた瞬間があったのにすれ違って行く様。あやまって踏まれた薬指を大事そうに眺める最後のシーンが印象に。「お茶の葉」は、旅先のロンドンでたまたま買った安いけど良さそうなものと思った首飾りがあれよあれよと見る人見る人で値が跳ね上がり、と言う奇譚。「ローマ熱」娘を持つ二人の中年女性が、ローマのテラスで語り合いながら、今で言うならマウンティングなんでしょうかこれはという会話を繰り広げ。「女の子はよくとても馬鹿げた理由から、とても大事なことをしてしまうでしょう。」

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