顔 (百年文庫)

  • ポプラ社
3.29
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本棚登録 : 51
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121467

作品紹介・あらすじ

なぜ私はだまされたのか?彼の顔を読み違えたのか?生命保険会社で長年、訪れる客を審査してきた「私」が遭遇した意外な復讐劇(ディケンズ『追いつめられて』)。パリの雑踏で出会った「善良な悪魔」に魂を売り渡した男が、地下の豪奢な屋敷で繰り広げる不思議な対話(ボードレール『気前のよい賭け事師』)。イールの街で掘り出された青銅のヴィーナスに魅入られた男たちの異教的な恐怖体験を描いたメリメの『イールのヴィーナス』。欺かれる快感をどうぞ。

感想・レビュー・書評

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  • ≪県立図書館≫

    「追いつめられて」
    最後の展開は面白かった。
    保険金詐欺であることは容易に想像がついたけど。
    髪の毛の分け目に対する嫌悪の表現が面白い。
    こういう象徴の形で、感情や人物を表す方法があるとは。
    読みやすかった。

    「気前のよい賭け事師」
    悪魔は魅惑的で決してよそよそしいものではないのだ、ということを感じさせる作品だった。
    悪魔は、旧友のようにすっとなじんで打ち解けてくる。
    ちょっとした隙に、自然に強烈に誘ってくるのだな。
    そして、知らないうちに魂を差し出してしまうのだ。
    人が悪に染まっていくのは、こんな感じなのだろうな。
    短いけれど面白かった。

    「イールのヴィーナス」
    怖い。
    美しくも恐ろしい。
    顔というものは、その精神を表すものなのだろう。
    握りこまれた指を見たときの恐怖といったら、なかっただろうと思う。
    陽気で元気で活発だった老人の、息子を失った悲しみと、自分が掘り出した像がの圧倒的な力を思い知らされた感情は、どれほどのものだったか。
    像は、かつて埋められたのかもしれない。
    像の作者は、いったいどれほどの感情をこめて、この像を作ったのだろう。
    命を削って吹き込んで塗りこめて、作っていったのだろうな。
    人の心を震わす作品を見ると、いつもそう思う。

  • これはなかなかおもしろかった! ディケンズの作品はストーリーがしっかり作り込まれていたし、ボードレールの作品の世界観は好みだったし、メリメの作品には背筋をぞくっとさせられた

    ディケンズ『追いつめられて』
    ボードレール『気前のよい賭け事師』 
    メリメ『イールのヴィーナス』

  • ディケンズ『追いつめられて』
    ボードレール『気前のよい賭け事師』
    メリメ『イールのヴィーナス』

  • ディケンズ、ボードレール、メリメ
    の三短編。当時はさぞや斬新な
    作品だったのであろうが、
    現在読むに耐え得るのはディケンズの
    一編ぐらいなものか。
    特に、ボードレールの作品は
    散文詩なのだから、翻訳したものを
    読んだところで醍醐味は
    味わえないのだろう。
    メリメに至っては…この短さなのに
    冗長さを感じてしまった。
    この手の世界の「名作」短編の
    アンソロジーなどは、たまに無性に
    読まねばならぬ!という気持ちに
    駆られるのだが、一々自分で集めるのは途方もないことだし、こういった
    シリーズは大変有難いものである。
    ましてや図書館で借りられるのだから
    なんの文句があろうか。
    星二つだけど。

  • 『追いつめられて』 ディケンズ

    『気前の良い賭け』 ボードレール

    『イールのヴィーナス』 メリメ

  • 裏表紙の「欺かれる快感をどうぞ」の言葉に惹かれて図書館で借りた。

    活字も大きくて短編3つと読みやすいので、海外の作品を試しに読むのにちょうどいい。
    「イールのヴィーナス」がホラーぽくて好き。

  • 愛想の良い依頼人が裏に秘めた顔、紳士の仮面を被った悪魔、美しいヴィーナス像が浮かべる残忍な微笑み。「顔」が印象的に切り取られた3つの短編。顔というより「顔つき」か?顔そのものは与えられたものにすぎないけれど、その生きざま、その心が、驚くほど「顔つき」にあらわれる。心が顔を変える。
    だから顔は奥深い。そして怖い。わたしはどんな「顔」をしてるのかしら。それは自分にはわからない。こわいこわい。

    『イールのヴィーナス』のヴィーナス像が浮かべていたという「残忍な微笑み」は、まさに人にはどうすることもできない災厄の暗示のようで、不気味としか言いようがない。
    著者メリメは『カルメン』を書いた人。

    ☆百年文庫1冊目
    『追いつめられて』ディケンズ
    『気前の良い賭け事師』ボードレール
    『イールのヴィーナス』メリメ

  • ディケンズ「追いつめられて」がスリリングでとても面白かった。他人の命をモノのように扱う保険金詐欺は最も恐ろしい犯罪だと思うので、現代的な話に読めた。ディケンズの人間を見る目の鋭さはすごいと思う。
    ボードレールも面白かった。メリメは既読。

  • 百年文庫58顔~「おいつめられて」(ディケンズ)保険会社の総支配人である私の目の前に現れた人物は胡散臭い。アパートの隣に住む男の保証人となったが。「気前の良い賭け事師」(ボードレール)善良な悪魔が約束を果たしてくれることを神に願う。「イールのヴィーナス」(メリメ)イールの町で掘り出された女神像はミロの作だと田舎素人考古学者が云う。その息子は結婚を控えており,花嫁の為のダイヤの指輪をヴィーナス像の指に嵌めたまま結婚式に出掛けるが,ヴィーナスは開いていた手を握って離そうとしない。結婚式の晩~メリメというのは『カルメン』で知られる人物。フランス軍に勤務し,考古学者としても活躍

  • 和図書 908/H99/58
    資料ID 2010200734

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