(059)客 (百年文庫)

  • ポプラ社
3.25
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本棚登録 : 39
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121474

作品紹介・あらすじ

銀座の繁華街で出会った大男は、「人間は食べないよ」と言ってにやりと笑った。異界の者との滋味豊かな交流を描いた、吉田健一の『海坊主』。精神を病んだ私は知人の紹介で、風変わりな道場「天狗洞」の食客となった。珍妙な修行に耐える私の、夢と狂気に満ちた混沌世界(牧野信一『天狗洞食客記』)。妻・トキ子の家造りを傍観していた僕だが、馬小屋が建てられたところから状況が一変した。居場所を失い、翻弄される男の行き着く先は(小島信夫『馬』)。非日常から日常を照らし出した、奇想天外な三篇。

感想・レビュー・書評

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  • 「馬」の読書会のために読んだ。このシリーズはテーマが同じでも3つの味が楽しめるしさっと読み終われるしよいですね。

    吉田健一「海坊主」:この人の文章はふわっと読み進めさせる謎の推進力があって、1周目はその力に乗ってぼんやり読んでしまった。2周目は海坊主の海坊主らしさをそこかしこで味わえて楽しかった。昔の人はよく食べよく飲みますね。吉田健一だからかもしれないけれど。
    牧野信一「天狗洞食客記」:俺は駄目だ男パニック系作家として牧野信一はとてもよいのだけれど、なにせいつもテンパっているので読んでいて疲れてしまう。しかしこういうアンソロジーで一つだけ読むとちょうどよい感じ。本作は基本のテンパりの合間合間に庭や女中さんの美しさがみずみずしい文章で挟まれるのがよかった。天狗洞のシステムもふざけていて可笑しい。牧野信一にはもっとふざけて長生きしてほしかった。
    小島信夫「馬」:この夫婦、たぶんこれはこれで愛しあっているんだろうなと思いつつ、戦前と戦後の意識の転換のなかで身動きが取れなくなっているさまがいじらしく可笑しい。お互いを必要としているのにどうしようもなくコミュニケーションが取れない二人。

  • ≪県立図書館≫

    この本は、確かに「客」のお話だけれど、内容としてはどれも微妙だった。

    「海坊主」
    ラストが・・・
    ちょっと、きょとんとしてしまった。。。
    何の話??
    読み返すと、男の表現に、正体を暗示する表現が多数使われているけれど。
    人間離れした食欲が描かれているけれど。
    面白いか?これ。
    よくわからん。


    「天狗洞食客記」
    なんだこりゃ。
    変人ばかり。
    それぞれの目的と勘違いが奇怪。
    面白いか?これ。
    やっぱり、よくわからんぞ、今回。


    「馬」
    なんて頼りない男。
    馬鹿すぎる。
    確かに、このような男にはトキ子みたいな女がちょうどいいのかもしれない。

  • 吉田健一『海坊主』
    牧野信一『天狗洞食客記』
    小島信夫『馬』

  • 奇想天外な物語三編。
    吉田健一「海坊主」(1956)、牧野信一「天狗洞食客記」(1933)、小島信夫「馬」
    (1954)。
    あらすじを書いてはおもしろみが半減するので、読んでみてのお楽しみ。「海坊主」は、銀座の夜で出会った男の話。後ろの二編は主人公が気にする女性がどうなるのか、気になって読み進んでしまう。

  • 吉田健一の作品が、これほど短いものとは、初見の際には思いませんでした。
    小島信夫は凄みを感じます。
    他の作品、特に長編を読むようにします。

  • 和図書 908/H99/59
    資料ID 2010200735

  • 日常の中での異世界の住人との交流。
    登場する女性たちの謎めいた妖しい美しさにドキドキしました。
    小島信夫の『馬』は狂っているのが夫なのか、妻なのか。
    不気味だ…と思いつつ、先を読まずにはいられませんでした。
    異世界を覗いてみたいという好奇心や怖いものみたさを満たしてくれる1冊です。

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    ◆収録作品◆ 
    吉田 健一 『海坊主』
    牧野 信一 『天狗洞食客記』
    小島 信夫 『馬』
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著者プロフィール

吉田健一
一九一二年(明治四十五)、東京に生まれる。吉田茂元首相の長男。暁星中学を卒業ののち、英国ケンブリッジ大学に学ぶ。ロレンス、ヴァレリー等、英仏にわたる翻訳、文芸批評、小説など多彩な文筆活動を行う。『シェイクスピア』『瓦礫の中』で読売文学賞、『日本について』で新潮社文学賞、『ヨオロッパの世紀末』で野間文芸賞を受賞。『英国の文学』『絵空ごと』『金沢』『東京の昔』『舌鼓ところどころ』ほか著書多数。全集に『吉田健一著作集』(全三〇巻、補二巻)がある。一九七七年(昭和五十二)没。

「2020年 『日本の文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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