(059)客 (百年文庫)

  • ポプラ社
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本棚登録 : 36
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121474

感想・レビュー・書評

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  • 「馬」の読書会のために読んだ。このシリーズはテーマが同じでも3つの味が楽しめるしさっと読み終われるしよいですね。

    吉田健一「海坊主」:この人の文章はふわっと読み進めさせる謎の推進力があって、1周目はその力に乗ってぼんやり読んでしまった。2周目は海坊主の海坊主らしさをそこかしこで味わえて楽しかった。昔の人はよく食べよく飲みますね。吉田健一だからかもしれないけれど。
    牧野信一「天狗洞食客記」:俺は駄目だ男パニック系作家として牧野信一はとてもよいのだけれど、なにせいつもテンパっているので読んでいて疲れてしまう。しかしこういうアンソロジーで一つだけ読むとちょうどよい感じ。本作は基本のテンパりの合間合間に庭や女中さんの美しさがみずみずしい文章で挟まれるのがよかった。天狗洞のシステムもふざけていて可笑しい。牧野信一にはもっとふざけて長生きしてほしかった。
    小島信夫「馬」:この夫婦、たぶんこれはこれで愛しあっているんだろうなと思いつつ、戦前と戦後の意識の転換のなかで身動きが取れなくなっているさまがいじらしく可笑しい。お互いを必要としているのにどうしようもなくコミュニケーションが取れない二人。

  • 吉田健一の作品が、これほど短いものとは、初見の際には思いませんでした。
    小島信夫は凄みを感じます。
    他の作品、特に長編を読むようにします。

著者プロフィール

1912年、東京都生まれ。批評家・作家。ケンブリッジ大学中退。外交官の父・吉田茂(後の首相)の任地に従って中国、フランス、イギリスで育つ。1931年、大学を退学して帰国。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、39年、中村光夫らと同人誌「批評」を創刊。戦後は翻訳、評論、随筆と一挙に幅広い活動を始め、言葉による表現の重要性を唱えた。主な評論に『英国の文学』『東西文学論』『ヨオロッパの世紀末』『時間』、小説に『瓦礫の中』『絵空ごと』『金沢』、随筆に『私の食物誌』など多数。


「2018年 『ラフォルグ抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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