(062)嘘 (百年文庫)

制作 : Vasilii Eroshenko  高杉 一郎 
  • ポプラ社
3.77
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本棚登録 : 80
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121504

作品紹介・あらすじ

村の落ちこばれ少年・斉藤平太は、父の威信で職に就いたものの、間抜けな失敗ばかり。皆の嘲笑に嫌気がさして心機一転上京するが…(宮沢賢治『革トランク』)。級友の作り話遊びに退屈した「私」は、「今迄隠して居ましたけれど」と自らの秘密を語りはじめた(与謝野晶子『嘘』)。「わたしたちは色が白いから、いちばん文明が進んでいるのですか?」-盲目の少年の問いに、大人たちは狼狽する(エロシェンコ『ある孤独な魂』)。曇りなき心で綴られた名篇が、鏡となって虚構を映し出す。

感想・レビュー・書評

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  • どれも童話っぽい感じ。
    短いので、賢治2作品/晶子2作品/エロシェンコ4作品収録です。

    残念ながら宮沢賢治って私やっぱりちょっと合わない……(^_^;)
    賢治の「革トランク」は台詞なしの漫画に出来そうで、そっちで見たらくすっとするかもな~

    晶子の「嘘」はテーマど直球。
    会話文がさすがにはんなりしとぅおすわぁ……

    エロシェンコは「せまい檻」が一番印象的かな。
    動物園の虎が見る白昼夢の数々。
    オリエンタルでエキゾチック。

    装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『宮沢賢治全集6』『新修宮沢賢治全集 第十巻』(筑摩書房)、『与謝野晶子児童文学全集5 少女小説篇 自伝 私の生い立ち』(春陽堂書店)、『エロシェンコ作品集I 桃色の雲』(みすず書房)

  • エロシェンコという偉大な文豪と出会えたことに幸せを感じた。

  • 宮沢賢治『革トランク』『ガドルフの百合』
    与謝野晶子『嘘』『狐の子供』
    エロシェンコ『ある孤独な魂』『せまい檻』『沼のほとり』『魚の悲しみ』

  • 収録作:
    「革トランク」「ガドルフの百合」宮沢賢治
    「嘘」「狐の子供」与謝野晶子
    「ある孤独な魂」「せまい檻」「沼のほとり」「魚の悲しみ」エロシェンコ

    全体的に、「嘘」というよりは「真実を透かして見ること」あるいは「真実は嘘によってあぶりだされるということ」という印象。

    私は宮沢賢治はあまり好きではないのだけど、読むたびに唸ってしまう。彼のすごさは、誰も「真似できない」ところだと思う。というか、真似をしたら圧倒的に陳腐になってしまうだろう。

    与謝野晶子の「狐の子供」が一番好きだった。彼女の生真面目さ、潔癖さ、そして少女らしい尊大な自負心に共感する。

    エロシェンコは童話風のものよりも、実録エッセイ風の「ある孤独な魂」が私は圧倒的に好きだった。
    疑り深い、いや真実を求めるが故に疑り深くならざるをえなかったエロシェンコの魂は、孤独であっただろう。その孤独のしみじみとした静かさに、胸が詰まる。

  • 宮沢賢治「革トランク」「ガドルフの百合」、与謝野晶子「嘘」「狐の子供」、エロシェンコ「ある孤独な魂」「せまい檻」「沼のほとり」「魚の悲しみ」を収録。エロシェンコの著作、4作はすべて示唆に富んでいて、童話としても通用しそう。とてもいい話でした。

  • エロシェンコが良かった。
    「せまい檻」の、人間が石の神様に祈る場面はとても美しい情景が目に浮かぶ文章でした。とても作者が盲目だったとは思えない。


    ・宮沢賢治「革トランク」「ガドルフの百合」
    ・与謝野晶子「嘘」「狐の子供」
    ・エロシェンコ(高杉一郎訳)
    「ある孤独な魂」「せまい檻」
    「沼のほとり」「魚の悲しみ」

  • 「嘘」というくくりにすると、ちょっとピンとこない。でも、作品それぞれに、読後の虚しさというのはあった。

    宮沢賢治の「革トランク」や、与謝野晶子の「嘘」は、比較的さくさく読めると思う。見栄というか、虚構というか、そういったものが分かりやすく描かれているので、「あーあるある」と共感できるところもあるし、それを面白がることもできる。
    与謝野晶子は「教科書で習う人」程度の印象だったのだけど、女の子がリアルに書ける人なんだなあと思った。素敵。
    エロシェンコの2作品は、読みやすいけれど、「純粋であるがゆえの危うさ」のようなものが感じられる。好きだなあ。

    全体的に仄暗い。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号:908.3//H99//62

  • エロシェンコは初めて読みました。

    虎の話が印象に残っています。
    なんだろう、綺麗だけど荒々しい、血生臭い生きざまと言いましょうか?

    他の作品も読みたいです。

  • これとは全く別の魯迅の本にエロシェンコのことが書いてあり、エロシェンコに少し興味を持った。
    そんな頃、「ある孤独な魂」に出会った。いやはや面白い。子供たちの素朴な疑問が痛快だった。まともに太刀打ちできず「愚問だから」と体罰を与えることしかできない教師が、むしろ滑稽である。偏見のバカバカしさがよく伝わった。

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著者プロフィール

宮沢賢治(みやざわ けんじ)
1896年岩手県花巻市に生まれる。中学生の頃から短歌制作を開始し、盛岡高等農林学校卒業後、童話を書き始める。1921年に稗貫学校(のち花巻農林学校)の教師となり、詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を刊行。26年農学校を退職して、みずから農民となり、33年に37歳で病死。主な作品に、童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」、詩「永訣の朝」「雨ニモマケズ」などがある。

「2019年 『セロひきのゴーシュ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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