- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591121580
作品紹介・あらすじ
道に迷いベージンの野と呼ばれるところへ出た私は、馬番の子供たちと一晩を過ごすことになった。やがて、子供たちのよもやま話がはじまって…(ツルゲーネフ『ベージンの野』)。純朴な羊飼いが、憧れのお嬢さんと二人きりで星空を見あげた一夜を清々しく描いた小品(ドーデー『星』)。恋する女に貢ぐために盗みを働くようになった男の、壮絶な転落の記録(シラー『誇りを汚された犯罪者』)。貧しく、野に生きることを宿命づけられた人々の、喜びと哀しみ。
感想・レビュー・書評
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ツルゲーネフ風景の描写が素晴らしい。76/100
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「ベージンの野」
山道に迷うシーンが良かった。
ああ、こうやって人は奥へ奥へと入って行ってしまうのかもしれない。
そんな風に思った。
少年たちが野営をしているのは、なんだか幻想的だった。
普通は大人が一人くらいはいそうなものだけれど。
妖精や幽霊が、普通に共存している。
生活に食い込んで、影響を与えている。
人が死んだり狂ったりすることが、日常にある世界なのだな、と感じた。
少年の若さと美しさも感じられた。
「星」
清く美しい一夜。
手の届かない憧れの女性を、大切に守る姿に、清らかな気持ちを感じた。
満点の星空と、女性と、羊飼いの気持ちが、どれも美しく瞬いているようで、とてもロマンチックだった。
「誇りを汚された犯罪者」
それでも、やはり、出だしの見栄と欲望が間違いだったのだ、と私は思う。
金がないのに、金で女の気をひこうとしたことが、間違いだ。
そういう人間は、この先もずっと、同じことをするのだ。
自分の足元から、できることからコツコツと積み上げていくという、努力することができない。
赦されると思うのは、図々しい。
愚かだ。 -
ツルゲーネフ『ベージンの野』
ドーデー『星』
シラー『誇りを汚された犯罪者』 -
ベージンの野*
農村ののどかな雰囲気が漂っていていて、
なんだかおかしいなーと思ったら、
魯迅の狂人日記と勘違いしていたというwww
初恋とは全くテーマが違って、
ツルゲーネフのイメージがちょっと変わりました。
星*
「野」のテーマにふさわしい一編。
何故かスーホの白い馬を思い出しました。
星の配置のイメージがちゃんとわかなかったので、
もう一度読みます(笑)
誇りを汚された犯罪者*
シラーって小説も書くんですね。
この3編のでは一番面白かったと思いますが、
無機質な文章の印象のせいか展開が早く感じられました。
犯罪者にしては良心的過ぎて、説得力に欠ける様に思いました。 -
ツルゲーネフ「ベージンの野」を読んでいるとき、本当にロシアの野が香ってきたかのような錯覚を覚えた。