幽 (百年文庫 84)

  • ポプラ社
3.50
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591121726

作品紹介・あらすじ

ロンドン郊外の「幽霊屋敷」に合理主義の権化のようなアメリカ公使の一家が入居した。「輝かしい閲歴」をもつ幽霊は家人を怖がらせようと必死になるが…(ワイルド『カンタヴィルの幽霊』)。領地に出没する「裸の少年」の戦慄すべき正体(サキ『ガブリエル・アーネスト』)。怒りにまかせ悪口雑言を浴びせかけるかと思えば、うろたえ「泊まっていってくれ」と哀願する屋敷の主人。不気味さをこらえ「客」となった男が語る、恐るべき物語(ウォルポール『ラント夫人』)。超現実の闇とユーモア、奇々怪々の三篇。

感想・レビュー・書評

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  • ワイルド「カンタヴィルの幽霊」
    サキ「ガブリエル・アーネスト」
    ウォルポール「ラント夫人」

    恐怖にも品格ってあるよね。

  • 夏なので怪談を。ウォルポールのホラーが現代的。63/100

  • 幽霊の国・イギリスの作家ばかり3人。

    「カンタヴィルの幽霊」
    モンスターズインク的な楽しい話。
    幽霊は怖れられて、人を不幸にすることが名誉なのに、怖がってくれない家族に心を砕かれるのが、面白い。
    ああ、幽霊も人間なんだな、と、笑えた。
    怪奇現象をあっけらかんとかわし、楽しんですらいるようなオースティー家一同の逞しさも、愉快だった。
    話の終末、サー・サイモンの哀れな最期のところは落ち着いた口調で語られていた。
    面白かった。

    「ガブリエル・アーネスト」
    少年が何者か、読者はすぐにピンとくる。
    伯母は最後までその気味悪さに気づけない、というあたりが、少しおもしろい。
    赤ずきんを思い出した。
    古今東西、女性は悪い男に騙されやすい存在だという認識があるのだろうか。

    「ラント夫人」
    幽霊もなかなか、臭い上に力強いのだなあ。
    物理的存在感が強い幽霊。
    さすがイギリス。

  • サキの小説を初めて読みました。「ガブリエル・アーネスト」うまいなあ。

  • このシリーズは作品を丁寧に選んでいる感じがすごくして、好感が持てる。
    今回は『幽』のタイトル通り、幽霊あるいはそれに準ずるものの話。どれも語りすぎず適度なところで切り上げているのがよい。

  • 8/21 読了。
    「ぼくが君のこころを持っている限り、君は君の秘密を持つがいい」

  • ワイルド『カンタヴィルの幽霊』
    サキ『ガブリエル・アーネスト』
    ウォルポール『ラント夫人』

  • 装画 / 安井 寿磨子
    装幀・題字 / 緒方 修一
    底本 / 『アーサー・サヴィル卿の犯罪』(国書刊行会)、『恐怖の愉しみ 上』(創元推理文庫)

  • ワイルド「カンタヴィルの幽霊」
    代々の住人を怯えさせた「輝しい閲歴」をもつ幽霊屋敷の新しい所有者となったアメリカの公使ご一家。
    住人を恐がらせるためにいろんな扮装をしては失敗する幽霊が気の毒でかわいい。最後はいい話で終わります。
    オスカー・ワイルドって凄いな。
    そういえば波津彬子の英国物で幽霊屋敷を面白がって買うアメリカの富豪一家のマンガがあった。あれもいい話でした。

    サキ「ガブリエル・アーネスト」
    ライカンスロープを身内が家に引き入れちゃった話。
    一瞬「山月記」っぽいのかと思った。良い短編です。

    ウォルポール「ラント夫人」
    よくある型の怖い話な気がする。予想通りというか。

    どれも読みやすくていいが、ワイルドの作品が収録されているだけでも今回の百年文庫は当たり。

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