(P[ふ]2-2)船に乗れ! I (ポプラ文庫ピュアフル)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 926
レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591123997

作品紹介・あらすじ

若きチェリスト・津島サトルは、芸高受験に失敗し、不本意ながら新生学園大学附属高校音楽科に進む。そこで、フルート専攻の伊藤慧やヴァイオリン専攻の南枝里子と出会った津島は、夏休みのオーケストラ合宿、初舞台、ピアノの北島先生と南とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、慌しい一年を過ごし…。本屋大賞にノミネートされるなど、単行本刊行時に称賛を浴びた青春音楽小説三部作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代に音楽に関わったことがある人は特に楽しめると思う。
    演奏中の描写や、音楽の描写が素敵。

    音高に通ったわけではないけれど、自分も当時、部活として音楽をやっていて、苦く思い出したくない過去があるので、読んでいてなんとも言えない気分になった。

    当時の自分を思い出すと同時に、音楽にどっぷりはまって将来に希望が描ける青春時代をおくっていた自分や主人公が羨ましく思った。

    1巻では筆者の苦い部分について詳しくは明らかにされていない。
    純粋に話の続きが気になるし、自分の蓋をしたままの当時の思い出と向き合うきっかけにもなりそうなので、2、3巻も読みたい。

  • 読んで良かった。

  • 直美さんの推薦本。
    ・音楽家とか楽器演奏者という存在に母は、それが何か高級な人間ででもあるかのような幻想を抱くことはない。にもかかわらず母は音楽を腹の底から愛している。意味もなく、誰かのためでもなく、ただ気分が良くなるために鳴らしてみせるさまざまな音、それが音楽だ。やっぱり音楽は何よりもまず心地よいものだ。
    ・僕たちの人生の主役は音楽で、音楽の、この絶対的な美しさの前では、僕たちの喜びや悲しみ、怒りや苛立ちなんて、ほとんど意味なんかない。
    ・いわば天才シェフが世界中から一流の素材を集めて作った料理も、田舎のおばあさんが作った味噌汁と握り飯にはかなわない、とでもいうような

  • 音楽科に入学した高校生の日常を描いている。
    一見、生意気な高校生の日常を描いているだけなように読めるが、この小説が主人公の回想であり、所々で未来に深淵が待ち構えている描き方が、2巻の波乱を感じさせる。

  • 専門知識がないので軽快には読み進められないが、時折入る未来の暗示と、誰もが抱える思春期の残滓が読み手を離さない。ちなみに私は曲目が出てくる度に動画を探して雰囲気を保ちつつ読みました。そういう読み方は初めてでしたが、なかなか良いね

  • クラシックと哲学の融合。単純にオーケストラの楽しさ素晴らしさを讃える“のだめ”的な青春小説かと思ったら、のっけから語り部が将来音楽から離れてしまった主人公ときたもんだ。失敗ありきのスタートでどうなっていくのかと思いました。
    それでも1巻はまだ明るい学校生活と喧々諤々ながらも楽しい学園生活となっております。
    クラシックの世界だけあってブルジョアジーの匂いぷんぷんですが、そんな境遇でも若いときは悩むときは悩むわけで、鼻持ちならない部分もある主人公に肩入れして行きます。
    2巻へ続く

  • 私自身は音校には行けなかったが、同じ教室にはバイオリン、チェロのクラスもあって、一緒に演奏する機会もあった。懐かしくかぶる部分もあって楽しく読めた。2が楽しみ♪

  • 3部作。読了。とにかく素晴らしい!今年の年間5位には間違いなく入るであろう。
    チェロを志す少年・津島サトルの高校3年間を綴ったもの。大人になったサトルが過去を回想する、という語り口というのも面白く。また物語のその先を暗示させる言葉のチョイスも旨い。先が気になってたまらなくなる。
    サトル、伊藤、南、鮎川、北島先生、佐伯先生、金窪先生、そして祖父。彼を取り巻くキャラクターたちが魅力的。ものすごく個性的でぶっとんだ人はいない。だけど、サトル目線で丁寧に描くことで、実にリアルで、サブキャラ一人一人にも思い入れを感じてしまうほど。
    演奏シーンもリアルで、仲間たちと一緒に自分まで演奏している気分になる。(ピアノとバイオリンの経験はあるが、まともに弾けやしないけど。)南と距離が縮まるきっかけになったおじいさまの家でのコンサートのシーンも良かったし、伊藤が屋上にサトルを呼び出し秘密のコンサートをして想いを伝えるシーン、鮎川と友情が芽生える過程。好きなシーンは山ほどある。
    金窪先生の存在も良い。音楽青春小説なんだけど、金窪先生の授業を通して、哲学を自分も学んでいるかのような気分になる。自分のしていることは誰が見ていなくても、自分が見ている。
    将来のサトルはどんな仕事をしているのかの記述がない。だけど、チェロをまた始めることになったことはうれしかった。
    自分も、趣味でピアノを始めた。ものすごく楽しい。だけど、それはあくまで、もう自分のやりたい仕事にしっかりつけて、趣味としてやっているから楽しいんだろう。狭き門の音楽の世界は厳しい。だから、サトルの決断は、気持ちが変われば良いのにと祈ったほど悲しかったけど、サトルの気持ちも分かる。
    サトルの身になって様々な気持ちになってしまった。
    また、スピンオフでも良いから、彼らのサイドストーリーが見たいな。

  • 2018.3.9読了
    ☆4.5
    よくある青春小説かと思いきや、爽やかさの中にも影があり、いい意味で裏切られた。
    1巻のラストが甘酸っぱい感じで終わり、爽やかな気分で読み終えた。
    これから主人公の人生が思わぬ方向へ向かっていくことをほのめかしており、今後の展開が気になる。
    「船に乗れ」というタイトルの由来も気になるところだ。

  • ああ楽しかった。チェリストのサトルが高校で出会った魅力的な人たち。ピアノトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会、極め付けはホームコンサート。2巻3巻は確か楽しいばっかりじゃないけど、この1巻はキラキラして愛おしい。単純なわたしはいま猛烈に音楽をやりたい。

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著者プロフィール

1963年東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2003年、『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』で三島由紀夫賞候補。10年、『船に乗れ!』三部作で本屋大賞第7位。14年、『世界でいちばん美しい』で第31回織田作之助賞受賞。他の著書に『燃えよ、あんず』『綾峰音楽堂殺人事件』などがある。

「2019年 『花や今宵の』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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