([お]5-2)喋々喃々 (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 2884
感想 : 340
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591124192

作品紹介・あらすじ

ちょうちょうなんなん(喋々喃々)=男女が楽しげに小声で語り合うさま。東京・谷中でアンティークきもの店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れる-少しずつふくらむ恋心や家族との葛藤が、季節の移ろいやおいしいものの描写を交え丁寧に描かれる。

感想・レビュー・書評

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  • 谷中でアンティークの着物ショップを営む栞が、客として訪れる春一郎と次第にひかれあっていく様子を、栞の心の葛藤や、魅力ある近所の人たちとの交流なども交えながら描いたストーリー。

    春一郎からの電話を心待ちにしたり、会えるとふわっと心が暖まったりする栞の様子は、恋愛初期のドキドキ感を思い出させる。
    しかし、春一郎には妻子がいるため、意を決して、もう会わないと伝えた栞。切なく苦しい思いでいた栞に、地元のおじさん、イッセイさんがかけた言葉になんだか救われた気持ちになった。

    "蝶々喃々"とは、男女が楽しげに小声で語り合うさまを指す言葉だそうで、読み終えてみて、タイトルがふに落ちた気がする。

    小川糸さんの作品、やっぱり好きだぁ。
    そして、作品の中に出てくるエリアやお店が魅力的で、そのエリアを歩いてみたくなった。

  • 着物にまつわるあれこれ
    丁寧に作られた美味しいごはん
    季節の行事を大切にする暮らし
    ご近所さんとの昔ながらのお付き合い
    静かで 丁寧で ほっこりした暮らし
    女の人の好きなものを集めた舞台設定は 素敵で憧れる

    栞の家族や元カレとの関係に目を向けると
    嫌いじゃないけど 疎遠になった父親
    心の距離が遠い感じの母親との関係
    仲が良さそうなのに 複雑な関係の妹たち
    切なくツライ別れになったけど 忘れられない昔の恋人
    うーん ほんわかしたストーリーには似つかわしくないほど
    けっこうヘビーな近しいひとたち

    ご近所の方々とはうまく付き合ってるんだけど
    もっと近い人とは なんだかしっくりうまくやれない
    自分の思いを心に秘めて相手に伝えないせいかなぁ
    一歩引いてるから 距離のある人とは それが幸いして
    うまく行くけど もっと近しいひとにとっては
    本音を言わない 何考えてるのかわかんないひと
    踏み込めないひと と感じられるような。

    そんな中で出会った春一郎さん
    わたしはいまいちこの人の良さがわからないんだけど
    この踏み込んでこない この曖昧さが 栞にとっては
    心地いいのかなぁ
    踏み込んだ時に いったんは壊れた関係
    結局は元に戻るんだけど 春一郎さんの指から指輪が消えた?って思ったのは わたしだけなのだろうか?
    だから年越しも一緒にいられたんじゃないの?
    でもな この2人はそういうハッピーエンドじゃなく
    つかず離れずの今のままで行く方が似合うと思うのは
    わたしだけだろうか。

    イッセイさん
    カッコいいなぁ
    こういうひと もういないんだろうなぁ

    小川糸さん
    名前は知ってたけど 初めて読んだ。
    食堂かたつむりが有名だけど なんとなく手を出さないできた
    今回 坂口さんに借りたから 読んだけど じゃなかったら
    きっとまだまだ読んでなかったなぁ
    でも読んでよかった。
    こういう空気感好き。
    食堂かたつむりも読んで見ようと思った。


    それにしても驚いたのは 他の方のプレビュー
    不倫アレルギーここまでとは。
    小説でもダメなの? 厳しいなぁ。
    じゃぁ 殺人なんて もっとダメじゃん 笑


  • あらすじの内容とのギャップを感じた。
    許されない恋なのに、なぜか純愛の話を読んでいるみたいに感じてしまう。
    栞の丁寧な暮らしぶりや、着物を大事に扱ったりする心が、不純に感じさせないのかもしれない。

  • 小川糸作品は、どんなに長くても短くても
    読むのに普通の3倍かかる。
    ゆっくりと丁寧に読まないと勿体ない。
    とくにこの作品はいっぺん一遍
    大事に寝る前に読んで楽しんだ。
    ゆっくり酸素を吸い込むような
    澄んだ時間を楽しめる作品。

  • 不倫ものが大嫌いで、この作者の本を読むのをやめてしまった。着物の説明とか、元カレのエピソードとか、本の装丁とか、好きだけど、ダメだった。

  • 丁寧な暮らしをする主人公が出てくると、教訓めいたことや感心できるとこをつい探そうとしてしまうが、この本はちょっと違う。

    栞から見た最高に美化されたはずの春一郎に、時々”?“と思ってしまうところがあった。
    例えば、家で熱燗出してって控えめにお願いするとか、何日も食べてないのにカレーうどん出してくるとか。そういう細かくて申し訳ないんだけど男の人がやりそうなとこが結構ある。何年かずるずる一緒にいると絶対嫌になると思うよ。

    あとイッセイの助言も、必ずしも的を当てないとこが面白い。教訓じゃなくて、あくまで日常を描いてる。

    栞は本当は強い人だと思う。筆者がほのめかすラストとは違う10年後を思い描いたよ。

  • 最初から最後までずーっと、せつなかった。

    現実と幻想が あや織りになったようなストーリィ。
    ここは、きっと主人公の女性の願望…
    きっと、ここまでがものがたりの現実…
    そう思いながら、読了してしまった。

    文章には書かれていない、
    行間から滲む 寂しさ、
    そして罪悪感。

    吸いこまれるように美容室に入って
    切れるだけ髪を切り
    毎日をわざと忙しく過ごし
    綺麗な夕暮れにあっても
    一緒に見たいと思わないように、する。
    少しずつ、好きな人とのことを
    なかったことにして、
    ぜんぶ、夢だったと自分に思い込ませる…。

    そんな恋は、しない方が幸せかもしれない。
    なのに 自分ではどうすることもできず
    魅かれてしまう、そんな切なさ。

    最後の初春は、彼女の見た夢だと思う…。
    物語の現実はきっと「お別れ」で
    終わっている。

  • 読み終えてしまうともったいない気持ちになる小川糸の本。不倫話も出てきてしまうので人によってはかもしれないけれども、なんでこんなにもまるで目の前に本に出てくる人、建物、風景、食べ物があるかのように表現されるのか。話の中に出てくるお店や町並みをお散歩したい。

  • 主人公が道ならぬ恋をしているのが小川糸さんの著書としては意外な感じだった。
    彼女のエッセイを読み始めて以来、主人公の感じる感覚が著者のものであるのように感じてしまう。「動物園はあまり好きではない」とか。季節や昔ながらの行事を大事にする様とか。小川糸さんっぽい。
    春夏秋冬の谷根千を描いた物語なので、一緒にあの辺りをめぐっている気持ちになれる。話に出てきたご飯屋さんやカフェなど行ってみたくなった。今回も手作りの美味しそうな料理がたくさん出てきた。イッセイさんがとても粋な男の人で好き。

  • なんだか、本を読んでいるときだけ、
    その時々、自分の中にある、まともな自分になれている気がする。


    喋々喃々=男女が楽しげに小声で語り合うさま。

    ちょうど今、家の前に咲く、桜さんたちと、この作品がなんか重なる気がして、
    嬉しい。

    こんなこと書いてしまったら、自分にも起こりそうで怖いけど、
    栞さんと春一郎さんのような二人をみていたら、
    この二人を「浮気」って言葉を乗せたくないけど、
    浮気をどうしようもないものにしてしまいそう。
    だって、お互いがお互い、
    あなたといると、生まれて来てよかった。と思える人。
    って言われたら、もうどうしようもないわ。

    栞さんが着物のアンティーク屋をしてるから、
    いろんな着物が出て来たり、それにおいしそうな食べ物!
    特に和菓子が出て来た。
    これから、可愛い包みの和菓子とか、
    和菓子に限らず、かわいいカンカンに入ったお菓子とか集めたくなりました。
    だから、もしこの小説が映像がするなら、
    すっごく見てみたいと思った。
    きっと、隅から隅まで、こだわりでいっぱいになると思うから、すごく楽しそう。
    それに、出て来た場所にも行ってみたいな。
    あの、お月見のとこ、気になる。

    栞さんの世界観、憧れるな。
    お友達になりたいですね。

    ふとした瞬間に、自分は一人。孤独。ってことに感じる瞬間。
    すっごくあーって感じた。
    私から見たら、うそー、よーく考えたら全然一人じゃないでしょー
    って思うけど、でも、孤独を感じさせる不安が出てくるのよね。
    でも、これから何が待ってるかわからない、不安を感じるよりも、
    まだ出逢えてないひとと、これから出逢うときがくるって思ったら、
    すっごいこれからが楽しみになるよ。本当に。人に限らず。
    それに、今、出逢えてるひとたちとは、
    これから、またどんどん思い出が増えていくのかなーって思ったら、
    すっごいありがたくなるし、これからもずっと、
    あーやって、みんな一緒に笑って生きたいと思うよ。本当に。
    みんなが笑うと、嬉しくって、しあわせ。
    でも、だからって、暗い話は嫌ってことは、ないよ。
    YUKIの「うれしくって抱き合うよ」てあるけど、まさにそう。

    ももちゃんが、おいしいもの食べて、「しあわせー」って言ってた。
    私も、こんなふうに、「しあわせー」を言葉に発しなきゃ。発したい。

    一年ってあっという間。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2021年 『グリーンピースの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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