- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124512
作品紹介・あらすじ
ときは文政。大塩平八郎、蜂起前-。若き大坂城代、教孝に拾われ、両親の仇討ちを悲願に城付きの"影"となった少女あや。ある医者殺しの黒幕を追ううちに十年前父母を罠に陥れた陰謀とこの殺人事件とを結ぶ、奇妙な接点に気がついて…。富に群がる役人や商人達、鬼面の男率いる謎の集団を相手に、運命に翻弄されながらも力強く自らの役目を果たしていく密偵あやの活躍を描いた、傑作時代ミステリ。
感想・レビュー・書評
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主人公他魅力的なキャラが出てくるのですが、生かしきれてない印象。何となく全体が硬いかなという感じ。
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文政の大阪。
大塩平八郎の部下 芹沢藤九郎は由比政十郎にはめられ切腹してしまう。
死んだと思われていた藤九郎の娘 芹沢あやは、大阪城代 大久保教孝の影となっていた。
そんな時、城の堀に死体が浮かび、回収しようとする鬼面の一団が現れる。
あやは一団の長の面を割りを退散させる。
鬼面の長は女と見間違う美貌の青年だった。
堀に上がった死体を調べる あやだが、事件はやがて10年前に父が調べていた事件とつながっていく。
築山桂さんのデビュー作。
当然のように「緒方洪庵 浪華の事件帳」 シリーズの在天別流も出てくる。
弓月王メインの話なのかと思ったら、赤穂屋や左近殿も登場。
小説のイメージでは弓月王は、TVドラマ浪花の華みたいに完成されてはいない人物と作者語っていたけど、ここで出てくる弓月王のイメージだったんだと思う。 -
築山作品の女の子主人公は本当に健気で、ついつい応援したくなってしまう。大坂に生きる人々と影ながら町を見守る闇の一族“在天別流”、些細な事件がやがて思いもよらぬ規模に発展していくストーリー展開――。デビュー作にして既に、築山桂の作風が確立されています。クールなイメージが付き纏う弓月王もやはり人の子といった感じで、他シリーズではお目に掛かれない人の好い部分が垣間見られて満足です。作中で触れられている“3年前のキリシタン事件”に心当たりがあったので確かめてみたら、思ったとおり『遠き祈り』のエピソードでした。