([な]6-1)嘘と少年 (ポプラ文庫 な 6-1)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591125465

感想・レビュー・書評

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  • 文体とか状況の表現の仕方とかなんか鼻につく書き方だったけど物語としては楽しめた。
    ただ終わりかたもそうだけど自分の家族や兄貴をそんなに悪者にする必要あったのかな?
    最終的にはあまりにも皆んな報われなさすぎたんじゃないかな?
    もう少しハッピーエンドでもよかったんじゃないかと思った。

  • おじさん2人が語り合う少年時代の冒険譚…と言うにはあまりにも悲しい思い出の話。

    様々な場面に違和感が散りばめられていて、ある程度展開を予想してしまう。
    けれど、その違和感の正体が明らかになったときに感じたのは「なんだ予想通りかよ面白くないな」という落胆ではない。
    「ああ、やっぱりそうだったんだ…つらいね…」という悲しみ。

    うまく言えないけど、どんでん返しの爽快感を味わうのではなく悲しみに寄り添うためのお話だと思う。

  • これまで読んだ永瀬隼介とは別の一面を見た。
    ラスト章の展開はすごい。

  • 病室で二人の中年男が小学校6年時の話をしている。

  • ある二人の昔話がメインとなった物語。かつて少年だった二人とその友人が、行方不明の少女に会いに山を登る。途中、少しずつ得られた違和感に気になりながらも読み進めていたが、終盤になってその違和感がすべて噛み合い、できれば当たっていてほしくない予想が正解となってしまった。嬉しくはない結果に終わるが、そこまで読者の想像力を引っ張っていく書き方が非常におもしろい作品だった。

  • 「ある目的のために森へ入っていく少年」という帯の言葉にひかれて手にとった。少年の、冒険譚なのかと思ったのだ。
    しかしそれは冒頭の部分で違うとわかった。最初から違和感のある描写だった。「わたし」のあり方がなんとなくおかしいのだ。
    読み進むと、森へ行ったのは子供の頃の話だったとわかる。

    この、少年時代の回想部分はある意味とても懐かしかった。おそらく時代背景が私の子ども時代と同じであるだろうということがわかったからだ。
    そして、山へ入っていった後の描写には圧倒された。ここだけサバイバル小説のような趣がある。
    山で育った少年と街から来た少年の差。そこに生まれる密かな劣等感。
    しかし、3人ともそれぞれ固有の劣等感を持っているということがわかってくる。子どもは哀しい。親の事情に左右されざるをえない状況にある子どもはみな哀れだ。
    違和感は読み進めるうちに大きくなる。チュウの異様さはなんだろう。いろいろと暗示するような言葉が散りばめられているので、なんとなく見当がついてしまうのだが。
    220ページでほのめかされる事実を、最初私は読み過ごしてしまった。他の人のレビューを読んで慌てて読み直し、ようやく得心がいった。そういうことだったのかと。
    和也のある行動からラストは予想できていた。まあそうだよな、と思う。
    いつか、和也とも再会できるのだろうか。理屈から言ったらそうなるはずなんだけど。この手のストーリーではなぜか、会える人と会えない人に分かれるのだが、どういう基準なんだろうな、とちょっと疑問。野暮な疑問ではあるが。
    なんとなく座りの悪い物語なので、いろいろ考えてしまう。
    山での冒険がやけにいきいきと描写されているので、チグハグな感じになってしまっているせいかもしれない。

  • 死を前にした友人と、少年の日の冒険を懐かしんでいく、昔は良かった的な話ではないことがうっすら最初から示されている。
    暗さ、悲しさだけではない空気がどこから漂っているのかはラストで明かされる。
    あまり明るくない話だが、真のラストのみ少し救い。

  • ふと手に取った本です。

    読んでる途中、何だか不思議な感じがして
    そわそわしながら読んでいました。

    成程。そう言う事か。

    悲しい事実があるのだけれど、何故だか私の中には
    キレイな印象が残っています。

  • 面白かったけど、ラストが何となくなあ。
    病院での回想とラスト、一緒の作品じゃなくてひとつの単品としてありそう。
    ありそうというか、片方がなく一つの作品として読んでもあぁ、となりそう。
    回想のところは読むのが止まらなかった。

  • 題名の「嘘」はそぐわない気がした。
    前置き(冒険シーン)が長すぎたわりに、ラストへのもって行き方がもう少し何とか出来たのではと思った。
    登場人物すべてに救いがなく読み終わって落ち込んでしまった。トホホ

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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