ノーマジーン

著者 :
  • ポプラ社
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  • レビュー :55
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591126141

作品紹介・あらすじ

終末論が囁かれる荒廃した世界で孤独な女性のもとに現れたのは、言葉を話す不思議な赤毛のサルだった-ひとつ屋根の下、奇妙で幸せな一人と一匹の"ふたり暮らし"がはじまる。壊れかけた世界で見える、本当に大切なものとは-不条理で切ない絆を描き出す寓話ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 本を閉じて泣いた

    『いかないで』のあとに
    『世界が終わるまで一緒にいよう』
    とシズカの心の声が聞こえた気がした

    世界が終わるなら?

    僕は好きな人と一緒にいたいな

    一人より二人がいい

    世界が終わる記念をしたい

    ちょっとだけいつもより豪華なご飯を食べて

    お酒も飲んで

    こんなことがあったねって笑って

    少し泣いて

    そして早めに寝て

    世界が終わるなら好きな人とそうやって過ごしたい

    シズカとノーマジーンもそうやって過ごすんじゃないかな?


    子守歌のような
    眠る前に読む童話のような
    静かで暖かいお話だった
    後半は苦しい話しだったけど
    キラキラしてた
    罪を背負ってジャンプするノーマジーンは思い描いただけで綺麗だった


    初野晴いいな~
    朝井リョウと初野晴はいいな~

    好きだ~

    もっと初野晴メジャーにならないかな?

  • 終末感の漂う世界で、たった一人、車椅子で生活するシズカ。
    介護ロボットが届くはずだった家にやってきたのは人の言葉を話す一匹の赤毛の猿ノーマジーンだった。
    当人が死んだ後に評価された桐島の鞄を修復する仕事でなんとか暮らしていたシズカの生活を静かにそして確実に揺らしていくノーマジーン。
    「シズカの背中を押すためにぼくはきたんだ」

    一人で籠もった生活をしていたシズカと純真無垢な赤毛の猿ノーマジーンのやり取りが微笑ましく、そして苦しい。
    ノーマジーンとの暮らしで、少しずつ変わっていくシズカ。
    ノーマジーンが抱える謎を知ることになるのはクリスマスの夜……

    「退出ゲーム」「初恋ソムリエ」の“ハルチカ”シリーズで知った初野晴さんの作品。こんな物語を書くんだと感激してしまい、一気に読み終えました。
    "寓話ミステリー"と帯には記されていますが、ミステリというよりはSFという感じ。
    第2部の唐突な視点は賛否あるようで、ウチもあまり好きじゃないけど、物語の閉じ方はかなり好き。

  • ミステリーではないかも知れない。だけど初野さんの作品らしい作品だと感じた。

    荒廃した世界に、知能のある赤毛のサル。ファンタジーのような設定だけれど、そのまま「ファンタジーだから」と否定してはいけない怖さがある。その世界は私たちのいまいる世界の延長線上にあるからだ。

    静とノーマジーンの暮らしは、慎ましいけれど暖かい。だからこそ第三者からの説明で明かされる事実が苦しかった。

    『水の時計』『漆黒の王子』で味わい、ハルチカシリーズではあまりなかった、打ちのめされるような感覚が戻ってきた一冊だと思う。

  • 面白かった!!
    もっとこの人の読みたい
    とても切なくて
    かわいくて
    いじらしい

  • 終末論が囁かれる近未来が舞台。革製品の修理をするシズカの元に、猿のノーマジーンがやってきて、二人の奇妙な共同生活が始まる。

    ノーマジーンの正体を謎にしつつ二人の交流が描かれるが、どうももやもやが残る。
    問いを読者に投げているのかもしれないけれど、何かが欠けて物語に入り込めなかった。

  • ミステリーというかファンタジー。最初は独特の世界観に入り込めなかったけど、読んでるうちに段々馴染んできた。少しずつ、静の境遇やノーマジーンの謎が解けていき、ノーマジーンが無邪気に遊んでいたあのリンゴの樹があんなことに利用されてるなんて…。内容は装丁のファンタジックな感じとはちょっと違うかも。2012/187

  • すこし未来の、荒廃した世界でのお話。

    車椅子で生活をする鞄職人のシズカ。天涯孤独で、その生い立ちゆえに誰と交流することもなく、ネットなどの回線を切り、一人静かに暮らしている。
    身の回りの手助けをするロボットを注文した筈が、彼女のもとにやってきたのは しゃべる赤毛の猿・ノーマジーン。

    決して豊かではないシズカの暮らし。一日一杯のミルクを分け合い、リンゴの収穫を待ちわびる。最後の小麦粉でパンを焼き、ジャムを作る。

    孤独だった毎日が、小さな幸せに変わった時、偶然にも
    ノーマジーンの秘密が明かされる。

    滅び行く世界。孤独な毎日。世界からはみだした 一人と1匹の 悲しく優しい物語。

  • 終末論が囁かれる世界で生きる車椅子のシズカと赤毛のサル、ノーマジーン。ふたりのドタバタの生活と過去と謎があたたかい空気に包まれて描かれています。
    前半の分量の割には後半(ネタバレ以降)があっさりしすぎていて、唐突に終わってしまった印象。ちょっと物足りない。
    全体的に静かな物悲しい雰囲気ではあるけれど、シズカとノーマジーンのやりとり(というかノーマジーンに対するいじめ?)は面白い。寓話的ではあるんだけど、テーマは間違いなく社会派といわれるもの。あまり細かいところまで世界観が描かれていないためふわふわしているけれど、この作品に限っては逆にそれが良いのかも。

    何よりノーマジーンがかわいすぎる(笑)安心して読める優しい物語です。

  • 残酷で、希望もない近未来。
    それでも、人は生きていかないとならないの?

  • 「小さな同居人は、わたしに生きる楽しさと生きる苦労を一緒に運んできた」…終末思想のはびこる荒んだ世界のなかで、ひっそりと暮らす鞄職人と喋るサルの、悲しくも温かな物語。
    迫害と貧しさの中にあっても、豊かな好奇心と工夫で精一杯日々の楽しみを満喫する姿に心なごまされた。
    寓話ミステリーの言葉通り、最後で明かされる真相が残酷な因縁を突きつけ心掻き乱す。
    小さな子に対して抱く もどかしさ・苛立ち・優しさ・励まし・喜び が、ノーマジーンという“人でない存在”に集約されていた。
    心地良いものの裏に隠された罪もまた。

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