([い]4-2)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
4.03
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本棚登録 : 1988
レビュー : 317
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591126653

感想・レビュー・書評

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  • (2018/5/23読了)
    ずっと前の、王様のブランチで泣ける本として紹介されて、チェックしていた本。
    プロローグ、第1章から第7章まで、エピローグで構成されている書き下ろし。目次は何故かない。
    妻を失った年老いた夫と、その娘の話がメインだけど、主人公は、すでに亡くなっている妻であり娘にとっては継母の乙美。生前は我が身の不幸を口にすることもなく、皆の幸せへのお手伝いをし、死んでもなお皆を幸せに導いていく。聖人君子のような人。
    悪者をとことん悪く落として最後に改心させてるところや、ファンタジーを念押しする部分(ハルミと呼んでとか、井本に最後に良平さんと呼ばせたり)があったことに、出来過ぎ感が否めない。文章の終わり方が曖昧だったり、切られていたりで、リズムが合わず、スムーズに読めなかったのも残念。星はおまけして4つ。

    (内容)
    妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。

    • shaadiさん
      以前、NHKでドラマ化されていて見ていたのですが、まだ原作を読んでいないので読みたいです!
      以前、NHKでドラマ化されていて見ていたのですが、まだ原作を読んでいないので読みたいです!
      2018/05/25
  • 読まず嫌いだった本、小泉今日子の書評集を読んで気が変わり、やっと読みました。
    跳び箱の踏み切り板、虹、イモさん、悲観に暮れる主人公2人を暖かく包む空気が心地よい。物語の最初はいろんなことが起こりすぎて、大人の世界に嫌気がさすときもあるけど…死んでいくことはずっと生き続けることでもあるのかな。

  • 自分たちの家族になる前の人生が空白だと思っていた乙美の人生や関わっていた人たちの話を知るにつれて、自分たちには見えていなかった乙美の人柄と残してくれたもの(レシピ)の本来の意味をかみしめていくお話。
    乙美の友達だった聡美の言葉「世の中は無数の匿名のテイクオフボードで成り立っている」が印象的。跳び箱の前に置く踏切板のように踏んで飛んだら忘れられていく。でも、みんなが誰かの踏切板になって、次世代へ誰かを飛ばしていく。お互い様。

    私はきっと子供たちにとってはテイクオフボードになっていると思っている。飛ばしてあげたことを忘れられてしまうのは寂しいけど生きて世の中に何かを残していることに違いはないなと、他人に対してもそう思える、そういう美しい考え方も素敵だと感じた。

  • なんとなしに読み始めたものの途中からは引き込まれるかのように一気に読みました。
    河を境にあの世とこの世が近付き時に交差もしていて何だか不思議。
    私もコロッケパン、豚まん食べたいな。

  • 何気なく選んだ本なのですが、読後感が素晴らしかった。じわっと胸の奥が熱くなって、ハラッと涙が落ちてきそうになりました。
    父の後妻・乙美母さんを亡くした百合子。
    子供のできない百合子は夫にふりんされ、よそに子供をつくられて、実家に帰ってくる。
    父の了以もまた、妻の乙美を亡くし気力を失ってしまっていた。そこにやってきたのは、ガングロ金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、荒れた家をきれいにし、料理を作り始める。
    乙美は自分の四十九日の法要を、パーティーのように明るくしてほしいこと、そして生活の知恵の数々を書き残し、井本に預けていた。
    最初は戸惑う百合子・良平親子だったが、奇抜な見た目とは裏腹に面倒見がよく明るい井本や、彼女の友達の外国人男性・ハルミと関わるうちに、次第に心の傷を癒し、乙美の最後の願いをかなえようと思いはじめる。

    百合子の夫や不倫相手のシーンは読んでいて胸に詰まった。
    結局不倫相手の子は夫の子ではなく、元サヤに収まるんだけど、私としては分かれても良かったような気もしなくもない。

    それから「テイクオフ・ボード」という言葉を初めて知った。
    テイクオフ・ボードとはロイター版のことで、踏み切って飛び越えたら後は忘れてしまっていいもののこと。児童養護施設やシェルターなどのセュリティネットはその典型で、ひとたびそこから出て自立したら、お世話になった人のことも忘れて構わない。嫌なことは全部忘れて自由に生きるための施設であるということ。
    そういう施設でお世話をする側の人は、世話した人に忘れられることも承知のうえで働いている。感謝されることもなく、見返りも何もないけど、それが助けになる。
    乙美はこういう施設の出身で、井本もそうだった。

    ラスト。四十九日の法要はうまく行く。しかし法要の前に、親しくなったハルミは親子の前から去り、最後は井本も去る。
    二人がいなくても、乙美のレシピを引き継いだ親子はしっかり自分の道を歩けるようになっていた。

  • 過去、現在、未来。
    サヨナラは、それを大きく意識する瞬間。
    前向きで、ほっこりするサヨウナラは
    取り戻せない過去を受け入れ、不安定な現在に根を張り、見えない未来への1歩を踏み出すきっかけになる。

    悲しく、切ない、でも最後も涙。

    「四九日のレシピ」はそんな気持ちにさせてくれました。

  • 乙美さんが、初めて熱田さんに会いに来るシーンがとても切なく、純粋で素直で、じわじわっと来た。
    人を思い、明るくまっすぐに生きた乙美さんの生き方がとても素敵。その周りの家族や生徒にも優しさや思いやりと暖かな心が伝染してる。

    素直に生きたい。

  • 読み終わったらなんとなく、掃除とかしっかりやりたくなってしまう。その上、
    カツサンド、食べたくなります。

  • 継母の乙美が亡くなり、生きる気力をなくした父・良平と、浮気をしていた夫を持つ娘の百合子。そんな時、ガングロに金髪の女の子・イモが家に現れる。イモは乙美が教えていた絵手紙教室の生徒で、自分亡き後は四十九日の大宴会と、それまでの作業を依頼されてきたのだと言う。
    最初は乗り気じゃなかった良平と百合子だが、乙美の残していったレシピに沿って家を片付けていくうちに、段々と生きる気力を取り戻していくのだが・・・・

    乙美の包容力の大きさ、亡くなった後も慕われている人柄の良さ、そして明るさ。こんなお母さんがいるんだなと心を打たれました。乙美への想いをみんなが新たにすることで一致団結する様も読んでいて心晴れるものがありました。

    家族を包むあたたかな奇跡、涙が溢れる感動のお話です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「亡くなった後も慕われている人柄の良さ」
      を私も残したい。。。
      「亡くなった後も慕われている人柄の良さ」
      を私も残したい。。。
      2013/01/09
  • 最初から最後まで、涙を浮かべながら読んだ。義理の娘の百合子と最後まで理解し合えずに逝ってしまった乙美。その乙美が果たして幸せだったのか計りかねている良平。百合子の旦那の不倫、乙美の教え子、井本。

    乙美は、きっと幸せであったに違いない。今でも良平と百合子の幸せを願っているに違いない。だからこそ、四十九日のレシピ…

    読む程に過去の自分と今の自分を比べてしまい、涙が…

    幸せなのだろうか…

    うまく言葉に出来ない…

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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