(P[む]1-5)海馬亭通信 (ポプラ文庫ピュアフル む 1-5)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591127230

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計20万部突破!
『コンビニたそがれ堂』の著者による幻の名作が、
いま待望の文庫化。

行方知れずの父親をさがして人間の街に下りてきたやまんばの娘・由布。
自称ワルの小学生・千鶴を助けたことがきっかけで、
彼女の祖母が営む下宿「海馬亭」にやっかいになることに――
海からの風が吹きわたる風早の街。
古い洋館「海馬亭」で繰り広げられる、由布と愉快な住人たちとの心温まる交流譚。
文庫版には書き下ろし中編を特別収録。
『コンビニたそがれ堂』著者の初期傑作が、新たな物語として生まれ変わりました!

感想・レビュー・書評

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  • 風早の街の、もうひとつの物語。

    まず、読み始めると
    すーっと胸の中に入ってくる世界。
    私は、風早の街が、長崎と重なって見えてくるのです。
    一度しか、行ったことないけれど。
    (しかも、高校の修学旅行だった)

    海馬亭の集う人たちの
    バラバラな思いが
    由布の出現によって
    本当の、自分の気持ちに気付き始めて、
    ひとつになっていく。

    みんな
    いろいろな人生を背負って生きている。
    泣いたり、笑ったり、怒ったり、妬んだり…。
    それが人間なんだって、思える。

    「最後の手紙」を読み終えると
    涙が出そうになる。
    みんな、旅立って行くんだな…て。

    「十七年後~眠れる街のオルゴール(前編)」は
    これからの希望。
    後編が待ち遠しいです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それが人間なんだって、思える。」
      やっぱり良い話みたいだなぁ、、、
      村山早紀 の作品は「コンビニたそがれ堂」1~3しか読んでなくて、最近出...
      「それが人間なんだって、思える。」
      やっぱり良い話みたいだなぁ、、、
      村山早紀 の作品は「コンビニたそがれ堂」1~3しか読んでなくて、最近出た「4空の童話」を読んだら、その次ぎはこの「海馬亭通信」にしようかと思っています、、、
      片山若子のイラストが幻想的で素敵。。。
      2013/02/05
    • 奈央(@azuminyan)さん
      nyancomaruさん
      「コンビニたそがれ堂」も好きな物語です。「空の童話」も読みました♪
      「海馬亭通信」は、元は児童書でした。文庫本とし...
      nyancomaruさん
      「コンビニたそがれ堂」も好きな物語です。「空の童話」も読みました♪
      「海馬亭通信」は、元は児童書でした。文庫本として新たな息吹を始めたような気がします。
      片山若子さんのイラストが、素敵ですよね。
      2013/02/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文庫本として新たな息吹を」
      そうなんですね、読むのが愉しみです。。。
      「文庫本として新たな息吹を」
      そうなんですね、読むのが愉しみです。。。
      2013/03/19
  • 妙音岳で暮らすやまんば(実は、妖精のように美しい女性)の娘、由布は、ある日街に出かけたまま帰らない父を探しに、こっそりと山を下ります。

    風早の街で途方に暮れる由布は、偶然知り合った千鶴に連れられ、元ホテルの海馬亭で下宿をする事に。

    この海馬亭が、とても素敵な建物で、そこで暮らす人たちも、優しい人たちばかり。
    人間だけではなく、実は、幽霊も住んでいたり・・・。
    そんな中で暮らす由布がまた、とても可愛いのです。


    先に『コンビニたそがれ堂 空の童話』を読んでいたので、その時にはわからなかったのですが・・・。
    その中の最後の話、『花明かりの夜に』のあの人、そういう事だったんですね!!

    そして、『カフェかもめ亭』の、かおるちゃんが住むことになったすてきなアパートって、多分、海馬亭ですよね・・・?

  • 村山さん初期の、優しい、優しい作品。
    父親を探しに町にやってきたやまんばの女の子由布。
    彼女の海馬亭での日常が優しくて温かくて、ほんわりする。

    メインである由布のお話ももちろんだけど、17年後のお話が
    大好き。
    豆太~、泣いてしまうじゃないかぁ。

  • やまんばの娘・由布が行方知れずの父親を捜して、初めて風早の街に出かけていったときの話。素直で心温まる作品。

  • ある年ふらりと買い物に出かけて以来
    帰らなかった父
    母には忘れなさいと言われたけれど
    15になったやまんばの娘は
    一大決心をして父を探しに山をおりる

    生まれて初めての人間の街は
    心地よい潮風の吹き渡りそして
    温かな人たちの住む街でした





    なんて素敵なお話!
    児童文学こうあれかし!

    久々に西洋ファンタジー以外の純・児童文学を読んで心洗われた感じ
    やはり自分は児童文学が好きなんだな…と再認識

    とにかく主人公のやまんばの女の子の「感じ方」がとても良かった
    優しくて、暖かくて
    時に人間とは違った割り切り方が神っぽくあっさりしていて
    けれど冷酷なわけではなくて……

    くすりとしたり、うっすら涙を浮かべたり
    ころころと気持ちが動かされる良い作品だった

    続き即買いで!

  • みんながみんな心優しくて、ホッと安心できる。一見、のほほんとした雰囲気なのもまた好い。

  • 「ごめんねのくまさん」
    勘違いされたまま。
    本当のことを話しても信じてもらえないだろうが、それならば真実に近いシナリオを作っておくべきだったろう。

    「とりあえず記念写真」
    ひねくれ者を探し。
    自ら選択したのであれば納得し頑張ろうと思うだろうが、勝手に決められ一人になったら帰りたいと願うだろう。

    「虹色タイルと宇宙船」
    諦めようとした夢。
    時間をかけて作り上げてきた世界が完成する目前に、全てを失ってしまったら誰だって自暴自棄になるだろうな。

    「大みそかはこたつみかん」
    街中が死に向かい。
    長く生きることが出来ないと分かっていたのであれば、早い段階から準備をすることは不可能だったのだろうか。

    「眠れる街のオルゴール (前編)」
    誰の為に歩くのか。
    色んな病院に行っても答えは同じであるのなら、疑うべきは心に抱えている枷となる想いだと気付くべきだろう。

  • 山の神(やまんば)の娘、由布は、行方知れずの父親を捜して、風早の街へ降りて来た。 たまたま出会った小学生、千鶴に導かれ、元はホテルだったという「海馬亭」に住むことに。 一癖も二癖もある住人はそれぞれの悩みを抱えつつも、由布を暖かく迎え入れる。 山に残る姉への手紙という形で綴られた4篇のエピソード。

    後半は、それから17年後の出来事。 家族のために頑張りすぎて歩けなくなってしまった少年、景を巡る物語の前編。 医師の千鶴先生の勧めで、今は住む人もない海馬亭で過ごすことになった景は、不思議な人に出会う。

    いつの間にか欲しい本リストに入っていたのだけど、買ったきっかけは表紙絵が片山若子さんなのに気づいたから。 米澤穂信さんの小市民シリーズの表紙で知った、鮮やかで優しいタッチの絵が似合う世界観なら、きっと良いに違いないと。 こんな物語に小学生の頃に出会えたなら、とても幸せなことに違いない。

  • 面白かった!

  • 【あらすじ】
    行方知れずの父親をさがして人間の街に下りてきたやまんばの娘・由布。自称ワルの小学生・千鶴を助けたことがきっかけで、彼女の祖母が営む下宿「海馬亭」にやっかいになることに―海からの風が吹きわたる風早の街。古い洋館「海馬亭」で繰り広げられる、由布と愉快な住人たちとの心温まる交流譚。文庫版には書き下ろし中編を特別収録。『コンビニたそがれ堂』著者の初期傑作が、新たな物語として生まれ変わりました。

    【感想】

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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