生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記

著者 :
  • ポプラ社
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  • レビュー :23
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591129371

作品紹介・あらすじ

巨大IT企業のエリートビジネスマンが、出世に奔走しつつも退社。一億を超える借金を抱え双極性障害(躁うつ病)、自殺未遂、自己破産…。46歳の男がすべてを吐露。混迷の時代に、どん底から這い上がるための希望を与えてくれる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • これは帯買いの一冊です



    まず書店の店頭で気になったのがタイトル

    死にぞこないという言葉は聞いたことがありますが生きぞこないって???



    帯の背表紙側に書かれていた本文の抜粋です

    「きれいな歯をしてますね」。僕は人からよく、そんなふうに言われる。でも、言ってしまおう。僕の歯はほとんど総入れ歯。

    2009年9月12日、僕は睡眠薬を飲んで首つり自殺を図った。最後にメールを送った知人の機転ですぐに発見され、意識不明のまま病院に搬送された。

    そのとき、僕の口は堅く閉じられていて、胃洗浄のチューブを通すためには歯を粉々に砕くしかなかったのだ。

    こうして生きぞこなった挙げ句、市にぞこなった。

    いったい、僕はどこで間違ってしまったんだろう?







    そして、帯の表表紙側の一文

    あぁ、これが地獄というものか・・・!




    巨大IT企業の

    エリートビジネスマンが、

    出世に奔走しつつも退社。

    一億を超える借金を抱え

    双極性障害(躁うつ病)、

    自殺未遂、自己破産……。

    46歳の男がすべてを吐露。

    混迷の時代に、どん底から

    這い上がるための希望を

    与えてくれる一冊!




    なんだかこの文章でググッとつかまれちゃったんですよね




    この帯を最初に読んで著者の北嶋氏が生きていることはわかっているのに

    どうしても最後まで読まないと居られない気持ちになったしまいました

    なんだか彼への生存確認のように。。。




    前半は彼の上り調子の生い立ち

    順風満帆ではないとしても、バブル期の時代の供覧に飲み込まれ、

    物欲で心の隙間を埋めるような生活が描かれています




    自分をかっこよく描くわけでもなく、ことさら悪く描くわけでもありませんが、

    正直すぎるほど心の内を吐露しています




    そして挫折

    彼の心の隙間を埋めてくれていたモノ達が、

    負債となって彼の首をじわじわと絞め始めます

    でも一度手に入れたモノ達を手放せず、、、




    多分、彼のような人は規模の大小にかかわらず他にもたくさんいるでしょう

    でも彼の致命傷は世の中の変化に対応できなかった事




    ダーウィンの進化論のようですよね

    変化できるものだけが生き残る… みたいな




    不器用な彼は何人もの女性を泣かせます

    でも何人もの人々の親切に救われます




    そして後半で彼は気づくんです

    独りよがりで虚勢を張って生きてきた自分と、本来の自分とのギャップに




    会社という組織に踊らされて価値観が出世やお金本位になっていた自分から

    学生の頃、本当に心からバンドとして音楽を楽しんでいた自分へ




    ご自身はまだまだリハビリの途中で完全に立ち直った訳ではないでしょうけれど

    そこに気付くために彼は「生かされた」のでしょう




    生きぞこないではなくちゃんと生かされたのだという終わりは、

    とても爽快な気持ちにさせてくれる一冊です

  • 一気読み。凄く面白かった。正に天国から地獄へ絵に書いた様な真っ逆さまの転落人生。超エリートビジネスマンとしての野心漲る姿から最後は一億を超える借金地獄、自殺未遂まで…まるでひとつの人生をジェットコースターで駆け抜けたような読感だった。
    未だに現況は自己破産申請中の身であるけれど、ラストで著者の心が180度入れ替わって感謝や希望に満ちているところが救われる。
    素人が書いたとは思えないくらい文章に無駄がなくてとても読みやすいし、自虐的でも卑屈でもなく淡々と素直に書かれていて好感が持てるし、恐らく本人かと思われる挿入写真もいい感じで、心から応援したくなった。本当はもっと闘病に焦点を当てた物を読みたかったのだが、現在進行形の自伝というちょっと新しいタイプの、しかも勢いのあるこんな本が読めてよかった。

  • ●内容
    ・外資系IT企業で入社初年度から1000万を稼ぎ、やがて700人の部下を抱えたエリートビジネスマンの転落記。
    ・直接の転落の原因はクルマやマンション、時計などの浪費だが、背景にストレス、躁うつ病。
    ・前半の仕事、会社における「戦略」の描写がかなり有用。

    ●コメント
    ○新卒で入った最初の会社での「戦略」。バリューを出すために、徹底して「上司の役に立つ」ことを追及。

    (引用)
    ・彼(部長)のスケジュールをすべて把握し、行動パターンを理解するように努めた。彼が席を外すと、デスクの後ろに回って、パソコンの画面をチラ見したり、机に貼ってあるメモをチェックしたりした。
     次の上層部との会議で彼が提案しようとしていること、または問題として抱えていることなどを知ろうとしたのだ。それがわかれば、必要な資料を作って渡すことができる。
     彼の仕事の援護射撃が、ぼくの「戦略」だった。


    ○出世について。対下、横の戦略。認められること。

    (引用)
    ・出世するためには、上司にだけかわいがられればいいわけではない。部下からも同僚からも、「応援したい」と思われる人間でなければ、上司も出世はさせない。上司は自分の目より、その人間の周囲の評判のほうを信じるものだ。
     そう考えていたぼくは、部下や横のつながりを大切にした。
     部下がミスをしても責めない。部下のミスは僕のミス。上司からは徹底的に守った。上と戦い、守る姿勢を見せると、部下は「この人についていけば大丈夫」と思ってくれる。
     同僚には「ごめん、力になって」と親近感をアピールした。

    (サザンのドラムさんのコメント)
    ・ドラムが上手いヤツはいくらでもいるけどさ、どんなに上手くても仕事に呼ばれなければ食っていけない・「オレが一番だ!」って威張ったって、呼ばれなければ一番じゃないんだよ。実力的にどんなに上手くたってね。呼ばれないってことは、周りに「認められてない」ってことなんだから。
     本当に上手いのは、「ここはアイツのドラムだよね」って思ってもらえるヤツ。そうやって呼んでもらった場で、期待以上の音を出せるヤツだよね。

  • 自分の視野がいかに狭いか、思い知らされる。新聞で不況だ、自殺者が急増している、とマクロ的に言われても、想像力の乏しい私には実感がわかない。けれど、ある特定の個人のエピソードをきくとその深刻さがどれほどのものなのか、理解できる。日本の製造業が不況に喘いでいること、リストラしてるっていうけど、具体的にどういうことが起こっているのか、イメージすることができた。不景気って個人をこんな風に攻撃するんだ、と。自分と無関係とは決して言えない。

    著者の経験を読んでたくさんの気づきや学びがあった。
    ・自分を常に客観視し、労働市場においてどれくらいの実力があるのか、よく理解しておくべきである。過信はもちろん良くないが、過少評価も良くない。
    ・時にはひとりになって、自分を客観視したり、悩みととことん向き合うことが必要だ。
    ・現実問題として「健康」と「経済力」は生活の基盤となるため、最低限の危機意識、常識的な管理能力が必要である。逆に、「健康」でわずかでも「経済力」があれば、やり直すきっかけを見つけられる可能性も高まる。
    ・彼氏彼女がいないと生きられない、という状態は人生に彩りを与えるが、一方でリスクも高い。基本は「ひとり」、精神的にも経済的にも独立し自立した大人同士が共に人生を歩むのが理想。

  • この本のネタバレになるけど、主題はとてもシンプルでよくある「人と人とのつながり」

    なのに、ズシンときます。読み終えた時、涙が止まりませんでした。

    かと言って、説教臭かったり、重い読み物ではないの。前半はバブルのエリートサラリーマンの半生記。へえー、ほぉ、ほほう、えーっ、それって自慢?って感じで読み進む。そして、転落の日々。

    そしてラスト。ページ数は多くないのに、濃い。一言一言がストンと胸にはまる。沁み入る。


    社会で働くあなたに、これから社会に出る人に、そして、なにかに迷う人にオススメです。


    カバーやそれぞれの章の写真にストーリーがある装丁にも注目。

  • 一気に読んでしまうほど、この方の人生に引き込まれてしまった。こういった人生があるのかと…
    自業自得と言ってしまえば、それまでですが、その時の本人でしか分からない心情・環境などが影響し、正しい判断をしていると本人は考えていたはず。
    精神的な問題を抱えた人なら分かると思いますが、自分だったら…どのような選択をし、どういう判断をしたのだろうか。

  • サラリーマン人生体験記としてはそこそこおもしろい。が、読んでいる間ずっと感じるこの違和感は何?としばらく考えて気付いた。著者のことがどうしても最後まで好きになれなかったからだ。これだけ大変な経験をした後でも、結局本質的な部分で彼はほとんど何も変わっていないし、自己顕示欲とナルシシズムの井戸の中から抜け出せていないように思えてならない。

  • バブル期を日本IBMで勤務していた著者の自伝。誇張・フィクションかと思われるようなジェットコースター人生。批判的に読めるが、我が身に照らしても、そんなことは言えないところもあり、自省させられる。仕事・報酬・地位を追い求め、その虚しさを知り、ただ生きること目的とするところは重なる。

  • エリートビジネスマンと言っていい、1人の人生の栄光と転落の軌跡を、丸々と目の当たりにできる。何処かでその軌道を修正できなかったものかと思ったが、出来ないが故こんな軌跡を描いてしまうのだろう。
    できうるなら、著者なりの想いが積み重なってきているなら、そんな売れないかもしれないが総括した続編を出版してもらいたい。

  • 早慶、立教に落ちた理由が熱が下がらなかったため。
    新入社員の時に驚いたのは先輩達が顧客の人間関係を図にして議論していたとき。どのルートから根回しするのが良いのか戦略を練る。デジタルとアナログのギャップを分かっている会社がどれくらいいるのだろうか。
    上司は自分の目よりもその人間の周囲の評判のほうを信じるもの。よって、部下や横のつながりを大切にした。

    IN社で5ヶ月首になった。富士通へは4ヶ月かかってやっと転職が決まった。7ヶ月で首になった。なまじ年をとり管理職を経験しているとそういう人間を扱いづらいと見なす企業が多い。時計に40百万円の借金あった。

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