([い]2-3)運命が見える女たち (ポプラ文庫 い 2-3)

著者 :
  • ポプラ社
3.16
  • (1)
  • (6)
  • (9)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 46
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591129739

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 占い師への潜入取材という形ではじまっているが、内容としてはその占いにはまってミイラ取りがミイラになるというお話。

    もっと客観性があれば面白かったのですが、著者が占いによって徐々に人生が壊れていく様がちょっと怖かったです。

    興味深い内容ではあったし面白かったですが、なんとなく後味の悪い本でした。

  • ノンフィクションというからには、全てがノンフィクションなんだろうけれど、客観的事実とか現実に起こった事象に留まらず、著者自身の内面的なものや精神的経験を多く描いているので、ノンフィクションというよりは私小説的なニュアンスを受ける。

    馴染みの編集者に頼まれて、実力があるといわれる霊能力者や占い師たちのところへ赴き、自分が相談者であるとのスタンスで潜入取材をする……という形での導入だが、まずは早々に、実は自分は幼い頃に宗教的体験をしたことがあると明かす。

    読んでいる私自身が、霊感や宗教心とは縁遠いので、この初っぱなでなんとなく懐疑的に。
    私はそういった能力や精神性を持っているわけではないが、他人が持っているというのに関してはあまり疑わない方針をとっている。
    ただ、この本で多くやりとりされている、「相談者(ここでは著者)以外の人物の魂を、占い師が読み取る」というのは、はたから言われただけでは信用しないほうかもしれない。実際に自分が体験したらどう思うかはわからないが。

    で、この本を読み終えた時に、なんとなくがっかりした。ひょっとしたら私は、「なるほど、そういうこともあるかもしれない! 人の能力というのはなんと多様なことよ!」と思いたくてこれを読んだのかもしれない。そしてそれを得られなかったことでがっかりしたように思う。

    というのも、先に書いたように、著者自身の内面によるところが大きすぎるので、読者である私がそこに寄り添いきれないのだ。
    「これが本当にノンフィクションか!」という書店のあおりにのせられて買ってはみたものの、別の意味で「本当にノンフィクションか?」という疑問になっただけだった。

    潜入取材と繰り返し書かれているが、名前を偽って3人の能力者に相談しているだけであり、「取材」的なことはあまりされておらず、いわゆる裏取り的なこともされていないのが気になった。

    著者の相談内容は、自分の周りにいる人たちが自分のことをどう思っているのかを教えて欲しいというもの。自分の周りのことだったら当たっているかどうかすぐわかるからという理由のようだが、ちょっと微妙。いや、他人の気持ちなんて、当たってるかどうかわかんないだろ……。
    「○○さんはあなたから離れていきますよ」と言われれば、「そんなのイヤです!考えられません!」と反発するくせに、「何度占ってもそう出るの」と言われれば、結局何のアクションも起こさずに、その人が離れるその時まで待って、「おっしゃるとおりでした」になる。
    ……解せぬ。

    事の発端になったサワダ氏の身の上をものすごく心配して(能力者たちにもものすごく相談して)、行方知れずになったのを必死に探していたようだけれど、その割に、散らかったデスクの古い書類の中からサワダ氏からのエアメールを見つけるのが、届いてから2年後。運命を感じるより先に、することがあったのでは……。解せぬ。

    部下たちへの頼りなさと、その阿呆さ加減に苛つくあたりだけは共感できた。

    でもそれ以外は、そんな周囲の他人の気持ちなんて、検証しようもないことばかり相談したって「潜入取材」にならないでしょ!っていうツッコミばかりが心の内に芽生える。
    しかも安くはないその相談費(取材費)は、出版社持ち(=サワダ氏持ち)だ。自腹を切らずに自分の人生だけ相談できていいわね……みたいな。
    後に取材費の上限を超えて、自腹に切り替えたようだが、原稿を書き終えた段階で、それの出版の是非について悩み、出版するならどこからと悩み……いやあなた、はからってくれた出版社にまずお伺いを立てるのが筋じゃないの?と、ここでも脳裏でツッコミを入れたくなる。

    占い師たちへの潜入取材と銘打つよりも、もう少し自分を分析して、占い依存症になった人間の告白記にしたほうが真に迫っていたように思う。
    私自身、信じるも信じないもニュートラルでいようとは思っているけれど、この本については、著者の精神状態の不安定さのほうが気になって、それどころじゃなかった。
    そんな不安定な人が、時々思い出したように「取材者として冷静に」と持ち出してきたところで、ソースの確実性は低い。

    幼い頃の宗教的体験も、作品後半のクライマックス(?)における不思議な体験も、作品中盤の霊障(?)的体験も、そのあたりをひっくるめて、やはり告白記にしたほうがよかったのではないかと思えて仕方がない。

    まぁでも、他人の気持ちなんて誰かの霊能に頼って聞き出すんじゃなくて、自分のコミュニケーションで理解しようとするほうがいいよね。それでも100%はわからないんだし、そもそも自分で自分の気持ちが100%わかる人だって少ないし。
    こうやって、別の手段でもって他人の気持ちを知ろうとする人にはあまりいい印象を抱かない。「私のこと、嫌いですか?」って直接聞いてくる人みたいで、なんとなく敬遠したくなる。

  • ノンフィクションとの触れ込みで読み出したが、本当にそうなのか分からなくなった。当たる占いは本当に存在するのか、運命は変えられないのか?

  • おいらも占い師ですが・・・。
    今は電話鑑定も少しお休み中ですが絶賛占い師です!

    と、
    あるきっかけで、
    電話鑑定士(電話で占いをする人)3名とお付き合いする事になった小林けい子は、本名は井形慶子さん作者。

    電話占いにはまっていく様や、
    現実と電話の狭間で悩む主人公の姿はよく見かける様。

    ちょっと「?」って思ったのが5年もつきあいがあったらしい。
    途中までは経費で落としていたらしいけど200万の予算しかない。

    1時間も話せば1万円くらいでしょう?
    うちのところだと1時間12600円。
    200回しかつなげられないはず。
    3名の占い師との交流があって1人70回くらいでしょう?
    実質60回くらい。
    5年の付き合いだから年12回で1ヶ月1回。
    ぜんぜんだね。
    常連さんって3日おきとか2日おきだもんね。
    作中でも、
    ちょいちょい電話してたけど回数的問題に疑問が生じたわ!

    それと3名全てが霊感占い師。
    霊感以外にも占い師っているしなぁ。。。
    占い業界の1部をピックアップした小説ってことです。

    1・どの占い師に関わろうか
    2・予算
    これがクリアできる人は占い師を利用したら人生もっとポジティブに上手く運んで行きますよっと!
    まずは、
    体験してみると良い。

    どんなことも、
    自分で経験する事が大切だと思う。

    実体験を元にした小説でも、それはあなたにとってはリアルじゃないからね。
    リアルを体験しようか!

  • めっちゃ面白かった。スピリチュアルとか占い系女子は好きだと思う

  • 『夜にそびえる不安の塔』改題。

    帯に「霊能力は本当にあるのか!? 衝撃のノンフィクション!」とありますが、ぐーっと話に引き込まれて読んでいって、ふとした瞬間に「そうか、これってノンフィクションなんだっけ…本当に?」と思うような、不思議な本でした。
    「霊能力」の「ノンフィクション」ときくと、なんだか胡散臭そうだったり、妙にオカルトぽかったりするんじゃ?という気にもなりますが、そこはあまり気にならず…もともと著者の趣味で視てもらったわけではなく、「依頼された潜入取材」という客観性があったからかもしれません。あとは、取材相手の3人の占い師が皆、いたずらに不安を煽って占いに嵌らせようとするタイプではなかったことも一因かと。

    それでも、取材時期がちょうど著者の仕事の変化の時期(経営する会社の運営や、執筆の際の編集者との関わりなど)に重なっていたため、予見がぴたりと当たるほどに占いにのめり込んでいく姿も書かれており、これが占いのこわいところなんだろうなーというのも感じられました。

    で、万葉さん、ララさん、魔法使いさん、3人のキャラクターや、彼女たちの予見が気持ちよいほど当たっていくところには、ぐいぐい引き込まれたのですが、もうひとつの軸になっていた「会社経営」に対しての著者の態度が、ちょっと…読むごとにだんだん腹が立ってきてしまい…いや、著者の態度だけでなく、社員もひどすぎる!とムカムカしてたのですが、編集長で経営者としてそれはないんじゃ…と思ったりして、正直その部分に関しては★か★★くらい。(これに関しては、「あー、ノンフィクションだと思うと腹立つー!!」と思ってました…)

    全体としてはおもしろく、先が気になって早々に読み終えました。占いは好きだけど、自分の「感じ」を麻痺させないようにしなくては。

  • 本当に霊能力ってあるの?というノンフィクション。

    読んでいて思ったのは・・・とにかく依存は怖いということ。
    ・・そういう本じゃないのか・・?

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

自ら取材、撮影をもとに書いたイギリスのエッセイの他、住宅論、日英文化論、恋愛など多岐にわたる。 住宅ノンフィクションでは、東京都下にイギリスで見たコテージ風の家を建てた「戸建て願望」(新潮文庫)。 「老朽マンションの奇跡」(新潮文庫)、「よみがえれ!老朽家屋」(ちくま文庫)などがある。

「2018年 『いつか一人になるための家の持ち方 住まい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井形慶子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
沼田 まほかる
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする