鈴の神さま

著者 :
  • ポプラ社
4.11
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本棚登録 : 395
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591130056

作品紹介・あらすじ

あの山のてっぺんに住んでいるのは誰?それはきっと、小さな神さま-。四国ののどかな田園を舞台に、やわらかく紡がれる5つの物語。第4回角川春樹小説賞受賞作家のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • なんというかわいらしさ!

    小さな鈴を守る神さま、安那さまの愛おしさを、いったいどう伝えたらいいのでしょう。
    読み進めながら、幾度エア頬ずり、エアなでなで、エア抱っこをしたことか!

    つねづね、神さまがいるとしたら、きっとそれは自信に満ちて
    人の世を空の上から見下ろし、時に容赦なく天罰を下すような存在なんかじゃない。
    自分が神さまとして崇められていることにも気付かず
    心のままにこの世界を愛し、慈しみながらふわふわとたゆたっていて
    「神よ!」なんて呼びかけられたら困った顔をしそうな存在にちがいない。
    。。。っていうか、そうあってほしい! と思ってきました。

    四国の田舎町の小さなお社で鈴を守り続けている安那さまは、
    まさに私が夢に描いてきた神さまそのもの。
    その上、5歳くらいのいたいけなこどもの姿で
    アイスやポテチを「あと一匙、食べさせてたも・・・」なんておねだりする。
    千数百年生きているのに、スレたところが全くなくて
    その心根は、大切に守っている鈴の音のようにやさしく、澄み切っていて。

    添加物だらけのポテチを食べると必ずお腹を壊してしまう、なんともピュアな安那さま。
    ピアノのレッスンに行き詰った少年、冬弥をはじめ、疎開してきて心細さを抱える女性、
    売れない役者などなど、安那さまと触れ合う幸運を手にした人々は
    天真爛漫な振る舞いと無垢な信頼に心和まされて
    袋小路だと思っていた人生に、新たな脇道をいくつも見つけるのです。

    悠久の時を生き、関わりを持った人間ともすぐにお別れしなくてはならない安那さまに
    影のように寄り添い、食べ過ぎをたしなめ、なにくれとなく面倒を見る楓さまも
    「私も叱ってたも~♪」とおねだりしたくなるほど素敵。

    真夏の帰り道、重たいランドセルを背負ってふらつきながら歩いているところに
    「いいから、お飲みなさい」と縁側から差し出された冷たい麦茶のような
    心洗われる一冊。 おすすめです!

    • 九月猫さん
      まろんさん、こんばんは♪

      なんだかうれしいお返事をいただいたので、
      小躍りしながらまた書き込みにきちゃいました(笑)

      安那さま...
      まろんさん、こんばんは♪

      なんだかうれしいお返事をいただいたので、
      小躍りしながらまた書き込みにきちゃいました(笑)

      安那さま愛にあふれているmacamiさんのレビューに並んで、
      まろんさんがこの本を読むきっかけにわたしのレビューが
      お役にたっていたなんて、すっっごーくうれしいです♪

      まろんさんのレビューでこの本を手にとってくださる方、そして
      安那さまの可愛さにめろめろになる方が増えたあかつきには
      「安那さまファンクラブ」でも作りますか(笑)

      ちなみに、わたしの「読みたい本リスト」には
      「まろんさんのレビューを読んで(読みたくなった)」という
      文字が大量に書かれています(* ̄∇ ̄*)
      こちらこそ、いつも楽しそうな本のご紹介ありがとうございます。
      これからもぜひぜひ参考にさせてくださいね!
      まずは・・・「コンビニたそがれ堂」や「ぶたぶたさん」が大好きで
      「東京バンドワゴン」シリーズを積み始めたので、
      「あずかりやさん」はぜーーったいに読もうと思っています♪
      2013/08/24
    • まろんさん
      九月猫さん☆

      私こそ、この『鈴の神さま』に限らず、九月猫さんのレビューに心ゆさぶられて
      「ぜったい読むぞリスト」に書き加えた本がいったい何...
      九月猫さん☆

      私こそ、この『鈴の神さま』に限らず、九月猫さんのレビューに心ゆさぶられて
      「ぜったい読むぞリスト」に書き加えた本がいったい何冊あることか。
      九月猫さんみたいに本の趣味がぴったり合うお仲間を見つけられたこと、
      ほんとうに幸せなことだなぁと、ブクログにも本の神さまにも感謝しています♪
      (もちろん、九月猫さんご本人にも!!!)

      「安那さまファンクラブ」、いいですねぇ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。
      九月猫さんやmacamiさんと一緒に、座布団にちんまりと座った安那さまに
      ひとさじずつ、アイスを「あ~ん♪」してあげている妄想が
      コメントをいただいてからずっと、頭を占領しています(笑)

      「あずかりやさん」は、いじらしいくらい店主思いのにゃんこは出てくるし、
      きっと九月猫さんに好きになっていただける本だと思います!
      ほとんどがモノや動物目線で書かれているのですが
      それぞれ、その「モノ」ならではの感覚で店主を温かく見守っているのが、とてもよくて。
      ちょっと複雑な事情を抱えて、あずかりやさんに預けられる自転車なんて
      自転車らしく、あんまり深く物事を考えるタイプじゃないんだけど
      「きみは賢くはないけど・・・いいやつだねぇ!」と言いたくなっちゃうような。
      九月猫さんがレビューを書いてくださる日を心待ちにしていますね♪
      2013/08/26
    • macamiさん
      以前は不定期にくるわたしでもいつもまろんさんがいらっしゃったのに
      ここのところ時間がかぶることがなくて
      本棚まできてしまいました。苦笑

      夏...
      以前は不定期にくるわたしでもいつもまろんさんがいらっしゃったのに
      ここのところ時間がかぶることがなくて
      本棚まできてしまいました。苦笑

      夏に体調崩されたのがまだ完治されていないのでしょうか・・・
      おだいじにしてくださいませ。

      さて、この本はわたしの昨年のベスト3にはいっている大好きな本です。
      再会のくだりはわたしも大好きで
      飽きるほど読みました。
      (みんな大好きなんですけれど)
      九月猫さんと三人で安那さまと遊べたらいいですねえ・・・(うっとり)
      そのときには各々地元のおいしいお菓子を持って
      集合ということで^^
      2013/10/14
  • 表紙絵の、鈴の上にちょこんと座った着物姿のちっこい男の子とウサギがかわいくて、手に取りじっと見ると抱え込んでいるのはポテチの袋。
    いやーん、かわいいーーっ♪
    しかも帯には「四国ののどかな田園を舞台に」とある。
    四国大好き♪特に香川と高知はそれぞれ必ず年に数度行く。
    これは読まなきゃー!とページを開く前からウキウキ。

    ピアノの国際コンクール初出場を目前にケガをした冬弥(とうや)。
    ケガ自体は軽いものだったが、ステージママ的な母親と諍いになり、最近クラシックに「懐疑的」な気持ちを抱いていた冬弥は思わずピアノをやめる!と言ってしまう。
    父親(フィドラー)の提案で、しばらくピアノから離れて高野町にいる祖父(クラリネッティスト)のもとで春休みを過ごすことに。
    そこで出会ったかわいい神さま。名前は安那(やすな)さま。

    この安那さま、神さまだけれど特別な力はなく、鈴を守るというのがお役目。
    大の甘いもの好きで、御付の楓殿に「ご飯が食べられなくなる」と怒られ、取り上げられてもこっそりお饅頭に手を伸ばそうとする――有り体に言うと、食い意地の張った神さま。
    でもそれが、もう愛らしくて愛らしくて。
    アイスクリームを「あと一匙、食べさせてたも……」と目をうるうるさせて見上げられたりしたら、楓殿に叱られてもまるっとひとつ食べさせてあげたくなる。
    (おなか壊すのでダメです!)
    安那さまと一緒に雛屋(ひよこや)の和菓子を食べたいなぁ。

    連作短編集になっていて、5つのお話が収録。
    「鈴の神さま」(1996年春)
    「引き出しのビー玉」(1945年夏)
    「ジッポと煙管」(1988年冬)
    「秋桜」(2005年秋)
    「十四年目の夏休み」(2010年夏)
    時系列はばらばらだけれど、その時々の「見える」人と安那さまの交流が描かれる。

    安那さまの無垢さ・愛らしさに、迷いや不安を抱えていた人は一歩を踏み出す元気をもらったり、幼い頃のやさしいふんわりとした思い出になったり。読んでいるこちらも心が温かくなる。
    だけれど、どう見ても5歳くらいの安那さまの年齢が1000を軽く越えていることを思うと、出会った人たちとは違う時間の流れの中で暮らす安那さまが少しせつなくも感じる。

    そして。
    読み終わった後、あらためて表紙を眺め・・・
    だめーっ!ポテチだめーーっ!!と叫んでしまったのでした(笑)

    • 九月猫さん
      macamiさん、こんばんは♪

      そうなんです、観音寺まんじゅうって洋風のおまんじゅうなんです!
      名前が“和”の雰囲気しかないので意外...
      macamiさん、こんばんは♪

      そうなんです、観音寺まんじゅうって洋風のおまんじゅうなんです!
      名前が“和”の雰囲気しかないので意外でしょう?

      きゃー!阿闍梨餅!!
      おいしいですよねーーっ!!わたしも大好きです(*´∇`*)
      リクエストしてしまう課長さんの気持ち、わかります(笑)
      年に数回京都に行くので、その度に取り扱いのあるデパートに寄るのですが、
      長蛇の列に心が折れてあきらめたり(行列がニガテなのです;)、
      「売り切れ」の看板に打ちひしがれたり、で、なかなか買えません。
      京都もおいしいお菓子が多いですよね♪
      ひそかに亀屋陸奥の「松風」のミミ(はじっこ)も大好きです。

      知野みさきさんって、専業作家さんではないのですよね?
      本業がお忙しいのかなぁ、新作のお話聞きませんね(´・ω・`)
      「妖国の剣士」読みたいけれど、もう他に作品がないと思うと
      もったいなくてなかなか読めません(^▽^;)
      2013/07/19
    • macamiさん
      九月猫さん、こんにちは^^

      そうそう、和の雰囲気しかないですよね!
      観音寺ってところがまさに。

      九月猫さん、よく旅されるのですね♪
      ステ...
      九月猫さん、こんにちは^^

      そうそう、和の雰囲気しかないですよね!
      観音寺ってところがまさに。

      九月猫さん、よく旅されるのですね♪
      ステキ・・・
      わたしはお菓子との出会いはいただいたりデパートで見つけたりしてという縁が多いので
      九月猫さんみたいにその土地(本場)で手にしているなんて
      憧れます。

      阿闍梨餅も数年前からデパートに置かれるようになって
      いまでは満月さんコーナーができています。
      松風のミミなんてあるのですね!これも本場ならではでしょうか。

      九月猫さん、詳しい!お菓子の話ができるのも
      うれしいです☆

      知野さんは兼業作家さんだと思います。
      カナダで責任あるお仕事をされているらしいですよ。
      新作、楽しみですよねえ・・・
      今度はどんな話なのかなあ。
      もったいなくて読めないという気持ち、わかります!
      「鈴の神さま」を読み進めていくときに、後半で
      「あとこれだけで終わってしまう(>_<)」と思いました。

      2013/07/20
    • 九月猫さん
      macamiさん、こんばんは♪

      デパ地下、わたしも好きです!住み着きたいくらい(笑)
      (本屋さんにも住み着きたいですが♪)
      最近は...
      macamiさん、こんばんは♪

      デパ地下、わたしも好きです!住み着きたいくらい(笑)
      (本屋さんにも住み着きたいですが♪)
      最近は有名なお店なら、デパ地下とネットで調達できるので
      便利になりましたよね。

      阿闍梨餅、macamiさんはお近くのデパートで買えるのですか?!
      うらやましーーいっ(≧д≦)
      あれ、ほんとうにおいしいですよね。
      うにーっというかもち~っとした食感が大好きです。
      松風は正規の商品より、絶対ミミのほうがおいしいです!
      ってお店の人に怒られてしまいそうですね(笑)

      お菓子のお話できるの、わたしもとってもうれしいです(*´∇`*)

      そうそう、わたしも「鈴の神さま」を読み終わりそうになったときに
      「ああ、どうしよう!終わっちゃうっ!!」と思いました~!
      ずっと高野町にいたい、安那さまと遊んでいたい、って
      思ってしまうステキなお話でしたね♪
      2013/07/20
  • ほっこり、じんわりするお話。

    可愛らしい子どもの姿をした鈴の神様。
    小さな村で、長い歴史を同じ姿のまま見守っている。

    短編がちょっとずつリンクしている。
    時代とともに村の様子が変わっていっても、変わらないのは鈴の神様だけなのだが、それがほっこりもするし、ちょっともの悲しくもある。

    • ロニコさん
      やまさん

      こんにちは。
      ベスト7を選出されるのは、なかなか骨が折れるお仕事でしょうに素晴らしいですね!
      「蛍草」は、NHKで放送中ですよね...
      やまさん

      こんにちは。
      ベスト7を選出されるのは、なかなか骨が折れるお仕事でしょうに素晴らしいですね!
      「蛍草」は、NHKで放送中ですよね。葉室麟さんは気になっていながら、まだ読んでいないので、私も読んでみたいと思います。
      2020/02/08
    • やまさん
      ロニコさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      「蛍草」は、感動と、涙の連続です。
      1人で読んでください。
      他の人が見て...
      ロニコさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。
      「蛍草」は、感動と、涙の連続です。
      1人で読んでください。
      他の人が見ていると変な人と間違われるかも(笑)
      やま
      2020/02/08
    • ロニコさん
      やまさん

      なるほど、電車などでは絶対に読んではいけないタイプの本ですね!
      肝に銘じます。
      今読んでいる本を読み終えたら、読みたいと思います...
      やまさん

      なるほど、電車などでは絶対に読んではいけないタイプの本ですね!
      肝に銘じます。
      今読んでいる本を読み終えたら、読みたいと思います。
      2020/02/08
  • かわいいー!
    和風ファンタジーの連作短編集。
    表紙のイラストのまんまの優しいイメージですね。
    山の上の小さな社にいる幼い姿の神様と、ふと出会う人々。
    わかりやすく、さりげなく素直に心に染み入ってきます。

    「鈴の神さま」 1996年春
    中学生の有川冬弥は春休みに祖父の元へやってきた。
    ピアノで国際コンクールを目指していたのだが、突き指をして出られなくなり、気持ちも行き詰ったのだ。
    四国のド田舎としか言いようがない(と中学生が思う)高野町。
    広い敷地内にある小山の上には小さな神社があり、鈴守さんがいるという。
    祖父の友達という幼い男の子・安那と仲良くなり、古風な着物や話し方を不思議に思っていた冬弥だったが‥

    「引き出しのビー玉」 1945年春
    東京から疎開してきた和は、出征した夫を案じていた。
    散歩中に出会った可愛らしい男の子の名から一字をとって、生まれる子を安之と名づけることに。

    「ジッポと煙管」 1988年冬
    売れない俳優の鵜木次郎は、姉の嫁ぎ先を訪れるが、雪の中で迷子になり、古めかしい小屋に。
    日本のアーミッシュかと思うのだが。

    「秋桜」 2005年秋
    和菓子屋の雛屋(ひよこや)のおばあちゃん・美鈴の思い出とは‥

    「十四年目の夏休み」 2010年夏
    ロンドンで仕事をしていた冬弥は、高野町の土地を売る話が持ち上がっていると知り、急遽帰国して‥

    美味しいお菓子が大好きな愛らしい安那殿と、お目付け役の楓。
    中学生の冬弥が普通に友達になり、しだいに神様というのは本当だと気づいていく様子も微笑ましい。
    何のご利益があるというのでもない、鈴を守っているという神さま。
    その土地に暮らす人々の心が和やかなのは、きっと鈴守さんがいるからなのでしょう。
    名前もない社を慈しむ心が町の人々にあるから、鈴守さんも可愛らしく、いきいきとしているのかな。
    いつまでも、この空気に浸っていたくなります。
    ブクログで好評なので読み、すっかりお気に入りの作品になりました!

    • macamiさん
      この本、大好きです。
      安那どの、かわいいですよね!
      仕草、話し方、気持ち、みんなかわいいです。


      >いつまでも、この空気に浸っていたくなり...
      この本、大好きです。
      安那どの、かわいいですよね!
      仕草、話し方、気持ち、みんなかわいいです。


      >いつまでも、この空気に浸っていたくなります。

      なりますなります!どんどん続編がでてくれたら
      いいのにと夢見てます。
      2013/10/06
    • sanaさん
      macamiさん、
      コメントありがとうございます!
      この本、いいですよねえ~!
      私も大好きになってしまいました。
      安那どのの、仕草、話し方、...
      macamiさん、
      コメントありがとうございます!
      この本、いいですよねえ~!
      私も大好きになってしまいました。
      安那どのの、仕草、話し方、気持ち☆ホントにみんな可愛いですね☆
      すこやかさ、あたたかさ、愛らしさ‥
      いわゆる「神々しい」というイメージとは違う、これが本当の神々しさなのかしら、なんて。
      もっと読みたいですよねえ‥続編希望!
      (レスが遅くなってしまって、ごめんなさい~~)
      2013/10/18
  •  八百万の神さまの一人かな?小さな鈴守りの神さまの姿、おちゃめなしぐさが何とも素朴で愛らしい。人々の願を聞き入れるような、大げさな力もないけれど、山懐の人々に大切に守られて存在している。人々をつなげて幸な気持ちにしてくれることこそが、本当の力かもしれないですね。

     描かれたそれぞれの人たちが抱えている悩み、喪失しかけた気持ちやつながりが、鈴の神さまとの出会いを通して変わっていきます。

     自然とつながりながら、毎日の暮らしの中に生きてきた八百万の神さまが、いつまでも住みやすい、人々の思いがつながった世界が続いていくと良いですね。

    でも、アイスクリームは食べ過ぎないように。

    • 九月猫さん
      8minaさん、こんにちは♪

      はじめまして、九月猫と申します。
      たくさんの花丸とフォロー、ありがとうございます!

      この本、大好...
      8minaさん、こんにちは♪

      はじめまして、九月猫と申します。
      たくさんの花丸とフォロー、ありがとうございます!

      この本、大好きです!
      安那さまが可愛らしくて可愛らしくて(*´∇`*)
      舞台の町もそこに住む人たちも、
      時代が変わっても優しくあったかいところは変わらなくて、
      そんなところもステキで、ずーっとこの本の世界に浸っていたいくらいです。

      他にも好きな作品や気になっている作品がたくさん並んでいる
      8minaさんの本棚、こちらからもフォローさせていただきました。
      これからどうぞよろしくお願いします(*_ _)ペコリ
      2013/11/02
    • 8minaさん
      九月猫さん
      はじめまして。フォローありがとうございます。
      自分が面白いと思った本の皆さんのレビューを見たり、読みたい本のレビューをちょっ...
      九月猫さん
      はじめまして。フォローありがとうございます。
      自分が面白いと思った本の皆さんのレビューを見たり、読みたい本のレビューをちょっこと覗いて、次の本を決めたり楽しいですね。一人では限られた本の世界も、皆さんのレビューでつながると倍の楽しみです。
      よろしくお願いします。
      2013/11/02
  • 多くのフォロワーさんが読んでらした本!やっと読めました~!読んで良かった!!なんて優しいお話なんだろうと感動(T_T)四国の田舎で起こる、人々と小さな鈴の神様・安那との出会い。温かくて清らかで涙が出た。
    安那の印象はおじゃる丸(笑)可愛くて無邪気で純粋で、抱きしめたくなるほど。昔から、ただ純粋に当たり前に神様を大事にしてきた人々の気持ちが安那に表れているようで、本当に胸が熱くなった。他の方もレビューで書いていらっしゃるが、最後の話の「とうとう夏休みが来たのじゃな!」に涙腺崩壊。
    1996年春、1945年春、1988年冬、2005年秋、2010年夏…それぞれに懐かしさがこみ上げるような、愛おしい気持ちになれるお話でした。

  • 四国の田舎を舞台にした連作短編集。
    鈴の神さまとの交流を描いた5つのお話です。

    安那がとてもかわいいです。どのお話も心がやさしくなります。のどかな風景を想像するだけで癒されます。戦争のお話はやはり少し悲しいけれど・・・。
    神さまって長く居続ける分いろんなものを見なければいけないから、つらいなぁと、ふと思いました。
    「14年目の夏休み」、冬弥と安那の再開で泣いてしまいました。
    冬弥になったような、わくわくとした気持ちで蓮翹荘に立って鈴の音を聴いているような、爽やかな気持ちで読み終えました。

    なにか大きなことをしてくれる神様ではないけど、住んでいる人々が無意識に愛している鈴さん。町によりそい、鈴を守る神さま。素敵な関係性だなと思いました。きっと高野町にいる神さまが安那だから、町の人はみんな優しくて穏やかなんじゃないでしょうか。
    とてもよいお話でした。

    楓殿を脳内でイケメンさんにしてしまう自分がつらい(笑)

  • こういうお話とても好きです。

    鈴の神様とのほのぼのしたやりとりも
    自分の夢に悩んでも家族に反発してもちゃんと向き合えるところも
    ノスタルジックで美しい四国の風景も、田舎のあたたかい人たちも
    時代を超えてそれぞれの人のそれぞれの思いがつながっていくところも
    ハッピーエンドで清々しい終わり方も。

    とってもとってもかわいい安那、これはデビュー当時の神木くんだな
    とイメージして読みはじめたのですが
    時代がかったやんごとなき雅なお子様風の話し方のせいで
    おじゃる丸の声ですっかり再生されてしまい…
    おじゃるちゃんもかわいいからいいんだけどね。

    どのお話も、雰囲気は似てるんだけどテイストの違う内容でおもしろかった。
    神様といっても仰々しいところなんてまるでなく、
    威圧感も影響力もない鈴の神様。
    でも、長くみんなに愛されて大切されている。
    純粋無垢で天真爛漫な笑顔と鈴の音に心洗われて救われるのね。

    「とうとう、夏休みが来たのじゃな!」は、かわいすぎて泣けた。
    わたしも、アイスとおまんじゅうもって会いに行きたい。

  •  安那殿のかわいいことといったらない。
     千と五百や六百も生きていながら見た目は五歳ぐらい、
    中身はちょっと気遣いのできすぎる五歳。はじめて登場したところや
    冬弥と再会するところなんて飽きるほど読み返した。
     
     楓殿の持ってきた薄く味噌の塗られたおにぎりに漬物がおいしそうだった。
     安那の世界での和菓子はあって、そこにも安那のお気に入りがあるのだろうけれど、
    こちらの世界にもお気に入りがあって、それを自分で買えないという設定もおもしろい。
     安那たちのことを見える人たちが限られていることや、
    こちらの世界で当たり前のものを知らないこともおもしろい。
     
     時代を変えて連作になっていた。
     戦争のときにも安那は同じように川原で遊んでいた。
     
     そのときだけの出会いにしているのは秘密を打ち明けることができないからだけではなくて、
    別れを考えてのことだろうか。仲良くなってもどんどん亡くなっていくような
    感覚になってしまわないだろうか。
     千年もそういうふうに生きるのは寂しい気もしたり、そういうものなのだからそんなことは思わないのかもなと思ったり。

     心の底から楽しめた一冊だった。

  • 小さな男の子の姿をした鈴の神さまと、人々のふれあいを描くファンタジー。

    ふんわりとした表紙のイラストと相まって、温かな話に心がほっこり。
    何より鈴の神さまである沙耶(大の甘党)の、愛くるしいこと。
    無邪気で素直な心を持った沙耶の一挙一動が微笑ましい。
    「あと一匙、食べさせてたも・・・」なんて涙目で懇願された日には、アイスだろうが饅頭だろうが何でも食べさせてあげたくなってしまう。

    終わり方も◎
    心が和む優しく可愛らしい物語。

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著者プロフィール

1972年生まれ、ミネソタ大学卒業、カナダBC州在住。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞。「上絵師・律の似面絵帖」シリーズでブレイクした注目時代作家。

「2023年 『江戸は浅草5 春の捕物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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