([ゆ]2-3)骸の回廊 上野正彦原案・監修 監察医シリー (ポプラ文庫 ゆ 2-3 上野正彦原案・監修監察医シリーズ 3)
- ポプラ社 (2012年8月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591130438
作品紹介・あらすじ
建設現場で男性の首吊り死体が発見された。監察医・如月の解剖により他殺と判明。同時期に発見された水死体。2つの事件が交錯した時に浮上した有名外科医の存在。その過去が暴かれた時に衝撃の結末が待ち受けていた-。法医学の権威が原案・監修!人気シリーズ第三弾。
感想・レビュー・書評
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柚原瑠璃子『骸の回廊 上野正彦原案・監修 監察医シリーズ3』ポプラ文庫。
上野正彦原案・監修のノンフィクション風、監察医ミステリーシリーズ第3弾。第1弾、第2弾とテイストは変わらず、ストーリーにキレは無い。監察医による死体の解剖が事件の真相を解き明かすという筋が太過ぎて、本来ならば物語を面白くするはずの背景や人間模様が手薄になっているように思う。毎回、プロローグに描かれる山頭重三郎の回顧録は必要だろうか。
建設現場で発見された男性の首吊り死体は監察医・如月の解剖の結果、他殺と判明する。そして、同時期に発見された水死体……2つの事件は思わぬ方向に。
シリーズはこの第3弾で終了したようだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
監察医である主人公・如月が監察医を目指した訳を自ら話す場面での会話だ。
死因の特定さえ済んでしまえば、もともとは見も知らぬ人間の遺体である。
まして毎日のように遺体の解剖をしている人間にとって、何の感傷もわかない物言わぬ物体にしか見えない監察医もいるかもしれない。
けれど、それは違う・・・と、著者は如月の言葉を通して訴えている。
解剖をされている遺体は誰かの大切な人で、その帰りを哀しみを堪えてじっと待っているのだということを、けっして監察医は忘れてはならないと。
長年監察医として活躍をされた上野正彦さんが監修しているだけあって、そのあたりの描写は丁寧でわかりやすい。
捜査に必要な情報が、正しく監察医を通して生かされていく。
シリーズものなのに中途半端な巻から読み始めてしまったことを少し後悔した。