(P[あ]5-1)天のシーソー (ポプラ文庫ピュアフル)

著者 :
  • ポプラ社
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591130773

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  • 小学生の姉妹・ミオとヒナコ。
    この二人の容赦のない口喧嘩の内容は、うちの娘達(姉妹)のものとそっくりで笑ってしまう。
    常に意地を張り「ああ言えばこういう」ことばかり。おやつなんて遠慮のない早い者勝ち。

    私は一人っ子なので、幼い頃から兄弟姉妹のいる友達は勿論、うちの姉妹にも羨ましがられている。
    確かに一人っ子だと家の中で好き勝手できそうに思えるでしょう。
    でもね、私は兄弟姉妹がいる人が羨ましい。
    だっていざという時、姉の後ろをついて来てくれる妹。
    妹が高熱を出した夜、心配して付き添ってくれる姉。
    雨降りの中一つの傘の中に入って、狭いと文句を言いながらも妹をそっと引き寄せてくれる姉。
    日常の、当たり前で何でもないことのように思えるその一つ一つが、一人っ子の私にはとてつもなく羨ましい。
    「姉妹」でいられることの幸せを、いつかうちの姉妹にも気づいてほしい。

    安東みきえさんが描く、ちょっぴり寂しくて頼りなくて、緊張感の漂う子供達の狭くてちっぽけな世界はとても懐かしく切なくなる。
    そして表紙:酒井駒子さん、解説:梨木香歩さんと、なんとも贅沢な文庫本だった。

  • レースのカーテン越しから、ドアの隙間から、オレンジ色に光る溢れんばかりの温もりを覚えている。音の賑やかさ、笑い声、ご飯の炊きたての香り、今日も一日辛く苦しかったことなどしまい込み、灯りの魔法が消えるまで涙を堪えたのでした。結局、子供の頃から泣くのはひとりなのです。
    何が正しいことなのか、ちゃんとわかっていました。花を美しいと感じれること、それを壊されたら悲しむ人がいるということ。他人の気持ちを考え行動出来る心は、チョコレートの苦味にまたひとつ大人になったと顔を顰めたのでした。
    カタン、コトン。君の罪と私の罪、ねぇどちらのが重いのか教えてよ。昨日感じた鉄の味は、血の味に似てる気がした。上がれば空が広い、落ちれば地が深い。そんな感じで君と私の重さも変わらない。忘れないのでしょう、分け合った鉄の傷を。忘れてしまうのでしょうか、君のことを想った日々を。天のシーソーが上下する。光と影、風と桜吹雪。目まぐるしく、彩やかに、美しく。いつか君とここへ来ても笑い話に出来るでしょうか。カタン、コトン。私達はこのまま何処までも上がっていける気がした。

  • 私には3つ、年の離れた妹がいます。人生で初めて意識した同性でした。これがなんともまあ、可愛げがなくて。取っ組み合いこそありませんでしたが、何かと言い合ってばかり。両親が共働きだった事もあり、それこそ毎日、学校が終わればノーレフェリー・時間・ラウンド無制限で言葉のボクシングをするような関係でした。それでも、そのすぐ後には一緒にぬり絵をしたり、手を繋いで外に遊びに行ったりで、遠慮はないけど後腐れもない。もしかしたら、私にとって生まれて初めての親友は妹だったのかもしれない。そんな事を思い出させてくれる本でした。

  • 児童文学として。
    姉妹がいる人には、同じような気持ちになったことが1度や2度はあるのではないかしら?
    幼い頃の、無条件に憎たらしく愛おしい妹との出来事を、懐かしく思いながら読み進めました。

  • 安東みきえさん作品を読むのは3作目。このお話もとても良かったです♪小学5年生のミオと妹のヒナコの日常の物語。7編の連作短編集。子供の頃のほんの一瞬の出来事を瑞々しく描かれていて懐かしい気持ちになりました。私も姉がいてミオとヒナコと同じ2人姉妹なので姉妹ならではの関係がよくわかります。子供時代のあやまちで痛々しくなったり、切なくなったりするのが多く辛かったですが温かい気持ちにもなりました☆文庫化書き下ろしでは姉妹のその後が描かれています!東北出身のおじさんの事を思うと涙が出ました。酒井駒子さんの装丁も素敵☆

  • 小学生のミオとヒナコの姉妹の物語。
    一番最後の「明日への改札」は、ミオが高校生、ヒナコが中学生に成長した後のお話。

  • 等身大の女の子の話。
    2013/06/13

  • 小学生ミオと妹のヒナコの日常を切り取ります。

    お母さんに上手に取り入るヒナコをミオはよく思いません。いつもけんかが絶えないのですが、でも、いざという時にたよりになるのはお姉ちゃん。そんな姉妹のやりとりは、根底に信頼があるのだな、と思います。

    「マチンバ」にいたずらをする、ミオと仲間たちですが、ミオの中にある、人に対する常識の一線があって、”ここまでやってはイケナイ”という基準が、そうだよね!って安心できるものでした。それは、たぶんとても大切なことで、そのラインが、この小説に一貫しているのです。

    私が好きなのは「ラッキーデイ」
    何をやってもダメな日、ある。でも、そういう時にこそ気づくことが多いよね。

    最後に中学生になったヒナコが主人公で書かれた「明日への改札」は文庫のために加筆されたものです。

  • 書店で、酒井駒子さんの表紙絵に惹かれて、手に取りました。
    内容も、よかったです。
    擦り傷を作ったときのような、ひりひりとした痛み。でも、それだけじゃない。作品のなかにも出てくる言葉だけれど、『キズをおおってなおしてくれるものがちゃんとあらわれるんだから。だから、カサブタ、はがしちゃダメ』。
    愛おしい一冊が、増えました。

  • できたら佐野を
    上げたままにしてやりたかった。

    (ひとしずくの海/マチンバ/針せんぼん/天のシーソー/ラッキーデイ/毛ガニ/明日への改札)

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プロフィール

安東みきえ
1953年、山梨県生まれ。、『天のシーソー』で第11回椋鳩十児童文学賞、「ふゆのひだまり」で第11回小さな童話大賞(毎日新聞社主催)大賞を、「いただきます」で同選者賞今江祥智賞を受賞。その他、「夕暮れのマグノリア」「頭のうちどころが悪かった熊の話」など著書多数。

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