([さ]5-1)教科書に載った小説 (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
3.40
  • (8)
  • (17)
  • (30)
  • (1)
  • (4)
本棚登録 : 223
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591131169

作品紹介・あらすじ

誰もがかつて手にしたことのある、国語教科書。その中から珠玉の名作を、佐藤雅彦が選んでいます。読書の時間におすすめです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ブクログ仲間さんのレビューに惹かれて、さっそく本書を読む。
    中学高校の教科書に載った小説を集めた短編集。
    なんとまあ、レベルの高いこと。
    短いながらもそれぞれに教訓や、不条理、風刺などが織り込まれた珠玉の作品ばかりだった。

    「とんかつ」や「父の列車」は世代を超えて心に響く良い作品だと思う。安心して読める。
    さらに、個人的に衝撃的だったのは永井龍男の「出口入口」と横光利一の「蠅」。
    前者は教科書に載せちゃう作品!?と驚き、後者は今なお輝きを失わない斬新さに驚いた。

    私が学んだ教科書には一つも載っていなかったため、どれも初読。
    それどころか初めて読む作家のオンパレード(^_^;)
    これだけの作品を書いている作家たちを読んでこなかったとは、もったいないことしたな~。
    こう言った本を手に取らない限りなかなか読まない作家もいる。
    是非、この企画続けてほしいと思う。

    • vilureefさん
      おお、私があやさんのレビューにコメントを書いている間にあやさんからコメントが!
      奇遇ですね~♪

      >ほぼ教科書を開かなかったから

      ...
      おお、私があやさんのレビューにコメントを書いている間にあやさんからコメントが!
      奇遇ですね~♪

      >ほぼ教科書を開かなかったから

      面白すぎます。
      授業中はどうしていたのでしょうか!?(笑)

      でも大丈夫です!
      私も似たようなもんです。
      高校の時なんて現代文の教科書を持っていた記憶すらありません(^_^;)

      あやさん、アラフォー同士一緒に勉強しなおしましょうね(^_-)-☆
      2013/07/03
    • nejidonさん
      vilureefさん、再びやってまいりました。
      何がイチ押しだなんて、無理な質問をしたものです(笑)
      そしてそして、【蝿】を選ばれるとは、な...
      vilureefさん、再びやってまいりました。
      何がイチ押しだなんて、無理な質問をしたものです(笑)
      そしてそして、【蝿】を選ばれるとは、なんとも通好みではありませんか。
      私は、そうですねぇ・・・【絵本】でしょうか。
      自分がこの世からおさらばした後でも、親友を喜ばせる仕掛けを考えておこうかと、本気で計画しておりますよ。
      まぁ、一生考えても思いつきそうにないですが。

      2013/07/04
    • vilureefさん
      nejidonさん、こんにちは♪
      再訪問、大歓迎です!

      「絵本」これもまた良い話でしたよね~。
      それも送られてきた本が「ももたろう...
      nejidonさん、こんにちは♪
      再訪問、大歓迎です!

      「絵本」これもまた良い話でしたよね~。
      それも送られてきた本が「ももたろう」。
      なんだかジーンとしちゃいます。

      親友を喜ばせる仕掛け・・・。
      素敵ですね☆
      nejidonさんなら実現できそうな気がします。
      2013/07/05
  • 文学

  • 中高の国語教科書に選ばれた作品からさらに編者が選した作品集
    「教科書に載る」という大人が中高生に読ませたいというものから
    「面白い」すなわち「目の前が開ける」ようなを選んだもの
    そういう統一主題が明確な上で競作されたかのように同種の作品が並んでいて
    短いほどわかりづらい文章の芸といえども出来栄えがよくわかりやすい気がする

    『とんかつ』三浦哲郎
    あらすじを書きだすと三行で終わりそうなごくごく簡易な話であるだけに
    編者のいう「面白さ」が明確に現れた作品
    この「面白さ」をこの作品以上の短さで表現するのは困難

    『出口入口』永井龍男
    昭和は下手なファンタジーより隔絶した遥かに霞む異世界

    『絵本』松下竜一
    上の『出口入口』同様にいわゆるショートショートとの違い
    発想を表現するか小説として完成させるかの意識差を感じる

    『ある夜』広津和郎
    小説というより随筆のような小説
    今度は情景描写との差異に焦点がある

    『少年の夏』吉村 昭
    「お兄ちゃん、少し貸してやってね」の恐怖
    収録作品厨では長めながら
    それでも全文を教科書に掲載されるのがわかる無駄のないつくりだが
    説明し過ぎに感じるところもあって難しい

    『形』菊池 寛
    故事成語なお話
    成語となって伝わるに足る故事が満たすべき要件を余すところなく捉えている

    『良識派』安部公房
    上の「形」と比較してみて
    「良識派」とか「サイレントマジョリティ」と「故事成語」と
    語源と現代用法の違っているものと比べてしまう

    『父の列車』吉村 康
    口幅ったい言い方するなら「あざとい」作品
    この作品だけ挿絵入りなのもあざとい
    良し悪しとは別だけれども

    『竹生島の老僧、水練のこと』古今著聞集
    鎌倉時代の説話集から
    これはやや編者の意図するところからすると飛び道具すぎるか
    解釈は読む人次第すぎると思うし
    いわゆる国語の教科書にふつうの意味で相応しすぎる作品に過ぎる

    『蠅』横光利一
    短編小説としては収録作品中もっともまっとうなもの
    ごくあたりまえに良くできていて
    変化球ばかりだった中にあって逆に際立つ

    『ベンチ』ハンス・ペーター・リヒター
    可憐な小品だがオチを認めるかどうかは難しいところ
    そこがなくとも成り立つのではあるが
    あるからこそ作品の価値おとしても別の意味あるともいえる

    『雛』芥川龍之介
    収録中もっとも長い作品
    単純な筋書きをひとつひとつ無駄ない場面と各人物の過不足ない描写でつなぐ
    技巧の高さに文句のつけようない一品
    小説としては『蠅』のほうが上だろうけれど
    「文章芸」としては抜けている


    総じて
    頭に『とんかつ』をもってき山場に『蠅』で締めに『雛』と
    編者の構成はさすが
    『出口入口』と『絵本』に『形』と『良識派』を並べるのもにくい
    その合間に『ある夜』『竹生島~』『ベンチ』を挟むのも納得
    個別にみると不満もあるが
    一冊としての完成度はまことに高い

  • 自分が学んだ小説は「形」だけでした、、
    でもこの小説はどうして教科書に載ったんだろうとか、この部分の主人公の気持ちを書きなさいとかテストに出るのかなとか、今まで小説を読むのとは違った視点で読めて楽しかったです。

  • 2015年10月中旬読了。とんかつの面白さを感じた。あとは、絵本とある夜と、良識派と雛がぐっときた。私が教科書読んだのは竹生島の老僧、水練のことだけだなー。これってこんな話だったっけ。

  • 載ってたの一つだけ。
    ベンチは長編の一話抜き出しだけど 改めて全部読もうかな。。
    小学生で読んだが今は、戦争もの読むの辛い。

  • 自分が読んだ教科書の作品がなかった・・・。

  • 中高の国語の教科書に収録されている作品集。著者の「誰かが若者に読んで欲しいと思った作品」というコメントが秀逸。
    よく考えるとこういう作品をわざわざ国語の時間に取り上げて何がしたいんだろうと思う。教育目標を設定しづらいよ。こういった作品を読むことが目的だとしんどいな。いや,教養として知っておいて欲しい内容なのか。スイミーやごんぎつね,大造じいさんとガンなどは国民共通の内容?
    国語の指導要領でも読んでみるか。

  • 『教科書に載った小説』というタイトルのアンソロジーですが全て未読でした。そして全てがじんわり心に響く珠玉の掌編、小さな宝箱にしまっていたお話しがそっと蓋を開けて流れてきたような味わいです。中でも吉村昭の「少年の夏」の静かに張りつめた空気の奮えに感応しました。流行の先端の人と思っていた編者へのイメージを覆すセレクト、あとがきです。教科書でしか読むことができない作品が含まれています。編んでいただきありがとうございます。


    《収録作品》とんかつ(三浦哲郎)/出口入口(永井龍男)/絵本(松下竜一)/ある夜(広津和郎)/少年の夏(吉村昭)/形(菊地寛)/良識派(安部公房)/父の列車(吉村康)/竹生島の老僧、水練のこと(古今著門集)/蠅(横光利一)/ベンチ(リヒター)/雛(芥川龍之介)

  • 佐藤雅彦さんの本だから。
    この人の本は全て置けばいいと思います。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1954年、静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。慶應義塾大学教授を経て、現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授。主な著書に『経済ってそういうことだったのか会議』(竹中平蔵氏との共著・日本経済新聞社)、『新しい分かり方』(中央公論新社)、『考えの整頓』(暮しの手帖社)、『差分』(美術出版社)、『毎月新聞』(中公文庫)ほか多数。また、ゲームソフト『I.Q』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)や、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の時代から手がけている、NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』『‪0655/2355』『考えるカラス』など、分野を越えた独自の活動を続けている。2011年に芸術選奨受賞、2013年に紫綬褒章受章、2014年にカンヌ国際映画祭短編部門招待上映。‬‬‬

「2017年 『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤雅彦の作品

([さ]5-1)教科書に載った小説 (ポプラ文庫 日本文学)を本棚に登録しているひと

ツイートする