なでし子物語

著者 :
  • ポプラ社
4.13
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本棚登録 : 588
レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591131428

感想・レビュー・書評

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  • 四十九日のレシピ以来の伊吹作品。
    あちらも良かったが、これ、良いわぁ、買うリストに追記

    子供側の主人公、耀子と立海が実に良い。貧しいが故に虐げられたものと、立場が高い故に疎外されるもの、2人の心が通じ合う過程のけなげさと不器用さの美しいこと。読んでいて2人をぎゅっと抱きしめてやりたくなる衝動に何度かられたことか。

    大人側の主人公、照子にはあまり共感が沸かなかった(このキャラは女性でないと分からないだろうなぁ)が、家庭教師の青井と、耀子を引き取った祖父間宮がいい味出してるんだよなぁ。生き方も考え方もかなり違う青井と間宮、物語上ではちょくちょくぶつかりよるんだけど、それぞれが2人の子供に対峙する時の姿、言葉が凄くいい。

    耀子がハイジで立海がクララ、間宮がオンジで青井がロッテンマイヤー。他にもセバスチャンやペーターみたいなんもおるので、日本の昭和版ハイジとあらっぽく括れるが、かの名作と比較しても負けないだけの読み応えは十分ある。

    自立と自律、「やらまいか」という掛け声、「どうして」じゃなく「どうしたら」と考える。その言葉だけとればどれもこれも押し付けがましいが、ラストで青井が耀子に教え諭すシーンにたどりついたとき、得心いってしっかり胸に刻まれた。

  • p.107
    自立、かおをあ上げて生きること。
    自律、うつくしく生きること、あたらしいじぶんをつくること。

    p.389
    やらまいか。
    あたらしいじぶんを、つくるんだ。

    つらくなると目を閉じてやり過ごす間宮燿子が最後、この言葉を自分に言えて良かった。

  • おもしろかった!
    自分も輝子、立海と冒険して成長した気がする。
    ほろっと感動して、
    照子やおじいちゃん、常夏荘のみんなも二人の子に
    出会って、これから新しい生き方ができると思う。
     
    ****共感した言葉****
     自立 かおをあげていきること
     自律 うつくしくいきること

  • 伊吹有喜さん2冊目。母に捨てられた耀子と、病弱で田舎に療養に来ており女の子の恰好をさせられている立海。いじめられっこのふたりが出会い、心を通わせていく。じんわりと温かくなる物語。伊吹さんは人物の造形、描写が絶妙だなぁ。2013/004

  • 読売新聞の小泉今日子さんの書評のとおり、
    読んでいて何度も鼻の奥がつーんとなり、
    目もうるうるとしていまいました。

    豊かな自然に囲まれた日々の暮らしの中で、
    子どもたちは、人のぬくもりによって、
    大人は子どもの天真爛漫さに救われていく。

    最後は離ればなれになってしまうけど、
    それまで育んできた人と人の絆が、
    これからの人生を前向きに過ごしていく
    推進力になるのでしょう。

    優しい気持ちになり、本を閉じました。

    さあ、やらまいか!

  • 耀子と立海、2人が幼いながらに抱え込んだ重たく深い傷。特に耀子の境遇には冒頭からとても切なくなって辛いが立海や常夏荘の人達と共に過ごす内に少しずつ成長して行く耀子の様子にほっこりできる。常夏荘の大人達の目線の何と温かなことか!子どもの世界を大事にしてあげる忍耐力…私まだまだだなぁf(^_^;中盤からちょっと中弛みっぽくて疲れた面はあるけどラスト20ページ位でグッと心を掴まれた。青井先生が耀子や立海を諭す言葉が素晴らしい。読み手もすごく励まされる。耀子と立海にエールを送りたくなる素敵なエンディングだった。

  • いつも不安でいつも下ばかり向いていたヨウヨ。
    すこしずつ顔を上げて、すこしずつ前を見て、
    知りたいことができる。守りたいものを見つけられる。

    小さな二葉がゆっくり成長していくような、静かな息吹を感じながら読みました。

    友達がいる。いっしょにいるだけで強くなれる友達がいる。それだけで泣きたいくらいに幸せなことだ。
    ヨウヨのきもちが、リュウカのきもちが、どんどん入り込んできて、わたしまで幸せになる。
    友達ってふしぎで、勝ち負けじゃないのに友達に負けない自分でいたいと思う。恥ずかしくなく肩を並べられる自分でありたいと願う。

    遠く離れても、会えなくなってもその願いはつながっている。父母とも。祖父母とも。
    つながっている誰にも胸を張れる自分であるように。
    「これから」の鼓動を感じられる素敵なお話。

  • 【なでしこ物語】 伊吹有喜さん

    林業で栄えた遠藤家。その跡取りとなる男子は体が丈夫ではない子が多い。
    長男の龍一郎は早世し、龍一郎の亡き後、親父様と呼ばれていた当主の龍巳が
    愛人に生ませた次男の立海もまた病気がちであった。

    長男を亡くした龍巳は次男である立海の体を心配し、彼を療養させるため
    遠藤家のふるさとであり、自然にも囲まれた奥峰生へとやった。

    遠藤家の林を管理する間宮勇吉の息子・裕一は龍一郎の片腕となり
    働いていたが、彼も龍一郎と同じく早世した。裕一には一人の娘・燿子が居たが
    裕一も早世し、嫁は娘の面倒を見ず、燿子は祖父勇吉の元で過ごす事になった。

    そんな大人の都合に振り回され続けた二人の子供、立海と燿子が奥峰生で出会った。
    彼らはお互いを思いやり、求め合い、心の悩みに立ち向かい少年少女へと脱皮していく。。



    この本もマイミクさんのレビューを参考に借りてきました。
    不思議な読後感。。子供には子供の世界がある。
    身勝手な親の都合で苦難を強いられる二人の小学生。
    彼らは奥峰生で働いている大人や家庭教師によって絶望を希望にかえて行く。
    そして、遠藤家の家紋ナデシコの如く強く生きていこうと決意する。
    これも、いい本でした〜。。

  • 「四十九日のレシピ」の人だってのと、
    装丁のかわいさに惹かれて読んだのですが、

    泣ける。
    泣ける。
    泣ける。


    ずるずると鼻水を出しながら読みました。

    たまに、情景がうまく想像できず、あまり文章うまくないのかな、、、って思うこともありつつ(わたしの読み方のせいかも)、あったかい。

    あったかいです。

    • まろんさん
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      なつかしくて、せつなくて、あったかい物語ですよね。大好きです。
      ...
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      なつかしくて、せつなくて、あったかい物語ですよね。大好きです。
      表紙を見て、あらまあ、かわいい女の子がふたり! と思ったら
      なんと少年と少女の物語だったのにも驚きました。
      こどもたちがあの後、幸せに暮らしていけますように・・・と、祈りたくなりますよね。

      じぶんの気持ちを偽らず、はっきりくっきりと綴っているutakataさんのレビュー、
      読んでいてとても爽快で、惹きこまれてしまいます。
      これからもどうぞよろしくお願いします(*^_^*)
      2013/06/07
    • ハラさん
      まろんさん!ありがとうございます。
      たくさん素敵そうな本が、本棚に並んでいたのでフォローさせてもらいました☆


      いくつかメモしたので、次図...
      まろんさん!ありがとうございます。
      たくさん素敵そうな本が、本棚に並んでいたのでフォローさせてもらいました☆


      いくつかメモしたので、次図書館行く時に借りてきます♪♪

      レビューについて、そういうふうにコメントいただくなんて!! うれしいです。
      読んだそばから忘れてしまうので、自分の読書の記録のために書いてます。
      読み終わってすぐに書いたのとか、勢いだけでのメモのようなもので、誰かの参考になどならないと思いますが、これからもこの調子で書きます。笑

      今後もまろんさんの本棚に本が増えることを楽しみにしています。よろしくお願いします^^
      2013/06/07
  • 代々林業で栄えた、遠藤家のお坊ちゃん・立海と、その山守として仕える間宮家の孫娘・耀子。
    そして、立海の義理の姉になってしまう長男の嫁・照子。

    小学生の立海と耀子は、複雑な境遇故、学校では馴染めずいじめにあっています。辛い日々の中、二人が心を通いあわせていきます。
    そんな二人を支え、見守ることで、長男である夫を亡くした照子自身が柔らかさを取り戻していきます。

    大人たちの理不尽さに振り回される子ども達…。
    それでも顔を上げる、前を向く、その強さを身につけていきます。
    誰かがいてくれること、ぬくもりを感じられるからこそ強くなれるのでしょうね。

    『やらまいか』…。この地の方言で、「やろうじゃないか」という意味です。
    ぐっと丹田に力が入るおまじないのような言葉です。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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