([お]7-5)空ちゃんの幸せな食卓 (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591134320

作品紹介・あらすじ

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『真夜中のパン屋さん』で注目の著者!
他人以上、家族未満の不思議な絆を描く、心あたたまる物語。

『坊っちゃん文学賞大賞』を受賞したデビュー作、「ゆくとし くるとし」を収録!

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血の繋がりのない義母と、奇妙な共同生活をはじめた私と姉は、同じ食卓を囲むうちに、
少しずつ新しい関係を築いていく……。(「空ちゃんの幸せな食卓」より)

デビュー作「ゆくとし くるとし」と「僕らのパレード」そして、表題作「空ちゃんの幸せな食卓」
の3篇を収録した、珠玉の作品集。
『真夜中のパン屋さん』の著者の原点がここに。

感想・レビュー・書評

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  • 角度を変える度、君の笑顔や涙や頑張りだとか苦労だとか、色んなものが見える。ビー玉万華鏡。
    一粒流す度にひと穴キラキラ光る。それが貴女の生きる証。だから好き。
    何度でも何度でも君が願えば迎えに行くわ。だって私達は似ていないから特別。君は私じゃない、だから大好きなの。
    自分より大事なものが出来た瞬間から、人はずっと強くなれる。

  • 血は繋がっていなくても相手を思いやる心は人一倍。家族の温かみをずっしりとかみしめられるそんな3つのお話。
    無垢な気持ちをいつまでも大切に一生懸命生きていく登場人物たちがたまらなくいとおしかった。
    真夜中のパン屋さんの雰囲気を感じつつ優しさに包まれたお話にほっこり。

  • 短編3本を収録した一冊。
    「ゆくとしくるとし」、出産のお手伝いをする場面で、自分の時のことを思い出して、泣きそうになった。
    新しい生命が生まれてくることの奇跡、感動って本当にすごい。
    そして、真夜中のパン屋さんでも思ったけど、大沼さんの描くオカマは、みんな心温まる、さりげない気遣いができる人ばかりで、読み終わった頃には好きになる。

  • ピュアゆえに強くて弱い子供たちと、したたかで脆い大人たち。
    心が洗われました。

  • デビュー作が面白かったです。
    血の繋がりも大事だけど、
    血の繋がり以上に大事なこともある。
    母は強いよ。

    僕らのパレードは、またしても重いものをぶっこんできましたね。
    嫌われ者の観音崎先生に涙。
    でも、将来、思い出すのはこういうタイプの先生なんだよね。

  • 「空ちゃんの幸せな食卓」
    他人だからこそ。
    近すぎず遠すぎず相手が心地良い間合いを知っているからこそ、上手くやっていけるのかもな。
    周りが心配するのは分からなくはないが、あまり多く口出すのは煩いだけだろうに。

    「ゆくとし くるとし」
    下手くそなりの。
    帰省して見知らぬ人が居るだけでも驚きそうだが、また個性的な人だと始めは警戒しそうだな。
    どんな事であろうと言葉にしなければ、伝えるべきなのか分からなくなりそうだな。

    「僕らのパレード」
    蓋をした記憶に。
    どんな出来事だとしても心が疲弊してしまえば休息が必要だが、癒えるまで時間は必要だよな。
    世界が壊れてしまう寸前だったからこそ、記憶の奥底に隠し見ないようしたのだろ。

  • 読みやすそうな本をと思って手にした本。
    他にも借りすぎててなかなか読み始められなかったけど、読み始めたら比較的すいすいと読めた。

    空ちゃんの・・は、義母と姉妹というややフクザツな家庭のお話。
    ゆくとしくるとし・・は、主人公が産院を営んでる実家に帰ると、そこには母といわゆるオネエがいて・・という話。
    僕たちのパレード・・は、3歳違いの姉とマイペースな母を持つ少年の話。母は何度か結婚を繰り返しており(籍をいれてはなかったケースもあり??)、家族は現在の父親の故郷である地方に引っ越す。母の4番目の夫であるよんちゃんが一番、少年に影響を与えた存在だったらしく、何かにつけ少年の思いの中に登場するが、実は読んちゃんに関する重大な事実を少年は覚えていなかった・・というようなストーリー。
    ドラマにもなった『真夜中のパン屋さん』の作者さんということで、3作目にはパン屋さんが登場するが、これもまたおいしそうだった。

  • とても良かった。大沼さん、すきだあとすごく思った。三作とも良かったけれど、特に、一番長い「僕らのパレード」がすき。ほっこりでいて繊細で、とても掴まれた。どの作品も、複雑さや傷に余計な色がついていないところも良い。

  • 「僕らのパレード」が、自分にぴったりとはまりこむ話だった

  • 2018/2/5
    よんちゃんの馬鹿、私は死なないからね。とまず思った。
    私の森もたいがい暗くて何にもないけど、これを私を大切に思ってくれている人にうつそうとは思わない。
    泥玉は投げつけない。
    よんちゃんもギリギリやったんやろうけど、ヘタクソ過ぎるよ。
    でもよんちゃんの教えを受けたサムが紺野君もアヤエも救ったよ。
    まだまだしんどいことはいっぱいあるけどなんとかなるよ。
    よんちゃんももうちょっと踏みとどまってたらサムに救われたかもしれないのに。
    一緒にお酒も飲めたかもしれないのに。

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著者プロフィール

1975年、岐阜県生まれ。2005年に「ゆくとし くるとし」で第9回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、小説家としてデビュー。『真夜中のパン屋さん』で注目を集める。

「2019年 『路地裏のほたる食堂 3つの嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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