([ふ]2-1)快晴フライング (ポプラ文庫 日本文学)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591134337

感想・レビュー・書評

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  •  本書は古内一絵さんのデビュー作で、現在『銀色のマーメイド』として刊行されています。『マカン・マラン』がお好きな方は、必読ですよー。

     交通事故で幼馴染である主将のタケルを亡くし、退部者が続出。廃部寸前となった弓が丘第一中学水泳部が舞台の物語です。
     水泳部存続の為、共にタケルの幼馴染である身勝手な龍一・真面目な敦子が、難局を打開すべく奮闘していきます。
     市民プールで人魚のように美しく泳ぐ雪村襟香を見つけ、勧誘する頑なに拒絶され‥。人に言えない秘密と苦悩を抱えているのでした。

     デビュー作というのもあってか、初々しい筆致がうかがえ、心地よい青春小説となっています。人物の個性の書き分けもよく、更にマイノリティを登場させ、関わらせることで共生に向かわせます。
     前向きになれ、活力を与えてくれる物語でした。

    (ここからは余談)
    『快晴フライング』(ポプラ文庫) ≒『銀色のマーメイド』(中公文庫)です。いわゆる改題ですね。
     著者の古内一絵さんは、2011年に『快晴フライング』をポプラ社より刊行しデビュー。その後、2018年にポプラ文庫版を加筆・改稿、『銀色のマーメイド』と改題し中公文庫より刊行されたようです。ただ、本作で第5回ポプラ社小説大賞特別賞(2010)を受賞しているのですが、その時のタイトルは『銀色のマーメイド』! え??? 不思議〜。

     「≒」の意味は、加筆・改稿だけでなく、ポプラ文庫版には小編「夏のエール」も収録されており、古内一絵さんの原点により近い(似て非なるもの)、と勝手に解釈してこちらを購入!(ったく、何この蘊蓄とこだわり‥、年寄りか!)

     古内さんの『マカン・マラン』シリーズを読まれた方は、主人公のシャールさんをご存知ですね?
     そう、仕事や私生活で傷付き、心が弱った人を、滋養溢れる料理と優しい言葉で癒やしてくれる人物です。本作で初登場してるんですね。発刊順は逆ですが、『マカン・マラン』の(が?)スピンオフ作品とも言えるようです。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      みんみんさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      毎日暑いですねー(-_-)zzz
      本書、夏にピッタリ、中高生にもピッタリ
      だと思...
      みんみんさん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます!
      毎日暑いですねー(-_-)zzz
      本書、夏にピッタリ、中高生にもピッタリ
      だと思います。ぜひぜひ(^^)
      2023/08/09
    • みんみんさん
      フライングの単行本のみ図書館ありました〜
      さっそく予約しましたよ‹‹\(´ω` )/››
      フライングの単行本のみ図書館ありました〜
      さっそく予約しましたよ‹‹\(´ω` )/››
      2023/08/09
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      早っ! 流石でございます。
      読書家みんみんさんが、どう読み解くか?
      楽しみにしております(笑)
      早っ! 流石でございます。
      読書家みんみんさんが、どう読み解くか?
      楽しみにしております(笑)
      2023/08/09
  • 初めてちゃんと読んだスポーツ小説だったと思う。
    自分がやっていた水泳のお話で、とても共感しやすかった。
    コミカルな文体が光っていて、最後まで飽きずに一気読みできる面白さがある。
    同時にジェンダーというカテゴリについても触れていて、コミカルかつ熱い青春物語を通じて 性についても深く考えさせてくれた。
    読みやすいストーリーの中に様々な要素がふんだんに含まれていて、読み応えがある。
    スポーツ小説でおすすめは? と聞かれたら、ぜひ勧めたい一冊。

  • 青春だなあ。久々のシャールさん。マカンマランより前の話だけど、あとから読んでも良かった。

  • アウティングの嵐には閉口したけど、2011年に正面から向き合って、大した事じゃないってメッセージングした姿勢に尊敬。話としても魅力的でした。

  • 古くさい表紙だけど 手に取ってみた。
    読み始めると 不思議と引き込まれる。
    スポーツ青春ものの楽しさが満ちている。
    途中で
    えっ!
    ああ こんな繋がりがあるんだ。
    作家ならではの 楽しみだなあ。
    でも こんな風に読者を楽しませてくれ
    すごくありがたい。

  • 自分も水泳をやってるから
    すごく龍一たちの気持ちが分かった

  • 既視感があった。
    途中、シャール、柳田等マカン.マランの登場人物が出てきて納得した。

  • 「マカン・マラン」を先に読んでおいてよかったー。ここでシャールさんやジャダ、柳田先生に会えるとは。感慨もひとしお。エピソード0的な感じで物語もすごく深みが増してくる。性同一性障害と向き合う少女の展開が少々強引な気もしたけれど、シャールさんに免じてスルーしよう。
    スポーツは特に指導者が大事だったりするんだろうね。

  • 437頁を一息に読ませてくれる古内一絵さん「快晴フライング」、2013.4発行。弓が丘第1中学校の水泳部を舞台にした物語。飛び抜けた美少女なのに心は男、性同一性障害に苦しむ雪村襟香と素晴らしい仲間たちの物語。

  • 龍一、タケル、睦子は幼馴染で同じ水泳部、
    タケルが不幸な事故でこの世を去り、水泳部は、キャプテンを失い、離脱者が続出し、壊滅寸前

    龍一は、チームよりも個を重視するタイプであり、衝突でさらに部員は減る。

    しかし、睦子と龍一は、このままでは水泳部が廃部になるという危機感から、一から部員集めを始め、

    特訓を開始する。

    そんな中、市民プールで、同じクラスの、襟香をみかける。

    その泳ぎはタケルを髣髴とさせるものであった。

    しかし、襟香は、秘密にしていることがあり・・・


    個からチームへ、皆が、目指す弓が丘杯、水泳部の未来は、部員たちの思いは。。。

著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。『銀色のマーメイド』で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年にデビュー。17年、『フラダン』が第63回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選出、第6回JBBY賞(文学作品部門)受賞。他の著書に「マカン・マラン」シリーズ、「キネマトグラフィカ」シリーズ、『風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』『鐘を鳴らす子供たち』『お誕生会クロニクル』『最高のアフタヌーンティーの作り方』『星影さやかに』などがある。

「2021年 『山亭ミアキス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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