- 本 ・本 (25ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591134931
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
「忘れられないおくりもの」に似ているなと思った。
思い出を話しているうちにそこに芽が出て大きな木になった。
その木はそれぞれの心の中に生き続けているキツネの生きた証。
目には見えなくても皆の心に木はあると思う。
私の心の中にも。
あの子の心の中にも。
いつか…いつか、あの子とご家族の悲しみが癒えたら、その時そっとプレゼントしたい。
私の心の中にも生きてるよって伝えたい。 -
年を取った森のキツネが、お気に入りの場所でそっと息を引き取りました。仲良しの動物たちが集まって来て、キツネを悼みます。ここでみんなが泣き崩れて悲しむのではなく、「ほほえみながら」楽しかったこと、好きだったもののこと、キツネがくれた思い出を語り合うのです。すると、オレンジ色の芽が…。
そうか、世を去った魂が望むのは、微笑みながら思い出を語り合ってもらい、残されて生きるものを支えることなんだ。死別した家族や友人のことを思うと、何年経っても悲しいけれど、思い出がたくさんあるから、生きる支えにさせてもらいましょう。 -
命をテーマにした本を探していて出会いました。歳をとり、弱った狐は、そっと目を閉じます。そこに動物たちがやってきて、狐の思い出を語ると言う話。残された人たちの生きる支えになっている。
この絵本の色がまたすてきです。動物たちの心を表しているようです。大人になっても、死と向き合うと言うのは辛く、悲しいです。思い出が包み込んでくれる、そう思って前向きになれる絵本です。 -
〝森にキツネがいました。仲間の動物たちと幸せに暮らしてきましたが、だんだんと年をとり、からだが弱ってきました...ある日キツネは、森の空地へ独りで出かけて行き、お気に入りの場所で、大好きな森の景色を眺めたあと、体をそっと横たえました。瞼を閉じ、ゆっくりと息を吐きました...キツネの目は、二度と開きませんでした〟・・・キツネを愛した森の仲間たちは、キツネと過ごした幸せだった時間を語り合う。ただ痛いだけだった哀しみの場所、キツネが最後に横たわった場所から、キツネと同じ色の芽が出てきて...。こころ癒されます。
-
喪失とは、悲しいもの。だけど、生きる糧にもなりうるというある意味矛盾したようなロジックが、心打たれました。生を受けたからには必ず遭遇する別れの時のためにずっと心に留めておきたいと思う。聖心女子初等科のおすすめ本ということで手に取りましたが、これをお勧めする学校のセンス、思慮深さは素晴らしいと思いました
-
死んでしまったキツネの思い出を語る仲間たち。
すると、キツネが横たわっていた雪の下から出た葉が大きくなり、やがて木になりました。
身近な人やペットを亡くすこともあると思いますが、こんなふうに、思うことができれば、と思います。 -
図書館から借りた絵本
幼い頃、親戚のお葬式に参列した際、「思い出話をみんなですることが供養になるんだよ」と大人たちが言っていたことを思い出した。
みんなの中で、みんなの心や記憶の中で生きていれば、ずっと生き続けるんだね。
それを1本の木に例えているのがおしゃれだし素晴らしい。その木は残された仲間たちの憩いの場になるのもまたいい。
子ども達に寝る前読み聞かせました。
“これは少し難しいお話だよ”と最初に伝えてからスタート。小学高学年の娘、小学中学年の息子、園児の末っ子。それぞれがしっかり耳を傾けてくれた。
命はいつか必ず尽きてしまうもの。これからも命について様々な形で伝えていきたい。 -
2024.7 市立図書館 読み聞かせ(5分弱)
キツネとの思い出を語るところは、アナグマが出てくる「わすれられないおくりもの」と似ているけれど、「いのちの木」となっていくところは独創的。
著者プロフィール
ブリッタ・テッケントラップの作品





