- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591135488
作品紹介・あらすじ
『タイニー・タイニー・ハッピー』で大ブレイクを果たした飛鳥井千砂、3年ぶりの単行本! ある家族が抱える各々の秘密が曝されたとき、人間の本性が浮き上がってくる。家族小説の新たな方向を指し示す傑作長編!
三十一歳の桃子は実家暮らしで未婚。自分の中で培ってきた“ルール”を厳格に守り、家族や勤めている会社の人間にも一切スキを見せることなく暮らしている。ある日、桃子の携帯に弟の健太から2年ぶりに連絡が入る。子供の頃から迷惑をかけられっぱなしで、「一家の癌」だと思っている弟からの連絡は意外な内容だった……。
累計部数20万部を超す大ベストセラーとなっている『タイニー・タイニー・ハッピー』で一躍人気作家の一人となった飛鳥井千砂さんの、3年ぶりとなる単行本の新刊は、これまでの作風とは一線を画した、人の本質へ果敢に踏み込んでいく、まさに新境地といえる物語。
感想・レビュー・書評
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真面目ってわるいことじゃない。
なにを「真面目」とするのかにもよるけれど。
ひたすらおなじ道しか見えていないような
歩き方をしてしまうのなら
「真面目」からうまくはずれる方法を
覚えた方がいい。
ただ自分が苦しいだけだから。
ということに自分では気が付けない。
ケンジもマサミもいいこと言ってると思うけど
言い方が・・・
桃子相手だから、その言い方では
素直に聞き入れるのはむつかしい。
そして佐野。
最後でやってくれたね。
読みながら発狂しそうだった。
だめだめ、そんな男。
かわいそうな人。
すごくがんばっているのにもったいない。
がんばっているからもったいないのか。
幸せなところが見たかった。
いや、でも桃子にとって幸せって
なんなんだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この主人公…イライラするな〜と思いながら読んだ。結局自分がない事に気づくのが怖くて逃げ出したくて…最後に戻ってくるかと思いきや行ってしまった…さてこれからどうなるのやら?
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一冊で色々な感想が浮かんだ。
苦しいともとれるし、面白いともとれるし、
救いがあるとも、無いとも。
桃子の清廉潔白を求める気持ち、何となくだけれど理解できる。
何も成し遂げるつもりもなく生きることに一体何の意味があるんだろうと思ってしまう。
家族にも、そして自分自身にも。 -
飛鳥井千砂さんの文庫になっている作品は全部好きで読んでいる。「学校のセンセイ」と「タニー・タニー・ハッピー」が好きで何度か読んでいて、他の作品も最初はもやもやするのに、最後はなんだかほっこりする作風がすごく好きだった。
この作品は、今までの飛鳥井千砂さんの作品とは全く違っていてなんだか最後までもやってする。
いつも飛鳥井さんの作品に出てくる性格が歪んでいるキャラも読み終わる時には好きになれるのに、今回は全然ヒロインの事好きになれなかった。
あーでも義理の妹の雅美はなんだかいいキャラだった。 -
31歳独身の桃子
完璧主義で社会のルールを重んじ
1度も破ったことがないと豪語しながら
上司と不倫中。
それこそも 相手の家庭には全く迷惑を
かけていないのだからルールを
犯したことにはならないと言い張る
読んでいて痛々しくなるが
最後の最後に思わぬ展開が… -
うーん。なんか擬音がうざったかった。そういう技法なのかな?
「あれになりたい、と、しっかりと意思表示をして、それになって行った。」
「だって、怖い。自分で何かを望んで、何かになろうと思って、うまくそれになれなかったら?だったら、最初から今あるものの中にい続けたほうが。」
最後の方のこの辺が好きだった。 -
飛鳥井さんの作品。
いつも心地よく読むけれど、この本は徐々にサイコ感を感じてくる内容。
主人公がきっちりしたタイプではあるけれど、そのきっちりっぷりやルールが徐々に異常な感じに見えてくる、その自然な移行がすごいなあと思った。最後がまた怖い。